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プロローグ
「神社は鬼を祀っているからね。節分の時は鬼も招き入れるんだよ」
父の言葉を信じ、毎年節分では「鬼は内、福は内」の掛け声と共に豆まきを行った。
父と二人では二十八回、一人では二回目の節分の日。彼は神社へやってきた。
漆黒の体は人間の倍以上の大きさ。その手足は骨と皮ばかりと言えるほどに細く、背には体幅を超えるコウモリのような翼を携え、腰まで届く黒くうねった髪をなびかせていた。顔には大きな赤い一つ目と口。けれど頭には見慣れた二本の鋭く真っすぐな角が生えていた。
そんな恐ろしい見た目の彼を僕は、
「君も鬼だね。ようこそ、鬼神神社へ!」
と言って彼を神社へ招き入れた。
「君の名前は?」
「……アクマ」
「よろしく、アクマ!」
それが彼――アクマとの出会いだった。




