14. 正直者と不正直者の夜話
「なんていい食堂なんだ。あのとき農務省に行っていればよかった」
「ルシフィット様が聞いたら悲しむぞ? カックリー、いったいどう考えるんだ? 」
ソファのクッションの奥で二秒静かになり、そしてその灰白色の逆立った髪が微かに動き、カックリーは寝返りを打ち、赤い同心円の瞳孔を白いニットの袖口の上から覗かせ、天井を見つめた。
「もう少し考える」
「もう十八時間も考えてるじゃないか! 」
「二人とも黙れ」
「公証所を出てから今まで、お前は食堂でリゾットを三杯、ステーキ二枚、サラダ一つ、プリン二つを食べた以外、何の決定もしてないぞ」
「プリンは施諾娃が取った」
「でも食べたのはお前だ(しかも俺のを奪った。早く六弾丸貨返せ)」
「姉妹の間のこと、奪うなんて言うな」
「カックリー、この件はもうこれ以上引き延ばせない。銀穂の根系はすでに土壌の酸性度を変え始めているかもしれない――もしこのまま放っておけば、大王金麦どころか、銀穂自身も生き残れない。お前は直接禁止すべきだ」
「そうだよ、姉ちゃん。これが唯一正しい決定だ。データは他のどの案も支持していない」
「お前たち二人……並んで話してる姿、なかなか様になってるな」
「カックリー」
「はいはい……尋夢、一つ質問する。農務省がなぜ私に寄付をしたか、分かるか? 」
「お前が聖女であり、同時に金腔原の人間だからだ」
「そう。でももう一つ理由がある――私は両方を同時に押さえられる唯一の人間だ。農務省は表立って私に手を出せない。なぜなら私はルシフィット様の代理人だから。金腔原の農民は私の言うことを聞かないわけにはいかない。なぜなら父ちゃんがあの石卓の向かいにまだ座っているから。もし私が銀穂を禁止すれば、農務省は不満だが、顔を潰してまでは来ない。もし私が銀穂を許可すれば、農民は不満だが、本気で私にどうこうはできない」
施諾娃は振り返って父親を見た:
「父ちゃん―― 」
「うん……もしカックリーが本当に銀穂を許可したら、ベルトでコマみたいに回してやる ぞ」
カックリーは取り合わず、赤い瞳孔を真っ直ぐに私へ向けた。
「もう一度考えるんだ。お前はどっち側だ? 」
「もちろん―― 」
「お前はさっき『直接禁止』と言った。その言葉がお前の口から出て、広まれば、翌日には『勇者様がルシフィット様を代表して金腔原に銀穂禁止を要求した』になる。農務省はどう思う? ルシフィット様が農民の側に立ち、政府の産業改革を弾圧しようとしていると考える。農民はどう思う? ルシフィット様が派遣した勇者が自分たちのために話してくれていると思い、自分たちには後ろ盾があると感じる――悪意ある悪人がもっと猖獗 を極めるかもしれない」
そうだ、どこにでも用心しなければならない隠れた悪人はいる。
「そして? 農務省は納得せず、国王に訴える。国王は『これはルシフィット様の意向だ』と言う――しかし心の中では、これがチャンスだと分かっている。そこで国王は調査と調停のために人を派遣し、さらに事を大きくし、なんとかしてルシフィット様を引きずり下ろそうとする。金腔原の農民も完全に翻って反抗する……彼らは銃を取る。彼らは銃を持っているんだ、尋夢。どの家にも銃がある(そして魔法も)。ここはガントピアだ、釜山じゃない。そのときは―― 」
「釜山? そこは韓国 だろ? 何を言ってるんだ…… 」
「私は韓国なんて知らない。私はお前が前に釜山でやったあの件 を言ってるんだ。銃がなかったからこそうまくいった」
「何……いったい何を言ってるんだ? 俺は韓国に行ったことなんてないぞ? 何をやったって? 」
「……しまった。施諾娃、フォローして」
「ああ、姉様が自分で書いた二次創作設定 に入り込みすぎて、実はあなたの様々な冒険を脳内で補完するのが大好きで、憧れてるんですよ~~~ 」
「おいおいおい! フォローしろって言ったのに尾ひれをつけるな ! とにかく、テレビを見よう! 」
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「カックリー、私たち大丈夫なんだよな? 」
「おいおい、私はガントピア唯一の聖女様 だぞ? どう思う? 」
私は洗面台に寄りかかるカックリーを見つめた:灰白色の逆立った髪が暖光の中で漂い、ニットの裾にはさっきのプリンの染みが付き、片方の靴下はもう半分脱げている。
「……ううう、吾命休矣! 」
「おい!!! 」
カックリーが飛びついて、浴槽の縁を平手で叩いた。蛇口が震えて一滴 垂れ、それが私の枕に落ちた。
「明日のことは明日考える 。寝る」
「ちゃんと頭を使えよ。食べた糖分を無駄にするなよ」
「そうだ」
「まだ何かあるのか? まさか展示 がまだあるのか? 」
「違うよ(しかも昨日の金まだ返してもらってないし)。私はお前のこれまでの事件 を聞きたいんだ」
「!!! おいおいおい、まさか本当に俺に惚れた んじゃないだろうな? 残念だが俺の好きなのは―― 」
「何を考えてるんだ? ただお前の実力をもう一度確認したい だけだ。私より強いのかどうか を」
「そうだな……一度秘密の連続いじめ を止めたことがある。あと一度学校で五十年と地下室の鍵 をなくしたのを見つけたことが―― 」
「待て待て待て、大規模なやつ が聞きたいんだ! 」
「よし、一度アニメが引き金になった集団ヒステリー殺人事件 を止めたことがある。一度地下アイドルに偽装したテロリストの襲撃 を止めたことがある(実は彼女たちは地下アイドルだったんだが、そう言うと正確じゃない)。国際連続自転車窃盗団 、軌道連続自動殺人事件 ―― 」
「もっと刺激的なのはないのか? 血が多いの! 死人が多いの! 場面が大きいの! 」
「さっき言ったのでもう十分血も死人も場面も大きいんだが……(汗)** 」
「……ある? カルト 関連の」
「? カルト関連? ないな。俺のところでは様々な事情で その辺は非常に厳しく管理 されてるから」
「CilingCilingとPiajiPiajiの件はないの? 」
「CilingCilingとPiajiPiajiって何だよ! 」
「はいはい、じゃあ総合的に見て お前はやっぱり私には及ばない な~~~ 」
「はいはいはい、及ばないよ。早く寝かせてくれ」
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浴槽の底の弧が背中に当たるが、お湯の残りの余熱がタイルを温かくし、枕は湿気を吸って、頬に貼り付くとなんとも言えない安心感があった。意識は弾頭が腔線の中でゆっくりと減速するように、回転がどんどん遅くなり、どんどん遅くなり……
……眠れないな。何か 変だ……
カックリーの言ったこと、具体的すぎないか?
二次創作なら釜山なんて知らないはずだよな……
釜山……ゾンビが出るところだっけ?
何か 変だ……
あ、そうだ。私の左足がはみ出してる。引っ込めよう。
……後で引っ込める。
……
…………
狂ったエジソン博士が実験室に駆け戻り、かかってきた 旧式電話をチリンチリンと鳴らし、音もなく 二言 話した後、床の上で大喜びで転げ回り、床を蹴り続け、止まり、二歩走り、転げ、蹴り、二歩走り――
ドンドンドン!
「娘よ! 村の向こうの金じいさん が、殺された! 」




