第五話
質、数ともに今までより上だった敵とチームワーク戦から一週間。夕食後の練習からチームとしての動きに関してに時間を費やすことが多くなった。翌朝、前日のギアマックス気味のわたしの動きを伺い、戸惑い、それでもなんとなく覚えていた追尾神楽の上手な使い方について考えていた。見るからに羨ましがっていたチカちゃんキョウちゃんは帰ったら個人練習もしたいと、試したいともらしていた。その日は襲撃がなく夕食を出していただき解散。
それから日曜をまたいで平日。毎日襲撃があったが先輩達の力を借りることなく殲滅することが可能だった。戦闘終了後先輩達と別れナナに作ってもらった空間でチームの練習。動きのチェックとお互いに戦い方の案を出す。長引く日もあるが帰って食事を済ませて、寝る前に少し自分の練習をする。徐々に先輩が言っていた自分の素質スキルについて知ることが重要だということを再認識。自分ができることを知って、仲間ができることを知って、それからチームとしての戦術に幅が増えてきた。
そして今日。敵が来ないまま18時を迎えた。
「わーい!帰宅だー!」
楯さんの車にももう慣れた。全速力で先輩達の家に向かう。
「今週の土日はどうする?また泊まりにくるかって四季が」
桐子さんが振り向き問いかけてくる。わたし達は顔を合わせ確認する。
「お邪魔じゃなければ、お願いしたいです」
「おー!任されてー!チカちゃんキョウちゃん、ボードゲームの練習はしてきたかなー!?」
ボードゲームにおける練習がどんなものかは知らないが楯さんに限らず先輩達がみんなわたし達をあだ名で呼ぶようになった。仲良くしてもらって何よりだ。チカちゃんは大きく返事するがキョウちゃんはまだこの運転に慣れず涙目で揺れているだけだった。そういえば行きはともかく帰りはこんなに急ぐ必要はない気がするけど、つっこむのはやめておこう。
「準備してありますから、手洗って食べてください」
帰ってきたら食べられるようにお菓子を用意してくれている先輩達。両親に毎日外で食べて何してんのと言われてしまったと話すとじゃあ軽めにしましょうという話になって、それでも準備してくれている。優しい。
「四季、みんな今週も泊まるって」
「わかりました。待ってますね」
楽しいお茶の時間を過ごす。先輩達は大人で、近所の高校生のお姉さんがあと一年二年でこうなるとも思えない。わたしは五年でこうなれるだろうか。人としても、巫女としても憧れる存在だ。人間性、巫女、どちらが近づきやすいだろうか。
くれぐれもお土産はいらないという言葉に甘え、今回は手ぶらで一度帰宅してから先輩の家に行く。まだ帰っていなかったのでしばらく待ち、サラちゃんと喋っていると四季さんとリセさんが来て、部屋でゆっくりとする。全員が集まった頃、食事のときは控えていた先輩達の昔の話を聞きたいとせがんだ。
「どこまで話してましたっけ」
「楯さんが仲間になって、それを相談したいってところまでですね」
先輩達が昔どうやって自分の素質を調べていったとか、どういう修行をしたかとか断片的には聞いていたが詳しい続きは聞いていなかった。
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楯のお願いを聞き入れることにしたわたし達、そのままその家に向かいます。楯に話がしたい相手について聞こうと思ったのですがナナとの談笑に花を咲かせていたのでまあいいかとなり、ついていきました。
「ここだよん。ぴんぽーん!」
呼び鈴を鳴らす楯。
「あたしでーす!」
表札がなかったのでわかりませんでしたが、大方予想がついていました。
「楯なにもう用事終わっ、と、あれ、水華さん、利府さん?」
「やはり、鈴さんでしたか」
楯と桐子は幼馴染で、当時わたしは美人で落ち着いているいい人だなくらいな印象でした。
「ね、桐ちゃん、話したいことがあるんだけど、いい?」
