プロローグ
「聞いてくれ、エステル!お前と第二王子ガラルド殿下との婚約が決まったぞ!」
エステル・コックス。ミクリオ・コックス辺境伯爵の一人娘は、父にそう言われた瞬間に気がついた。
(ここ、『魔装石のアルカディア』の世界じゃね?)
『魔装石のアルカディア』、それは所謂地球と言う場所で流行った買い切り型のアクションファンタジーRPG。
女神によって選ばれた勇者の少年が、数々の試練や仲間との出会いを通して成長し、世界を揺るがす未曾有の大災厄とラスボスに挑む在り来りな王道ストーリー。
だが、魅力的なキャラクターと奇抜なサブクエストに、大筋のどんでん返しな展開が人気に火をつけた、所謂ロングセラーな作品だった。
そして、既に完結まで用意されている買い切り型のアクションゲームにありがちな要素も勿論人気の要素の一つ。
それこそがゲーム上、ラスボスよりも強く設定されている高難易度な敵キャラクター、通称裏ボスの存在だった。
この裏ボス、実は『魔装石のアルカディア』本編では旅メンバーではない味方側のキャラクターで、基本的には稀に戦闘も手伝ってくれる主人公のお助けキャラなのだが、あるサブクエストを進めていくと試練として挑めるようになるのだ。
その火力と対応コマンドの多さといったら、まさに裏ボスと言うに相応しく、また彼の容姿やその立場から裏ボスとしての強さを手に入れた背景なども多様に考察され、『魔装石のアルカディア』でも男女共に大多数の人気を博したキャラクターとして君臨していた。
彼の名前はガラルド・サンドール・ウィクリフ。
ユートロピア王国の首都オーデンに住まう王家の血筋、現国王陛下の子息である第二王子殿下。
たった今、エステルとの婚約が決定したその人である。
「なんで!!??」
エステルは叫んだ。はしたないと言われても仕方がない。
だが叫ばずにはいられなかった。
「まぁまぁ。お前も驚いただろうけど、おかしなことじゃないだろ?辺境伯って実質侯爵家と同等に扱われてる訳だし、棚からぼたもちどころか宝石が落ちてくることもあるって」
「いやいやいや!騙されないよ!そもそもうちは辺境すぎてろくに社交界にも行けない、領地が広いぐらいしか取り柄のない田舎貴族でしょ!?王家となんて何処にそんなツテがあったの!?」
「領地の森に赴いたら偶然国王陛下とお会いしちゃって、その縁で」
「嘘つけえぇぇぇぇぇぇっ!!!」
訳が分からない。
父が度々ぶっ飛んだ事をしでかしたり言い出したりするのはいつものことだ。
やれ、うっかり崖から落ちて足の骨折っちゃっただの、精霊に気にいられて幻の泉に招待されちゃっただの、そのビックリ人間具合は最早通常の人と同じベクトルで測ってはいけない。一般人に失礼である。
どうやったら偶々出掛けた際に、辺境の険しい森の中で国王陛下に偶然出会うというのか。
魔物に正面からばったり会う方がまだわかる。否、そんな事になってほしくはないが。
「ちなみに、嘘じゃないって証明に国王陛下から書状も送られてきました。はい、これ」
「うわあぁぁぁぁっ!!本物だあぁぁぁぁぁっ!!??」
きっちり玉璽まで押されている書状にいっそのこと、気絶したくなった。
現実は小説よりも奇なり。恐ろしいことに、この現実離れした内容こそが現実らしい。
