第2部 第一幕【 新しい世界、新しい玉座 】 第4章 お前たちが言う『秩序』とは、自分たちの都合のいいように他者を管理し、檻(おり)の中に閉じ込めるだけの枷(かせ)にすぎない
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~アーロンの背後には、漆黒しっこくのドレスを纏い、絶世の美しさを放つ寵妃セレスティアと、微塵の隙も見せない側近ルナが従う~
それでは、最新話をお楽しみください!
星間連合首都圏
『グランド・エデン』の
中央最高評議会室。
かつて
この銀河の
あらゆる文明と星系を
裏から牛耳り、
絶対的な
「星間法」によって
すべてを管理してきた
最高評議員たちの姿は、
もはやそこにはなかった。
あるのは、
冷え切った沈黙と、
天井から降り注ぐ
アスガルドの黄金色の光だけだ。
「……これが、
星間連合を束ねる者たちの
末路か」
私は足音を響かせながら、
白銀で統一された
半円形の議場へと
足を踏み入れた。
背後には、
漆黒のドレスを纏い
絶世の美しさを放つ
寵妃セレスティアと、
微塵の隙も見せない
側近ルナが従っている。
二人の足音さえも、
この空間においては
我が帝国の
絶対的な支配の足音と
同義だった。
議長席の最奥で、
かろうじて
意識を保っていた
星間連合の最高議長が、
震える手で私を指差す。
「ま、魔物め……!
我々は
星々の海に秩序をもたらし、
混沌から
銀河を守護してきた
というのに……!
貴様のような独裁者に、
この宇宙の理を
狂わされてたまるか……!」
血走った目で
そう叫ぶ議長の姿は、
かつて
地上で王国や聖王国が
私に向けたものと
全く同じだった。
無知ゆえの恐怖と、
自らの権力が
崩壊することへの絶望。
「秩序、ねえ」
私は鼻で笑い、
議長の目の前まで歩
み寄ると、
その肩にそっと手を置いた。
瞬間、
議長の全身が
黄金の光の粒子に包まれ、
その体が
ピタリと動かなくなる。
命を奪ったわけではない。
彼の肉体と意識を、
この議場の
「玉座を飾る大理石のレリーフ」
へと
一時的に性質変化させたのだ。
「お前たちが言う『秩序』とは、
自分たちの都合のいいように
他者を管理し、
檻の中に
閉じ込めるだけの
枷にすぎない。
そんなものに価値はない」
私は振り返り、
議場の全端末を接続するための
メインコンソールに手を触れた。
セレスティアが
私の思考を
寸分たがわずトレースし、
星間連合が保有する
全銀河ネットワークの
接続コードを
瞬時に構築していく。
「アーロン様、
連合の全管理システムへの
アクセスが完了しました。
全星系に布告する
準備は整っています」
セレスティアが
アメジストの瞳を
微かに揺らめかせ、
妖艶な笑みを
浮かべて告げる。
「よし。……
全星系に向けて、
この銀河の
新しい法律を刻み込め」
私は掌の
【全属性変換】の出力を
最大まで高め、
コンソールへと流し込んだ。
銀河全域に張り巡らされた
数兆の通信網、
すべての星のデータベース、
あらゆる生命の端末や
魔導ロジックに至るまで、
そのすべてが
我が帝国の
黄金色の光に
染め上げられていく。
『――これより、
星間連合の統治権は
すべて剥奪される』
私の声が、
宇宙の全星系、
すべての惑星、
すべての生命の
脳裏に直接響き渡る。
『これより
この銀河に存在する
すべての理は、
我が帝国――
アーロンの言葉によってのみ
定義される。
逆らう者は
領土の石材へと還り、
従う者は
我が栄光の礎となる。
異存は認めない』
その瞬間、
銀河の果てまで
張り巡らされていた古い
「星間法」の青白い光が
砕け散り、
代わりに
圧倒的で美しい
黄金の秩序が、
星々の海全体を包み込んだ。
抵抗の意思を示す者は
誰一人として現れなかった。
いや、
抵抗する概念そのものが、
我が帝国の
【全属性変換】の前に
書き換えられて消え去ったのだ。
「お見事です、我が君主」
ルナが深く一礼し、
セレスティアが
私の隣で
完璧な忠誠の姿勢をとる。
星間連合の首都陥落。
銀河の法は
完全に書き換えられ、
我が帝国の領域は
ついに
一つの星から星々の海へと
その版図を大きく広げた。
「だが、
これで終わりではない。……
地図の端に見えている
『次の銀河』の鼓動を
感じるか?」
私は
遥か彼方の
暗黒の宇宙を見据え、
冷徹で不敵な笑みを浮かべた。
すべての星々がひれ伏すまで、
我が覇道の
進攻が止まることはない。
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