「と、え、うん、いいんだけど、二人は、どうしたの?」
「二人も関係あることなの!二人も一緒に、ね!」
「ま、まあ、うん。……あがる?とりあえず」
「お邪魔でなければ」
「ごめんね、急で」
お互いに悪い印象は持ち合わせていませんでしたが、一緒に遊んだり休み時間をずっと過ごしたりということはなく、そんな関係でしたので急に家に来たらびっくりすることでしょうね。
「えっと、じゃ、うん。上がって」
桐子の後ろについていき部屋に入ります。綺麗に片付いた部屋に座布団を置いてもらい、わたし達はどかんと座る楯に続きました。
「で、どうしたの?話したいこと、だっけ?」
呆れ気味に桐子は楯に聞きます。普段から天真爛漫で何にでも首を突っ込む楯に手を焼きつつ保護者のようなやくわりをしていた桐子でしたので、今回もまあわたし達に何か頼まれて手伝ってくれとかそういうことだと考えていたように思えました。
「うん。巫女になったんだけど、どうしたらいいかなあ?」
「はあ?」
桐子が顔をしかめるのも無理はありませんでした。素っ頓狂が過ぎますから。
「わたしから説明してよろしいですか」
「うん!ごめんね、あたし苦手かもだから!」
楯ににこと笑顔を向けられ、桐子からは少しむっとした顔を向けられました。仕方ありませんけどね、確かに巻き込んだのはわたし達ですから。
「わたしとリセは、少し前妖精と出会いました。妖精はわたし達に巫女になって戦ってこの世界を救って欲しいと言いました。巫女といっても神社にいて箒掃いてらっしゃる方ではなく、この世界に現れた敵と戦う人間のことを巫女というそうです。一月ほど二人で活動をしていましたが、今日、学校で楯に妖精を見られてしまいます。妖精は素質がある人にしか見えないとかで、見ることができた楯を誘い、仲間になっていただきました」
「へえ、それで楯を戦わせて、名前でもう気軽に呼んじゃって、仲間にしたわけ?結構なことだけど、危ない目にあわせるつも……り……」
わたしの発言が気に食わなかった桐子の言葉はそこで止まりました。
「……と、水華さん、それ……いやいや、そんなこと」
わたしを指差していた桐子。
「四季、ごめん寝ちゃった。四季の髪って寝心地いいね」
「ナナ、今は大事なお話の最中で」
「妖精。うん。妖精。いやいやいやいや、作り物だよ、ね、うん」
「キミ、ワタシが見えるの?ね、巫女になって、ここのみんなと戦ってよ!」
わたし達はもれなくぽかんとし、それから楯が喜んでわたしとリセは顔を見合わせ笑ってしまい、桐子は引き続けていました。
「おかしいおかしい。人形じゃない。飛んでるしなんか」
「まさか、鈴さんもそうだったとは」
「手が込んだいたずらだねそうだよね。ごめん水華さん私酷いこと言っちゃった。ごめんね、謝るからネタ晴らししてもらえる?どういう原理なの?」
「桐ちゃん、違うの本物の妖精なんだよ!」
「ほんもの」
「我々が魔法というのがわかりやすいんですが、ナナの世界から供給される霊力を操り、名称的には神楽と言いますが、を使えるというのも本当です」
指を鳴らしスナイパーライフルを出す。実に物騒な確認でしたが今日覚えたばかりの不安定な楯に比べたらいくらかまともでした。
「怖っ」
「もっとわかりやすい、魔法魔法しているほうがいいんですが、あいにく」
「えっと、四季、やってみていい?」
リセはクラスメイトの部屋で対敵用の神楽を使う人間ではなく、わたしよりも適役だと考えお願いしました。
「見ててね」
リセが両指を合わせ、ゆっくりと離すと電気が発生しました。わかりやすく、楯がおーと拍手をします。
「あとはね」
人差し指を伸ばしその先から氷を出してハートを形作りました。リセらしい優しい神楽講座でした。
「うん、まあ、信じるよ。すごいね、なんか」
一呼吸置く桐子。
「で、えっと、なんだっけ」