自称一般人のエステルとしては、もはや許容量を超えている。
だがそうは問屋が卸してくれない、と言うのがこの父親なのであった。
「ああ、そうそう」
「他にも何かあるの!?」
「一週間後に第一王女……ガラルド殿下の妹君の、ラウレンティーナ王女殿下が、コックスに長期の視察にくるからそのつもりでね!」
「それは書状が届く前に言えよぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!」
グッジョブのポーズをしたミクリオの顔面を今すぐ殴りたい衝動を床にぶつけながらも、ツッコミだけは吐き出す。
かくして、前世と思しき知識を得たばかりのエステルは、余韻に浸る暇もないままおもてなしの準備に駆り出されることになったのだった。
ーーー
就寝時刻間際。エステルの自室にて。
彼女は鏡台にて死に体になって突っ伏していた。
「ああ、お嬢様。すっかり干からびたキノコみたいになってしまって……元々野暮ったいのがより貧相に」
「屋敷の整備の手伝いとか殿下の滞在期間中の礼儀作法とか段取りとか打ち合わせで疲れ果てた主人にかける言葉がそれぇ……?」
「あら、大声が飛んでこない。本当にお疲れのようで」
「君のような慇懃無礼な侍女もそうはいないよ、マリー……」
エステルの麦藁色の髪を梳かしながら、溌剌とエステルの悪口を宣うのは、長いシルバーブロンドの髪を纏めあげたメイド服の女性。エステルの専属メイドのマリーだ。
柘榴色の目に白磁の肌も合わせて何処か儚い吸血鬼のような雰囲気を醸し出している彼女だが、口を開けば主人への非難、酷評などととんでもなく元気に無礼なメイドである。
「王女殿下の滞在中は、伯爵家のお屋敷で衣食住を取り持つのは、他にコックス領に王族を接待できる場所もないから理解できるんだけどさぁ」
「うちの領地は、農業と放牧と一部の有名な伝統工芸があるだけで、施設の殆どが田舎より少し待遇が良いくらいの一般レベルだから。が、我らが伯爵家の謳い文句でございますしね」
「別に宿屋のおじちゃんおばちゃんの対応が悪い訳じゃないけど、責任問題とか護衛とか考えても、うちが適任なのは間違いないしねー」
「左様で」
「問題はぁ……なーんで、滞在中の部屋が私の部屋の隣なのぉ……」
「王女殿下たってのお望みなので致し方ないかと」
エステルはがくりと頭を下げた。
父曰く、親交を深めたいとのことで、案内もエステルに是非してもらいたいと、ラウレンティーナ王女から直々に要望が入っていたらしい。
尚更、一週間前に伝える要件ではない。
他に隠し事がないか洗いざらいミクリオに吐かせた結果、王家直属の護衛や侍女と共に視察に来ること。団体での来訪ではなく、あくまで小規模の大々的には公表しない、王女個人としての視察であることなど、出るわ出るわ、重要な情報が。
終いには「妹殿下はエステルと個人的に仲良くしたいんだって!よかったね!」などと宣う父にエステルはこう思った。
(いやそれ絶対裏があるやつーー!!
どこに内密にする必要のない視察でわざわざ隠れて辺境伯の娘と仲良くしましょうってアピールする王族がいる?!
王侯貴族的に反対の意味のやつ!!仲良くしましょう(仮)なやつだって!!
友好よりも牽制的な意味の視察なんじゃないの、それ!?)
