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EP1 絶望と死霊術師

1話目になります。

2話目は同時に投稿しております。

 この呪われた世界の話をしようか―




『お前は要らない子だ』


――――――――――――


「っ!?」


またこの夢だ。要らない子だと言われる夢。そんなことを母や父に言われたことはない。

だが、誰かもわからない人物に「要らない子だ」と言われる夢をずっと見る。


「朝から憂鬱…」

イライラとしながら天城(あまぎ)(れい)は布団から起き上がる。

零は階段を下りた。


「母さーん、ご飯まだ、」

信じられない光景を目にした。散乱とした血まみれの部屋。


「零、逃げ…」


それが、母が最後に絞り出した「音」だった。


視界が爆ぜる。

喉の奥で、酸っぱい何かがせり上がった。



「「あ、あぁぁぁぁぁ!!」


絶叫する零の背後で、冷ややかな少女の声が響いた。


「無駄よ。もう、魂の残滓も残っていない」


その声は絶望している零には届かない。


零は立ち尽くす。ハッとして救急車を手持ちのスマホから要請しようとするが、繋がらない。


「何なんだ!」

怒りに任せてスマホを投げた。


「母さんっっ!!」

零は母親の体を強く揺する。


「それは霊にやられてる」


少女がまた言う。


「誰だッッ!お前がやったのかッッ?!!!」

額に青筋を浮かべ、零は部屋中に響き渡る声で叫ぶ。


「私は死霊術師(ネクロマンサー)『第壱戦闘隊』恋坂ロゼア」


「なんなんだ!お前、お前何をしたっ!!!!」


怒りに身を任せ、ロゼアと名乗った少女に拳を振るう零。だがその拳は、ロゼアによって止められた。


「私が駆けつけるのが早ければあなたのお母様は助かったかもしれない。お母様の傷を見てみて。あれは霊によってやられたものだわ。人間がやったものではない」


「そんなこと言われてもわかるわけないだろ!霊だとか、戦闘隊とかふざけたことをいうのはやめろ!」


「貴方はお母様のこの傷、人間がつけれるものだとだと思っているの?」


「っ、、」


零は沈黙する。おかしいと思っていた。人間がつけれるような傷ではない。みぞおちに半径5センチほどの穴が空いている。それに首についているあざのようなものは人間のものとは思えないような大きな手の跡。

頬には10数箇所の引っ掻き傷のようなもの。母の横には人間のものとは思えない大きな泥まみれの足跡。


「貴方はこんな話を聞いたことはない?この世界は大昔から霊によって呪われていて、その霊を退治する為にいる人間が作った組織があるってことを」


ロゼアは零の手を握る。零の手は人間とは思えないほど冷たかった。


「知らねえよ!何なんだよ!こっちはよぉぉ!!!!母さんが…こんなん、に…なったって、いうのに…!」


零は堪えていた涙を堪えきれなくなった。怒りに任せて拳を壁に強く叩きつける。

目からは大粒の涙がこぼれ落ちる。


「この話は本当よ。今もこの世界は霊によって呪われている。悪霊は私達、死霊術師(ネクロマンサー)が倒している。だから昔よりかは霊に殺される人間もいなくなったわけだけど、まだ被害はあるのよ」


「そんなこと言われても知らねえよ…!!!!俺は母さん以外に身寄りがいないんだよ。父さんはどっかいっちまったしよぉ…どーすりゃあいーんだ」


震える冷たい手、瞳からは大粒の涙、青ざめた顔。

零はロゼアの背後に気配を感じた。それは、ロゼアが悪霊を倒すために契約した人間の味方である【ニーズヘッグ】と言う名前の霊だ。本来ロゼアが契約している【ニーズヘッグ】は死霊術師(ネクロマンサー)の才能を持つもの以外目視は不可能だ。でも零は違った。僅かな、空気が凍りつく音、本能が逃げろと叫ぶ静寂を感じ取ったのである。


「なんだ…その悍ましいのは…」

恐怖に震えた声で零は言う。


(本来死霊術師(ネクロマンサー)の資格があるものしか【ニーズヘッグ】は見えないはず…なのに、【ニーズヘッグ】が見えた?!なんで!ただの一般人なのに?!)


ロゼアは驚きのあまり一瞬だけ棒立ちする。そして心の中でニーズヘッグに自分の体の中に隠れるように命じる。そうすれば、契約者のロゼア以外【ニーズヘッグ】を感じることはできなくなるからだ。


「今この部屋に霊はいない。安心して欲しい。それとお母様のことは…」


「もう助からないんだろ、?」


目に大粒の涙を浮かべ震える声で言う。


「っ…」


言葉を失うロゼア。何回も零と同じような人間を見て来た。その度に辛かった。


「ふざけんなよ、ぶっ殺してぇなぁ、その霊ってやつをよぉ」


腕で目を擦り、怒りか悲しみで震えた声で零は言う。


「身寄りがないなら、よければ私と一緒に来て欲しいの。あなたには死霊術師(ネクロマンサー)の資格があると思うの。霊に恨みがあるなら、死霊術師(ネクロマンサー)として、霊を祓いましょう」


「俺はそんなんわかんねえよ。でもこのままじゃいられねぇんだ。なれるってんなら、なってやるよ死霊術師(ネクロマンサー)


「そう…ありがとう」


ロゼアは零の手を取り立ち上がらせた。


「お母様の体はこれに入れて欲しい。」


そう言ってロゼアが差し出したのは、人が1人入るであろう大きなサイズのしっかりとした素材の真っ黒な袋


死霊術師(ネクロマンサー)たちがいる場所まで運ぶ。霊が触った人間の体は、数時間もしないうちに灰になってしまう。でも特殊な術を使える死霊術師(ネクロマンサー)のところまで運べば、比較的綺麗な状態で運べるの。だから苦しいだろうけど、ここに入れ…」


零はロゼアの言いたいことを理解して、すぐ震えた、母の血に塗れた手で優しく母の体を真っ黒の袋にいれた。


「絶対仇を取ってやるからな、母さん」


母の体を優しく抱いて、零は真っ黒な袋に母を入れた。


「ついてきて」


母の体を抱いた零の服の袖をロゼアは引っ張って外に

連れ出した。


「ニーちゃん、転移」


外でロゼアは謎の言葉を発した。何が起こっているのかわからなく、零は困惑した素振りを見せる。


「ズズズズ…」


ロゼアの首元から悍ましい形をした"何か"が出てくる。零はさっきまで暑かった周囲が徐々に冷えていくのを感じた。呼吸がしづらくなった。脳に響くようなノイズ音も聞こえた。


(何が起こっている…?)

零がそう思った瞬間周囲がパッと暗くなる。瞬間的に目を瞑った零は目を開けた瞬間外の光景に驚く。


「ここは一体どこだ?」


さっきいた場所とはまるで違う、薄暗い場所。夏だと言うのに、冷えた外。


「ここは死霊術師(ネクロマンサー)たちのいる場所よ」


ロゼアは零に語りかける。


「さあいきましょうか。死霊術師(ネクロマンサー)たちがいる場所、そして私が属する第壱戦闘隊に」


そう言ってロゼアは零の手を優しく引っ張った。

本気でこれから描いていくので、よろしくお願いします!ブックマークや評価して頂ければとても嬉しいです!

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