「楯が信頼しているあなたにこの話をしたいということで、やってきたわけなんですが」
「どうやったらいいかなって聞こうと思ったんだけどっていうかそれどころじゃないじゃんすっごいじゃん!桐ちゃんも巫女になれるんだよね?なれるんだよね?」
「ナナが見えているということは、素質があるということですね」
「桐ちゃん!巫女やろう!一緒に世界を救うんだよ!」
「……」
桐子は言葉を詰まらせました。
「危険なの?水華さん」
「結構」
「他には誰かいないの?」
「わたし達三人だけです」
「楯をそういうことに巻き込まないでって言ったら、やめてくれるの?」
「楯はこちらとしては心強い仲間ですが、あなたにとっても大切な存在だと理解しています。あなたが楯に説得して、やめると言ったら無理にとはいいません」
「桐ちゃん、違うよ」
「ごめん楯黙ってて」
しんとした空気。ナナも飛び回ることができずわたしの髪に戻ってきました。
「ごめんね。そういうつもりじゃなかったんだ」
ためいきをつく桐子。
「そうだよね、いつものことだったよ、そういえば」
「ん?」
「何か必要なものとかあるのかな、巫女になるの」
「桐ちゃん!」
「いえ。ナナがあなたに流れる力を解放すれば霊力をコントロールできます」
「難しいの?」
「人それぞれと思いますが、おそらくあなたなら」
「おだててるってわけじゃなさそうだね」
後から聞いた話ですがリセはこの張りつめた雰囲気に耐えられなかったらしいです。一触即発、もしわたしが神楽を使った喧嘩をしたら全力でとめなきゃと。桐子がぴりぴりしているのは感じましたが、わたしも似たような感じだったみたいです。
「オッケー、私もなるわ。なっていい?」
「是非とも」
「やったー!やったね桐ちゃん、これで一緒に戦えるね!」
「戦えるのは嬉しくないでしょ」
リセが胸をなでおろします。
「ああ、なんか緊張した」
「ごめんなさい、リセ。よろしくおねがいします。桐子」
「えっ私も名前?」
「わたしは仲間は名前で呼ぶ主義なんです。急でごめんなさい」
「うん。いや、いいけどね。ああそういうこと。よろしく、えっと、四季。リセ、って呼んじゃっていいのかな?」
「うん。みんなからもそう呼ばれてるから。よろしくね、桐子ちゃん」
「わーい!仲間だー!イエーイ!」
その後ナナによって巫女に、そのまま素質スキルを調べます。もうこれは聞いているんですよね、桐子のスキルは形状変化。元々運動神経が高く器用だった桐子はすぐにコツを覚え、イメージしやすいからとのことで両腕にリングを巻き、それを霊力によって自分の思い描く武器にかえて戦いました。
楯と桐子の加入により前衛というポジションが生まれました。防御よりの楯とスピードのある桐子。コンビプレーも兼ね備えていて安全性も高かったのでわたしとリセが後衛として攻撃することで全体的に被攻撃率も下がりチームプレイを覚えていきました。
それでも、わたし達は霊力が足りません。勿論敵も今戦っている相手より弱かったので絶対に倒せないというわけではなかったですが。何かミスをするとこちらが崩れ、殲滅できず撤退。ふたりの加入で頻度は減りましたがそれでも連戦連勝というわけにはいきませんでした。そんな中敵の勢力が増大する日がありました。倒しても倒してもきりがなく、霊力に限界が見えた頃、そこで偶然通りかかったひかりと出会うわけですが。
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「この話はまた後でしましょうか。そろそろ襲撃の時間です」
「さあみんな出陣の時間だよー!」
車に乗る。余裕を持って出たはずなのに全速力の楯さんの運転。これ捕まらないんだろうか。
「ここ紅茶二杯も飲むんじゃなかったですわー!」
気分でも悪くなってしまったのか後ろからそんな声が聞こえた。いまだに苦手なのはキョウちゃんくらいのようで、なんだか可哀想だった。
