第60話 Cairn②
【Cairn
■ 基本ルール
「鬼」と「罪人」に分かれて行う非対称カードゲーム。
各プレイヤーは配られた8枚の手札から、毎ターン1枚ずつカードを裏向きに伏せて同時に出し合う。
■ 手札(各8枚)
【鬼側】
・見過ごしカード × 7枚
・攻撃カード × 1枚
【罪人側】
・積み上げカード × 7枚
・防御カード × 1枚
■ 勝利条件
罪人側:鬼の攻撃をやり過ごし、7枚の「積み上げカード」を全て出し切ること。
鬼側:罪人が「積み上げカード」を出したターンに、「攻撃カード」をぶつけること。
■ 特別ルール
・本来は攻守交代制だが、今回は役職を固定する。(鬼=金剛、罪人=翠)
・罪人は、全3ゲームの内一度でも7枚の積み上げを完遂できれば、その時点で最終的な勝者となる。】
~第1ゲーム~
翠「オープン。」
鈴間翠と金剛大門はカードをめくる。
・1ターン目
翠:「積み上げ」
金剛:「見過ごし」
このゲームは明らかに鬼側が有利。
それは確率の話だけではない。
鬼側はこちらが防御カードを出すまで攻撃カードを出す必要が無いという点にある。
そんなことは金剛も気が付いているだろう。
その上で、積み上げる。稼がせてもらう。
2ターン目
翠:「積み上げ」
金剛:「見過ごし」
翠「いいの?このままだと、俺積み上げて終わっちゃうよ。」
金剛「…クキキ。ゲームはまだ始まったばかりだ。長く楽しみたいだろう?」
金剛はカードを伏せる。
翠「それもそうか。」
翠もカードを伏せる。
翠「でも、あんたの作戦は通用しないよ。」
3ターン目
翠:「積み上げ」
金剛:「見過ごし」
金剛「…」
奴の目が少し鋭くなった。
奴の中に疑念が生まれたはずだ。
俺が「防御」を出すまで攻撃を使わないでおくことは悪手だと気付かせた。
金剛「…クキキ。案外通用するもんだよ。鈴間君が思っている以上にね。」
金剛はカードを伏せる。
翠「…」
どういう意味だ?
俺のさっきの発言で攻撃を誘発していると読んだということか。
つまり、奴は俺の自爆を待っている。
翠はカードを伏せる。
翠「そう?ならその作戦に頼ってなよ。」
4ターン目
翠:「積み上げ」
金剛:「見過ごし」
金剛「クキキキ。楽しいなぁ。」
金剛の口角が歪んでいた。
通常このゲームは後半になればなるほど鬼側のアドバンテージは無くなっていく。
つまり、初めに攻撃を使うのが確率で見れば最も効果的。
本来ならこのターンあたりで攻撃を使っておきたいはず。
しかし、奴が狙っているのは俺の自爆。
翠はカードを伏せる。
5ターン目
翠:「積み上げ」
金剛:「見過ごし」
翠「…」
金剛「ずいぶんと考え込んでいるなぁ。」
金剛はカードを伏せた。
若造を叩き潰したい。奴はゲームが始まる前そう言った。
翠もカードを伏せる。
なら、奴はきっと。
6ターン目
翠:「積み上げ」
金剛:「見過ごし」
最後の2枚。積み上げ1枚。防御1枚。
金剛「鈴間君。改めて聞こう。わしの作戦は通用するかな?」
金剛の嫌に耳に張り付くような声が翠に降り注ぐ。
翠「…俺には通用しないよ。おじいさん。」
一瞬奴の目が鋭くなった。それを翠は見逃さなかった。
金剛「クキキキ」
奴は笑いながらカードを伏せた。
金剛「それは残念だ。」
翠もカードを伏せた。
翠「…おじいさん。作戦通りいかないからって焦っちゃだめだよ。」
奴は俺の挑発に乗った。奴の目はそんな目だった。
7ターン目
翠:「防御」
金剛「…いったろう?案外通用するもんだって。」
金剛はカードに手を伸ばした状態でニヤッと笑った。
金剛:「見過ごし」
翠「っな。」
金剛「わしを操った気でいたか?若いなぁ、クキキ」
第1ゲーム 勝者:金剛
金剛「さぁ。続けようか。残り2ゲーム。まだまだ長いぞ。クキキキ。」
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