しかもエステルの隣室の指定となれば、視察対象はコックス領ではなくエステル自身なのは明白である。
自分でも王族の伴侶としてやっていける自信など微塵も無かったが、まさかの妹君直々の入室検査をされるとは夢にも思わなかった。否、思いたくなかった。
だがしかし、現実は非情で残された覚悟の時間も一週間しかない。
エステルはプレッシャーと憂鬱で自室の鏡台に突っ伏すことになったのだった。
「まだお嬢様の自意識過剰な勘違い、という線もございますし、気負うのは程々にしてくださいませ」
「何故だろう。心配するフリして誇張して貶された気がする」
「心外ですね。お嬢様を心配しているのは本心ですとも」
「つまり誇張して貶してるのも本心と」
「ちょっと……いや大分しみったれててめんどくさいなと思っただけでございます」
「率直な罵倒!!もはや敬語で飾っただけの素直な悪口だよ!!王女様にも同じことしないよね!?視察の間は世話係としてマリーもずっと一緒なんだからね!!」
「私が粗雑に扱うのはお嬢様のみでございます」
「何も安心できない告知ぃぃぃっ!!!私にも慈悲を分けてちょうだい!!!」
そんな願いも虚しく、さもありなん。これがエステルの日常である。
虚しい現実を嘆くのは切り上げて、早々に就寝の準備をする時間になった。
「さあ、明日も早朝から打ち合わせがございます。早くお休みにならないと」
「はいはい」
「お嬢様こそ、言葉遣いを気をつけてくださいませ。流石に不敬罪で主人が捕まっては私も面目たちませんので」
「誰の言葉遣いが犯罪級か!!」
全くもって失礼なメイドである。側仕えとして雇われて、ここ数年間は殆ど四六時中一緒だったと言うのに。
辺境伯爵令嬢としての教育を、何だと思っているのか。
「……気遣いは無用です。辺境の伯爵家の娘として、王族に仕えるのは当然の責務。首都より遠く離れた地であったとしても、忠義に距離は関係ない。そうでしょう?」
辺境の田舎貴族なれど、勉強不足とは言わせない。
エステル・コックスは、この首都より遠く離れたコックスという名の最西端の辺境の領地を、次代の辺境伯爵に繋ぐまでの辺境伯爵家唯一の一人娘なのだから。
貴族然とした笑みと言葉遣いで遠回しな嫌味を織り交ぜて返せば、無表情なその顔が僅かに力を抜き安心したような息を一つ吐く。
一日の終わりの挨拶と共に、マリーが頭を下げる。
「では、おやすみなさいませ。お嬢様」
「ええ、おやすみなさい。マリー」
そうして、今宵もベッドに横になり、マリーが出ていく前に灯りを消すのを合図に目を閉じた。
ーーー
いつもと変わらない就寝。
いつもと違うのは、漸く激務が慌ただし過ぎて意識していなかった、前世のような記憶に焦点が当たり始めたことだろう。
『魔装石のアルカディア』。
名前の通り、魔法の世界に精霊や魔物なども登場する、有り触れたファンタジー。
それが現実ともなると、なんだかふわふわと落ち着かない気持ちになる。
前世のエステルは恐らく普通の会社員で、漫画や小説、ゲームなどが好きな、所謂オタク系の女性だった。
けれど、その記憶を思い出しても、エステルの自認はこの世界のエステルのものだと感じられる。
あくまで、この世界にそっくりなゲームで遊んでいた記憶がある、という不思議な体験をしているような気分だ。
そのことに安堵する反面、前世で転生モノなどの小説や漫画も見ていた記憶があるエステルは、やや危機感も覚えていた。
裏ボスであるガラルドに、エステルのような婚約者がいた、という設定を聞いたことがないのだ。
現実なんだから、ゲームと違うことがあってもおかしくないだろうと思う気持ちと、世界観や常識、登場人物すら酷似している世界で、そんな事ありえるだろうかと思う気持ちがせめぎ合って、答えが出ない。
自分が転生者なせいで変な転生ルートに入ってしまったのではないだろうか、などとそれこそ自意識過剰なことも考える始末である。
そもそも、王族と結婚するかもしれない、という状況ですらエステルからしたら目眩がしそうなほど大それた現実だ。
あっても伯爵領の息子なり、侯爵家の人間なり、そこら辺の子息だろうと思っていた。
なのに第二王子とはいえ、最上位の家系。王族である。
視察の件がなければ、エステルは一日中そのことに頭を悩ませていただろう。
本当に、何から何まで情報過多な日である。
なので、頭がいっぱいで中々寝付けなくとも仕方がない。
一晩中眠れずとも、仕方がないのだ。
(いやいやいや、明日も早いんだって!!準備期間ただでさえ足りないんだって!!
