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第4話:美しき副官たちと聖宮の決断

第8部

「頼みますよ、シルヴィア。

あなたとジュエダンの双翼が描く軌跡こそが、

我が聖国の新たなる

時代の象徴となるのですから」


セレスティアの美しくも気高い采配のもと、

ルナとエレーナ、そして

シルヴィアを中心とする

華麗なる女性たちの英知と力量が、

物語を美しく、そして鮮やかに

彩っていくのだった——。


◇


アルカディア本国の

中心に聳(そび)え立つ聖宮。


その最上階に位置する

中央大司令室「天鏡の間」は、

全宇宙の質量、エネルギー、

そして

全臣民の精神波すらも

一元管理する超量子知能

『S-オムニス』の

膨大なホログラム光で

満たされていた。


青白く明滅する

立体星図の中央に佇(たたず)むのは、

聖王アーロンより

帝国の全政務と

全軍の差配を一任された

絶対の総司令官、

セレスティアである。


その優美なシルエットは、

機能美と

気高くも圧倒的な威厳を

放っていた。


セレスティアの左右には、

聖宮の要として鍛え上げた

二人の女性副官が直立している。


第一副官、ルナ。


漆黒の髪を

完璧な夜会巻きに結い上げ、

無機質なまでに美しい

半透明のデータ眼鏡をかけた

彼女は、

S-オムニスから流れる

毎秒数億ペタバイトの

超量子データを

その天賦の頭脳で精査する。


彼女が指一本動かすだけで、

数千の星系における

資源分配率が

0.00001%の誤差もなく

最適化されていく。



第二副官、エレーナ。


幾何学的でシャープな軍装を

身に纏(まと)い、

燃えるような緋色の髪を

短く切り揃えた彼女は、

本国直属の超機動艦隊および

全銀河団への直命

(グランド・コマンド)の

発信を司(つかさど)る。


現場のいかなる突発事態にも

0.001秒で対応する、聖宮の

電光石火の行動力を

体現する存在であった。


「……セレスティア様」


ルナが静かに口を開いた。


その澄んだ声音は、

天鏡の間の静寂を

心地よく揺らす。


「α 銀河団における

 吾郎司令官の

『辺境の理不尽刈り取り』作戦、

 ならびに

 フェニックス銀河団における

 覇王レグナ様の

 ASサテライト網の

 完全展開に伴い、

 全宇宙における

 不調和なノイズは

 前週比99.98%減少

 いたしました。ですが……」


ルナが

細い手指でホログラムの

一部を拡大すると、そこには

未だ特定の幾何学構造に

組み込まれていない

未知の歪曲宙域

「プレアデス外縁星雲」が、

禍々(まがまが)しくも美しい

紫色の光を放って

浮き彫りになった。


「この宙域に潜む

 旧時代の遺物、および

 自律型自動防衛端末群が、

 各銀河団を結ぶ

 文化・資源交流ルートの

 接続を物理的に

 阻害しております。

 放置すれば、

 近々開催予定の

【各銀河団合同ルネッサンス大会】

 に向けた物流網に

 0.03%の遅延が生じる見込みです」


報告を聞いたエレーナが、

緋色の瞳をギラリと光らせて

一歩踏み出した。


「セレスティア様、

 本国直属の親衛艦隊を

 出撃させましょう!

 ルナの弾道計算と

 私の突撃陣形をもってすれば、

 あのような旧時代の塵(ちり)芥(あくた)、

 3時間で粉砕してみせます!」


血気にはやるエレーナに対し、

セレスティアは

優美な手つきでそれを制し、

柔らかく、しかし

絶対の重みを持つ笑みを

浮かべた。


「焦ることは

 ありません、エレーナ。……

 私たちが目指すのは、

 単なる破壊や平定では

 ありません。

 我が聖国

 アルカディアの強さは、

 圧倒的な力だけでなく、

 それをいかに美しく、

 完璧に調和させるかという

 『気高き機能美』

 に、あるのですから。」


セレスティアは

ゆっくりと玉座から立ち上がり、

天鏡の間の

広大なホログラム星雲を見つめた。


「吾郎が外縁の泥を払い、

 レグナが

 後方の基盤を固めてくれた今、

 本国が解き放つべきは

『聖宮の双翼』……

 シルヴィアとジュエダンです。

 ルナ、エレーナ。直ちに

『グランド・コマンド・エプシロン

& インフィニティ』を発動しなさい」


「御意!」


二人の副官が同時に一礼し、

コンソールへと

跳弾のような速度で

入力を開始した。


ルナの

精密なデータリンクが、

プレアデス外縁星雲の

全位相データをコンマ数秒で

解読・構造化する。


エレーナの

圧倒的な通信プロトコルが、

数万光年離れた

ε(エプシロン)銀河団と

∞(インフィニティ)銀河団の

旗艦ブリッジへと

ダイレクトに接続された。


「S-オムニス、

 超量子回線接続完了。

 本国総司令官

 セレスティア様より、

 直属軍司令官シルヴィア様、

 ならびにジュエダン様へ、

 聖宮最高レベルの

 直命を発令します!」

明朝 7:30 に投稿します。


【セレスティア通信(1)】


聖宮副官「ルナ」および

「エレーナ」の機能・役割について


本国聖宮の総司令官

セレスティアを補佐する

二大副官のプロフィール

および分掌は以下の通りである。


第一副官ルナ

(データ解析・戦略計算)


S-オムニスの量子データを

極限まで精査し、

全銀河の

治世・作戦計画の

期待値を算出する

聖宮の「頭脳」。


冷静沈着かつ

隙のない判断力で

セレスティアの意思を補佐する。



第二副官エレーナ

(現場統括・即応指揮)


本国直属部隊の機動統制

および各銀河団への

指令伝達を司る

聖宮の「行動力」。


情熱的でありながら

緻密な現場把握能力を持ち、

作戦の即時完遂を担保する。



【セレスティア通信(2)】


女性指導層主導の

「聖宮統治ドクトリン」


美と機能美の融合


総司令官セレスティア、

副官ルナ&エレーナ、

そして現場を率いる

シルヴィアら

女性指導層が中心となり、

力強い統治のみならず、

芸術・文化・

精神的気高さを重視した

「女性主導の秩序構築」を推進する。


合同ルネッサンス大会への波及


この美しく

厳格な指導体制が手本となり、

各銀河団における

独自ルネッサンス運動も、

より洗練された

美的競い合いへと

昇華されつつある。

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