「で、今日も来ねーとか?」
「二日連続で来ないとかあったっけ、今まで」
「……ない……はず」
夕焼けの中襲来を待つ。先輩達は後ろの土手で待機しているが、ここ一週間出番がない。少しは強くなった、かな。
「噂をすればですわ」
空間が捻じ曲がり、わたしたちの敵が訪れる。霊力を解放しこちらも戦闘態勢に。ナナが空間を保護し、居合わせた人を襲われる前に救出、既に気を失っているが空間の外に。これでこの中にいるのはわたし達と後ろの先輩、それからわたし達の世界にやってきた敵だけ。
「行こっか、みんな」
「おう」
「おー!」
「……おー……」
「ですわ」
敵がこちらに向かってくる。いつもどおりチカちゃんキョウちゃんが前に。特に代わり映えしない、いつものタイプの敵だ。
『ファーストアタック!』
一撃で敵を沈めるチカちゃん。そのまま敵陣に突っ込んでいった。
『遅いぜ!』
素質でわかったことその1。チカちゃんの拡散は霊力の調整が可能でその衝撃を利用することで武器での攻撃スピードと威力を上げることができる。霊力を武器にまとわせ攻撃するよりも省エネな戦い方が可能になった。武器の一部分に拡散を発生させスイング。使わなくても一対一なら余裕だろうが、スピードが必要な際に使うようにしているらしい。
『独り占めはいけませんわ』
敵の動きを止めたキョウちゃんが一体一体切り刻んでいく。
『もう、相手になりませんことよ』
その2。キョウちゃんの重力神楽は自分を中心とした円状の全体発生だけでなく指定範囲のみに使うことができる。これを利用することで必要最低限な消費霊力で相手の動きを止めることができる。その分を身体能力の向上に当てているらしく、攻撃力があがった。が、チカちゃんと共に前に出すぎていた。チカちゃんに向け敵が二体同時に攻撃をしかけてくる。
『残念!あたらないよん!』
チカちゃんの周りにバリアが発生する。ますみちゃんがにかっと笑っていた。
『みんなを守るのが僕の仕事!』
その3。ますみちゃんの能力は遠隔発生も可能で、その場合本人曰くそこまで大きく使えない、らしいが一人分くらいのバリアは作れるらしく緊急的に防御が必要になったときは絶対のバリアが守ってくれることになった。防御に裂く割合が減り、その分攻撃にあてられる、とか言っているがそれはそれでどうかと思う。そのますみちゃんに攻撃しようと近づいた敵を人間の頭大の精霊が頭突きで吹き飛ばした。
『……よし……』
その4。サラちゃんの召喚する精霊は種類が多く、霊力攻撃型、直接攻撃型などがあり原理は詳しく教えてもらえなかったが覚えてから使っていた三体のみという制限はないらしい。さまざまな型の精霊を状況で使い分ける。やや魔法主体なところもあるがバランスが取れた戦闘を行うことが可能。広範囲な攻撃にも磨きがかかり十分前衛でも通用するレベルまで強くなっていた。
「チカちゃんキョウちゃん、ラインが長くなっちゃってる!少し下がって!」
『了解!』
『ですわ!』
二人が下がってくる。敵の包囲は崩れわたし達は動きやすくなっていた。
「ロックオン!」
複数を突き刺す追尾神楽にもだいぶ慣れた。目標とは別に中間地点を設けショットする。撃てば後で動かす必要がないようにイメージで設定したので発動後すぐに次の動きに入ることができるようになってきた。撃ちこみ、五体が倒れるのを目の端で捕らえた。
「もう少し。引き締めていこう」
『と言っても、余裕なものは余裕ですわ』
『そういうのは一発も攻撃を受けなくなってから言えっ』
『なっ、酷い言い方ですわね!チカさんはますみさんに守ってもらったからじゃないですの!?』
『ごめーんねー、二人とも同時に守れるよう僕練習するから!』
『キョウ……後ろ……』
『わわわかってますわ!ほら動きが止まりましてよ』