人手足りなさ過ぎて、私も足りない物資や調度品を、だだっ広い領地の端から取りに行かなきゃいけないんだって!!)
だが、そんなことも言ってられないほどに明日も忙しいのが現実だった。
僅かな休みさえ喉から手が出るほどに求めているというのに、いざ与えられたらゆっくり休めないのは何故なのか。
休もうと思えば思うほど焦りが生まれて、余計に眠れなくなる悪循環に陥りながらエステルは心の中で叫ぶ。
(あーもう!女神様!!どうか私に睡眠という名の休息を与えてくださいませー!!!)
女神、というのはこの世界においては基本も基本の存在。創造神だ。ゲームの中では勇者を神託によって導く存在でもある。
プレイヤーが女神の指示に従うのがゲームの基本的な操作だった訳だが……それが現実に置き換わった場合はどうなるかと言われれば、この世界において女神は生活の中心だ、というのがその答えである。
日々の生活の糧を祈るのも、豊作に感謝するのも、魔法の権能を発揮することにおいてもその存在は当たり前で、日々口にするお決まり事、挨拶や食事のように生活に自然と溶け込んでいる核のようなものだ。
だからこそ、エステルもいつものように、当たり前に女神に祈ったに過ぎない。
母が子供のエステルにしてくれたように、よく眠れますようにと願いを込めて。
その瞬間、エステルの意識は深い海のような空間へと沈みこんだ。
「えっ?」
水面が見えた気がしたのは一瞬のことで、エステルの体は速度を増して底へ底へと落ちていく。
それなのに、指一本動かせない。
恐怖とも驚愕とも言えない感情が、エステルの中に浮かんでは消えた。
そんなエステルの思いを落ち着けるように、そっと体が底面に辿り着いた時だ。
漸く動くようになった体を起こすと、エステルはすぐにここは現実ではないと気づいた。
水の中なのに、服は浮かばない。魔法を使ってもいないのに、水の中で息ができていると自覚できたのもその時だ。
なにより、水底が光っている。
だからエステルは暗いはずの深い水の中で、自分を認識できたのだ。
その光景を不思議に思って、いそいそと底面を覗いてみると、何やらぼんやりと景色が映り出した。
『王家の使者として参りました。ジャスパード・サンドール・ハーデスが娘、ラウレンティーナ・サンドール・ウィクリフ。此度の視察、短い期間ではありますが、お世話になります』
水中に反響する声と共に、映し出された美しい姿。
濡れ羽色の髪と、葡萄酒色の目に金色の瞳を持つ白皙の美少女。
そんな絵画から抜け出てきたような女性が、彼女自身の言葉のように、ラウレンティーナ王女殿下であることは……その目を見ればよく分かる。
王家だけが持つ金色の瞳は、女神からの祝福。
何人たりとも真似ることは出来ない王族の象徴なのだ。
彼女は挨拶を優雅にこなすと、その後も父のミクリオや母、領民たちとも友好な関係を築いているようで、シーンが移り変わりつつも中心にいる彼女はいつも微笑んでいたし、代わる代わる人を変えて彼女と共に映る他の者たちもそうだった。
先程のように正確な言葉は聞こえないが、皆の楽しそうな談笑が水中に響いては消ていく。
水底に映る王女は誰に対しても好意的で、マリーの言った通りエステルが過剰に警戒しただけで、彼女はここの領民を深く知り仲良くするために来てくれるのかもしれない。
エステルの隣の部屋に泊まりたがったのも、本当に仲良くしたいと思ってくれたのかも。
そう、考えて安心した時だ。
『許さない』
水底に映る彼女と、目が合ったのは。
(…………え?)
