† 個室 : 三十日目・三十一日目 †
三十日目
朝っぱらから爽やかな青空・・・・・・それさえもムカつく。どれだけ私の性格はひん曲がれば気がすむのだろう?
『MK』が私に主治医は誰? と聞いてきたので答えると『MK』はヒョロ助の事を悪く罵った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんか・・・・・・ムッとした。『アレ』な人の勝手な妄想の上での言葉だと理解はしているのだけど・・・・・・なんか、かなり、久しぶりに・・・・・・怒りにも似た感情が・・・・・・。
私もまだまだ青いな・・・・・・。
ああそうか・・・・・・。私はヒョロ助をそこそこ気に入っているらしい。なるほど。
ま、ヒョロ助てんて~の頭が良すぎてムカつく事も多いんだけど。・・・・・・って言うか、ヒョロ助の事でムカついている自分にムカつくのですが!!!
あ~~~~~~~~~~~もう!!!
出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい出たい!!! 外に出たい!!!!!!!!!!!!
・・・・・・・・・遠くに行きたい。
あれ? 私・・・・・・何してんの? 遠くに行きたいとか・・・・・・遠くに来たはずなのに!!!!!!
だいたい私、ただの(?)旅行者なんですけどーーーーー!!!!!!
三十一日目
なんて事?!?!?!?!?!?!
今日で三十一日も・・・・・・・・?!?!
とっくに・・・・・・とっくに死んでいるハズなのに・・・・・・いったいいつまで?
ああもう、ほら・・・・・・生理が来ちゃいました★
お風呂上がり、髪・・・・・・伸びたな。爪も・・・・・・。
看護師に爪切りをお借りして久しぶりにに爪切りしました。
午後。内庭開放。
「いいよいいよ。ちょっとくらい大丈夫だよ」
看護師が手招きをする。
外。ちょっとだけ出た。ヒョロ助てんて~には内緒です☆
鉄格子も柵も窓もない空を見上げた。外だ。地面だ。土だ。芝生だ。・・・・・・柔らかい。
一ヶ月ぶりの外。嬉しい。
何だこれ? なんなのこの状況?! 私はクララか?! 初めて歩いた子か!!!
フェンスの近くまで行きたい。フェンスの向こうに行きたい。もっともっともっともっともっと遠くに行きたい。
看護師にフェンスの近くまで行ってみて下さいと、お願いしてみた。
フェンスの高さを知りたいからと・・・・・・。
「いいよ。一緒に行こうよ」
看護師と一緒にフェンスまで行った。『パンダちゃん』と『HRちゃん』も一緒について来ました。
・・・・・・なるほど。そこそこ高さはあるのね~・・・・・・でも、このくらいなら・・・・・・。
「私、多分このくらいならフェンス登れそうです」
「あははは! 無理でしょう!」
「じゃあちょっとだけ登ってみてもいいかしら~?」
「いいよ~♪ ムリだろうけど~」
「では、失礼して・・・・・・」
許可も頂いたので遠慮なく・・・・・・。私はフェンスを両手で掴み、右足の爪先をフェンスに入れて・・・・・・。
「!!!!!!!!!!!! 分かった!!! 分かった!!! そこまで!!! 仮名さんストップ!!!」
看護師は慌てて私の足首を掴み、引き摺り下ろした。
ヒョイヒョイ登った私。 運動神経は悪くはないんですよ~♪
「あ~~~ビックリした~ ・・・・・・すいません! 正直、舐めてました! ・・・・・・よし! もう戻ろう! ・・・・・・ヒョロ助先生には秘密でお願いします!」
『パンダちゃん』と『HRちゃん』が無邪気に笑っています。
「ええ分かってますよ★ 言ったら私はきっと独房戻りでしょうから」
「あ~~ビックリした・・・・・・」
看護師は本気でビックリしたようです。まあね、目の前で患者脱走! なんて・・・・・・シャレにもならないですものね☆




