↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
別れてくれないからと殺されたので別れを告げたら溺愛されました  作者: 西園寺百合子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
1/8

01 別れてくれないからと殺されました

主人公 シャルロッテ・クロイツェル

夫   リュシアン・クロイツェル

侍女  エレノア

私、シャルロッテ・グランチェスターと。

リュシアン・クロイツェル。

2人は、幼い頃に親が決めた婚約者だった。

疑うことなく、婚約し、結婚した。


親が決めた相手だったけど、私は本当にリュシアンのことを愛していた。

だから、まさか、こんなことになるとは…


ルカ歴1999年9月9日。

いつものようにお茶会に出かけて帰宅すると、リュシアンが玄関で待っていた。

「あら、リュシアン。どうしたの?」

そう言うと、突然、剣で斬りつけられた。

驚いて逃げようと思ったのに、足が動かない。

「別れてくれって言ったのに、どうして別れてくれないんだ!」

そう言われて、混乱した。


リュシアンから、別れてくれなんて、1度だって言われていない。

「な、なにを…?」

訳が分かず、リュシアンを見る。

と、見覚えのある女性がリュシアンにしなだれかかった。

「早く、殺してしまってよ。私のことを愛しているんでしょ?」

そう言っている。

ますます、訳が分からない。


「可哀そうなシャルロッテ。リュシアンがあなたと結婚したのは、あなたの財産が目当てだったの。あなたの両親が亡くなって、財産を相続した今、あなたは用なしなのよ」

その女が、そう言った。

たしかに相続はしたけど。

そうか。

私が死んだら、私のものはリュシアンのものになるから…


「だから、別れてくれって言ったのに」

そう言って、リュシアンが剣を振り下ろした。

その瞬間、私は死ぬんだなと思った。


それにしても、私は、別れてほしいなんて、1度も言われていないのだけれど…


**********


瞼に光が当たって、重い瞼を持ち上げた。

天国についたのだろうか。

そう思って体を起こすと、ベッドの上にいた。

どういうことだろう。

自分の体を確認してみたけど、どこも切れていないし、血も出ていない。

死ぬと、傷が無くなるのかしら。


キョロキョロとあたりを見回したけど。

なんとなく、住んでいた家に似ている。

天国というのは、一面のお花畑があって、みたいなのを想像していたから。

ちょっとビックリだ。


「おはようございます、奥様」

そう声を掛けられて、驚いた。

天国にも侍女がいるの?

と、思ったけど。

それは、生前、仕えていてくれた侍女だった。

もしかして、この子まで殺されてしまったんだろうか。


そんなことを考えていたら「本日はこちらのドレスでよろしいですか?」と服を持ってきてくれた。

「え?…あ、ええ。それで…」

ん?

なんかおかしい。

「ねえ、エレノア。私、死んでる?」

「…変な夢でもご覧になりましたか?」

エレノアが変な顔をした。


どうやら、死んではいないらしい。

どういうこと?

服を着替えて、カレンダーを見た。

「エレノア。今日は何日だったかしら?」

私が訪ねると、「ルカ歴1998年9月9日ですよ」と言われた。

1998年…あの日の、1年前。

リュシアンと結婚して、間もない頃だ。


「エレノア、リュシアンは?」

そう尋ねると、エレノアは益々、変な顔をする。

「朝、お見送りになられたではありませんか。それで、二度寝されるとおっしゃって」

そうだったっけ?

2年前のことなんて覚えてない。


そう。

どういうわけか、2年前に戻ってきたようだ。

これはきっと、神様がくれたチャンスに違いない。

『別れてくれって言ったのに』と言った、リュシアンの声が耳に蘇る。

別れてくれなんて、言われた記憶がない。

でも、言えなかっただけで、思っていたのかもしれない。


だったら、そうなのだったら。

別れてやろうじゃないの!

殺されるくらいなら、別れたほうがいい。


私はずっと、リュシアンのことを愛していたのに。

リュシアンは、おそらく、あの女と…

そう思ったら、惨めな気分になる。

首を振って、その気分を吹き飛ばした。


殺される前に、別れる!

それしかない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。