『優雅な朝に驚きを』 作者:あき
「ちゅんちゅんちゅん...。」
「...うーん。あと5ふん.....。」
「チュンチュン!ハッハァ、朝ダZE!!HAYAKUオキナァ!!チュンハァ!!」
「どうえええええぇぇぇぇぇぇいっっっ!?!?!?!?」
なんじゃこのいかつい声を放つ目覚まし時計は!!
「ぷっ...くふふ。」
俺が目覚める一部始終を部屋の入口から密かに覗き見し、驚いた俺をあざ笑う。
神威零紗。まあいろいろあってこの俺の家に居候中だ。てかこの時計、ぜってーアイツの仕業だろ...。
しかし年頃の男女がひとつ屋根の下とはいかがなものか...むむ。
「なに変な顔をしているのかしら?せっかくの朝食が覚めてしまうわよ?...それにしても、さっきのは...ふふふ。」
変な顔とは失礼な!しかも笑いすぎだろ!!
てか、確かになんかいい匂いするなぁ...。
とりあえずベッドからでて制服に着替える。
...学園の名前はダサいけど、制服のデザインだけは無駄に凝ってるよな。
などと改めて考えながら締めにネクタイをする。ネクタイだけに、締めに締める。
「ぷぷぅ!!」
今日の俺は絶好調だな!!
うきうきスキップをしながら居間に行く。すると...。
「おはよう彩希。ありあわせで作ったものだけど...味は保証するわよ?」
メインのバターを塗ったトーストにはじめ、スクランブルエッグ、ソーセージ、ブロッコリーにミニトマト、と食彩も豊かにきらびやかな朝食が並んでいた。
シンプルイズベスト、まさにこれだ。
「う、うまそう...!」
ありあわせ、というかもはやフルコース。
「いっただっきまーす!」
まずはトーストを....。
カリッと表面が焼けた食パンからは香ばしい匂いがし溶けたバターからは甘い匂い...。
ひとくちかじると軽快な音が爽やかな朝のひとときに響く。
口の中ではふわふわなパン生地にカリッと焼けた表面に溶けていたバターが絡まり上品に素朴な味を再現する。
「う、うまい...うますぎるッ!!こいつ、ただのトーストじゃあない!?」
「ただの5切れ200円の食パンを焼いて220円のバターをひと塗りしただけよ。」
「...そうか。いやしかしうまい!」
ふわふわに仕上がっているスクランブルエッグにはケチャップが絡まり卵の甘味とケチャップの酸味のバランスが絶妙になっている。
パリッと焼けたソーセージも程よい塩味がついていて口の中をさっぱりさせ、全体のまとめ役のような無ければならない存在として輝いている。
ブロッコリーとミニトマトの野菜組はよく冷えており新鮮な食感が食欲を倍増させる。
「天国やぁ...。」
いまにも昇天しそうな顔をしているとあることに気付く。
「あれ?零紗、食わないのか?」
俺の分は豪勢に並んでいるが零紗の分がない。
いや、早く気づけよ。
「私は朝は取らない派なの。」
「えー。栄養はちゃんと取れよぉ。ほら、うまいぞ?」
ソーセージをひとつ、箸で掴みあげ零紗の口元へと運ぶ。
食べさせてあげる俺氏紳士。
「はっ!?ばっ!ばかじゃないの!?あーん、だなんてそんな...。」
「何をためらう!!ここには俺とお前しかいないだろ!!さあ!」
ソーセージを零紗の口に当てて強引に口を開かせる。
そして開いた口の中へソーセージを頬張らせる。
「んっ...!はふ、お、おっきくて...ん、じゅる、しゅ、しゅごいのが...おくちに...んんっ!はぁはぁ...。」
「なんでそうなる!!普通に食えよ!!」
「あら。あなたがそうさせたんでしょう?」
口元からしたたるソーセー汁をぺろりと妖艶に舐めとる零紗。
こいつ、こういう画って似合うよなぁ...。
「それじゃ、私は先に行くから。食器は洗わなくていいわよ。」
「えっ、あ、お、おう...いってらー。」
めっちゃ急に行くなあ...。
てっきり一緒に行くかと思っていたけど、女の子って難しい。
「...ん?電話?お、委員長からか。朝からなんだ...?
もしもーし。...おう。...うん。.....はい?...え。えええええぇぇぇっ!?!?」