それはまるで、憎悪の目。
自身にとっての怨讐を見るかのような、怒りに燃える血走った眼。
視点が切り替わったのはいつからか、そこはエステルの部屋。
その見知った天井に視線が移ったのは、光を反射して光る短剣が、彼女の手に握られていたから。
『お前のせいで……お前のせいで……っ!!』
先程までぼやけていたはずの声が、こんなにもハッキリと聞こえる。
頭上に掲げられる短剣も、嫌にスローモーションで動いていく。
どろどろとした刃よりも鋭い視線を一身に浴びながら、何故か動かない体に……これが殺気なのかと、遠い意識でエステルは呑気にもそんなことを思っていた。
彼女の端正な唇が怨嗟を吐き出す。
『死ね』
途方もなく、簡潔に、怨みを込めて。
それと共に振り下ろされる短剣。
エステルは悟る。
(あ、死んだ)
それはきっと、未来の光景。
確かに、エステルはその時に亡くなった。
「いやいやいや!!!!それはねぇわっ!!!!」
小鳥が囀る早朝。
エステルはツッコミながら起床した。
「ありえないって!!あんだけ他の人とは仲良くしといて?私に対してキルユー・イズ・何っ!?そもそも王族とは言え人殺しはマズイって!!一応第二王子の婚約者だぞ私!!!」
最早まともな文法ですらない言葉を使ってもツッコミ足りないこの現状。
正気の方がおかしい。
全く眠った気がしないのに、もう朝なのも拍車をかけている。テンションは完全に深夜のそれだった。
吐き出せるもの全てツッコミに昇華して、肩で息を吐き出すエステル。
そして、落ち着いた瞬間の思考が以下の通り。
(あれ?さっきのもしかしなくとも『神託』じゃない?)
神託。
それはゲームの世界ならば、チュートリアルや次の目的を示すためのプレイヤーへのメッセージ。
勇者である主人公が従うべき指針であり、ゲーム攻略の基本だ。
だが、この世界の現実では少しニュアンスが異なる。
神託とは偏に、特別な役割を持つ者……神官や勇者などの聖なる力を持つものだけが賜る、女神の祝福。
未来の光景を見たり、行く先を言葉で示してくれたりと、その形は様々だがそれが示す未来の具体性に関しては、他の魔法と比肩することもできない精度を持つ。
所謂、未来予知に等しい力なのだ。
しかし確信できる。
先程まで見ていたものが、確かに『神託』だったと。
理由はエステルにもわからないし、説明しろと言われても、きっと恐らくこの世界の住人特有の直感的な何か、としか言えないのだが、確実に『神託』だったと言えるのである。
あの王女様に殺される未来が、確実に。
「だからなんでなんだよぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」
こんな神託より、来年の収穫は豊作くらいの平凡かつ明るい未来がどうせなら見たかった。
今日も始まる視察の準備も憂鬱なら、視察そのものが最早憂鬱を通り越して暗鬱もいい所だ。
ラウレンティーナ王女殿下には是非ともお帰り頂いて、今後とも接触はなしの方向でお願いしたいくらいには。
無論、そんなこと夢にも無理なのだけれど。
頭を抱えてベッドでのたうち回るエステル。
彼女の過去を遡っても、これまで神託を受けたことは無い。
そもそも凡人であるエステルは、聖なる力とは無縁であり、冗談交じりに神託を与え給えなどと言えるほど、神託を授かるなどありえない事だと思っていたし実際に今までそうだったのだ。
だがガラルド王子との婚約が決まった矢先、エステルの運命は狂いだした。
関わるはずのなかった裏ボスに、婚約がなければそもそも見るはずもなかった不吉な『神託』。
それらはやがてひとつに繋がり、予想だにしなかった結末へと彼女を連れていくのだが……。
そんなこと露とも知らぬエステルと裏ボスの神託を巡る物語は、こうして始まったのだった……ーーー。
初投稿でミスったので上げ直しです。
辺境伯爵令嬢エステル・コックスが神託と事件の謎を追い解決するまでの事件解決物語。
まだ登場していないドSなヒーローの活躍もお楽しみに!




