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† 独房生活 : 二日目 †

二日目


「おはようございます! よく眠れましたか?」


元気な看護師の声で目を覚ました。


頷くだけの私の目に写るのはいまだ数百匹はいる『蛇』。今日も元気で何よりだ♪


生まれて初めて飲んだ睡眠薬。しかも大量。そして生来のぶっ壊れた睡眠欲も重なってか、こんな訳の分からない状況下でも問題なく爆☆ 睡! 我ながらたいした精神だ。


朝食。今日も無理です。いらないです。変わらず受け付けません。


食事を下げに来た看護師も困っている。


分かる。分かるよ。昨日から何も食べようとしない人間。・・・・・・どう見ても独房だけど★ ここは病院。そりゃ食べてもらわな困るよね~。でもね? 本当にいらないのだから仕方ない。


「ダメですか? 少しも無理そうですか? ・・・・・・そうだ! パンもありますよ? パンならどうですか? と言っても明日、明後日からになりますが・・・・・・どうですか?」


いらない。激しく痛む首をなんとか横に振り拒否するが、さすがに今日は看護師もなかなか折れない。


私はなんだか面倒臭くなり、僅かに頷いた。そしてようやく朝食を下げていただいた。





「れいーれなーれいなーちゃーちゃんとこおいでー・・・・・・ちゃーちゃんとこー・・・・・・ちゃーちゃんねー§?±ÅΩ×∇※…∞ だよー」


今日も右側から女性の大きな独り言が聞こえる。所々なまりがキツいのか『アレ』な人だからなのか、何を言っているのか全く聞き取れない。


「あーーー・・・・・・シュークリーム食べた~い! チョコレートも食べた~い! バケツプリンも食べた~~~い! ・・・・・・ねえ! 買って来て? ねえ! 誰か! ・・・・・・ねえってば!!!」


女性の大きな独り言はずっと続く。頼みは叶いそうにないが。


そして左側からは男性の歌声。


みんな不自由の中でもそれなりに自由で楽しそうだ。


私は・・・・・・早く死にた~~~い★


昼食も無理。いらない。いらない。いらない。いらない。いらない。なんにもいらない。欲しい物・・・・・・ああ1つだけあるな。


紐。ロープ。リード。返して欲しいな~。勿論返してはもらえない。


「ほら頑張って。少しだけでもいいので食べてください。ね? 」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「ね? ここのご飯、病院にしては結構美味しいんですよ! ・・・・・・・少しだけでもいいですから。ね? 食べましょう?」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


今日はやけに粘りごしの看護師。らちが明かない。


・・・・・・・・・・・・・一口・・・・・・二口・・・・・・はい。ギブアップ!!!


「もういいんですか? ・・・・・・分かりました。じゃあせめて飲み物だけでも飲んで下さいね?」


「・・・・・・・・・・・はい」


もう、頷くのが手っ取り早い! 私は素直に返事をした。



看護師が昼食を持って出ていき静かになったのを見計らって、紙パック入りのりんごジュースを開け中身をトイレに捨てた。


出たい。出たい。出たい。出たい出たい出たい出たい出たい出たい・・・・・・死にたいにゃ~~~~~。


早くね♪ そう早く。早く早く早く早く早く。出て、吊りたいの! 早く吊りに行きたいの! 逝きたいの☆


今はあり得ないほど痛いけど、飛べた。私は上手く飛べたのだ!


あの時私は痛みも苦しみもなく飛べたのだ!


おかげで今も希望は変わらず『首吊り』だ。もう『練習』をする必要はない。


練習はした。しかも成功だ。大成功だ!


ちょっとやり過ぎて病院に運ばれ、警察を呼ばれ、こんな所にぶち込まれているのはいただけないが・・・・・・それでも! 意識を飛ばす練習は大成功なのだ!


ああぁ! 早く吊りに行きたい!!!


早く!!! 速く!!!


蛇を見て過ごす。上手くはない歌を聞きながら過ごす。意味不明な独り言を聞きながら過ごす。


ぼーーーっと過ごす。痛みだけを感じながら。そして眠る。


巡回の看護師と目が合う。


「変わりないですか?」


返事をする力はあまりない。僅かに頷くのがやっとだ。


夕食・・・・・・いらない。


いらない。いらない。なんにもいらない。いらないいらないいらないいらないいらないいらないいらない!!!


ああ! もう! 本当になんにもいらない!!! ただただ死にたい!


死にたいのDeth!!!!!!


看護師粘る! 私はいらない! 看護師粘る! 私はいらない! 看護師粘る! 私はいらない! 看護師粘る! 私はいらない! 看護師粘る! 私は・・・・・・ちょっとだけ食べる。ちょっとでも食べれば諦めてくれるから。


「食べなきゃダメですよ?」


溜め息混じりに夕食を下げる看護師。


大丈夫! 私は少々太り気味だから! 食べないくらいがちょうどいい。病院側からしたら食べてくれなきゃ困るのだろうけど☆


夜。就寝。


・・・・・・・・・・・・・・・・凄いな!!!!!!


こんなにも無駄に時間が過ぎていくことが合ってもいいのか?! いや! よくない! いいわけない!!! あれからもう二日が過ぎている! しかも無駄に!


本当ならとっくに私は死ねているはずなのにーーーーーーー!!!!!!


生きてま~~~す★ どうして?! なんで?! なにやってんの?! なんでこんな所でぼーーーっとキチガイに挟まれて! 蛇の幻覚を愛で! 寝て! ちょっとだけご飯を口にして! 看護師とちょっとだけお話をして! 寝て!


・・・・・・・・一日を無駄に過ごし・・・・・・なんぞこれーーーーーーーーー?!?!


人生でこんなにも無駄で意味不明な時を過ごすのはさすがに・・・・・・。


は☆ じ☆ め☆ て★


うふふ・・・・・・笑っちゃうほど、まともに混乱することもままならないお薬が効いている脳ミソ★


とりあえず寝ます! 寝ることそれだけは本当に天才的♪




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