余計なことも喋っていたが、わたしが言わなくてもアル程度戦闘に集中しているし余裕そうだった。
「今日はいらないね、おっきいの」
『マジかよ溜めといたんだぜ折角』
「もっと別の練習に当てるよ。ってもうだいぶ少ないけど」
喋りながらも数を減らしていき、あと両手で数えるくらいになった。それでもただわたし達に向かってくる敵。四季さんは確実に倒すため研究と考察を重ねていたらしいが、わたしには難しい。あれに対し感情を持ち合わせてしまったら、簡単に指を鳴らし攻撃をすることができなくなりそうだ。何もないからできる。
「これで!」
ショットを決める。増援の気配もない。わたし達の勝利だ。
「お見事お見事、ここまで圧倒されているとは、思わなかったよ」
背後から声。振り返り構えると長身の男がわたしを向きゆっくりと拍手していた。スーツを着て微笑みながらこちらを見ている。ナナが空間を張っているので迷い込んだ可能性はなく、それの証明か頭にはやした角。ひしひし放つ霊力を感じていた。
『何だよそいつ』
「お初にお目にかかかる。俺は簡単に言えば君達の敵。一般兵を仕向けていた敵の幹部さ。名はイキセ。覚えても忘れてもかまわないよ」
わたしは恐怖を感じていた。こいつには勝てない。五人ならともかくわたしの防御力ではまずい。ますみちゃんがバリアを張ってくれたとしても、敵の動きが見えてこない。幹部と言っていた。言葉を交わしている。今まで戦ってきた敵とは違う。イキセ。
「中々こちらの計画が進まないからね。殺しに来た」
『皆さん、少しだけ動かないでください』
わたしの周りを壁が覆う。楯さんが作ってくれたそれは透視性がありイキセの姿を捉えることができた。特にバリアに驚いているわけではなさそうだった。
「どうも、はじめまして」
先輩達が走ったか跳躍したかわたしの前にやってくる。よかった。先輩達が自分達が戦うと判断したらしく、それくらいイキセは危ない相手なようだ。
「ほう、後天性神楽姫か。資料で読んだことがあるくらいだった」
「皆さん、よく頑張りました。彼の相手はわたし達がします。ゆっくりと下がってみていてください」
壁が消える。わたし達はイキセに警戒しながら先輩達がいた位置に。イキセもそこを襲うことはなかった。ナナが頭の上にのる。
「みんな、お疲れ様」
「ナナ、あれ、知ってるの?」
「ワタシ達の情報によると、今までこの世界を襲ってきた敵には、一般兵を生み出し襲わせる幹部がいた。ワタシたちの星の王や神楽姫があちらの世界にいけないのと同じで、敵の王もこちらに来ることはできないの。そこで、敵の王は幹部を生み出す。王の一部ではなく独立した生命体として活動する幹部はあちらの世界から霊力を供給されてここで戦う。みんながワタシの世界から力を供給されているように」
「その幹部が、どうして今急に。いやどうしてこれまで」
「幹部は一般兵と違い口を会話のために使う。一般兵は口を君達人間のエネルギーを奪うために使う。幹部はね、ここにきても力を使っても得ることはできないの。だから幹部が来るときは」
男を見る。先輩達と対峙しながらポケットに手を突っ込んでいた。
「君達巫女を殺しに来るときだけ」
わたし達を。今まで傷ついて負けそうになったこともあったが、ナナとか、最近は先輩とかのおかげで負けを意識したことはなかった。それが。
「先輩方も、幹部とやらを倒してきたんですの?」
「うん。命がけでね」
これでも強くなったつもりだけど、やっぱり先輩達にはかなわない。でももし先輩達がいなかったら。わたし達があいつと戦うしかなくて、もし負けたら。わたし達が死ぬ。
どうしてそんな目に。
『出てきたからにはここでとめさせていただきます』
武器を出し構えを取る先輩達。
『この世界のため絶命してください』
第五話 鬼さんこちら手の鳴る方へ どんなに逃げても捕まえてあげる おわり
to be continued……




