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~東京編~

時は2028

増えすぎたヤンキーの影響で日本の治安は悪化の一途をたどっていった。そこで日本政府はある計画を実行した。

『ヤンキー撲滅計画』

この計画により日本中のヤンキーは数を減らし、ついに消え去った。

ただ1人を除いては………………


「はぁはぁはぁ…」

逃げる俺の後ろから怒号が聞こえてくる。

「あっちに行ったぞ!」

「絶対に逃がすんじゃないぞ!」

「回り込んで捕まえろ!」

数人の男達が俺を追ってきていた。

「クソっ、何なんだよ。あいつら」

とりあえずなんとかして巻かなければ

「っ!?しまった、行き止まりだ!」

すぐ後ろから怒号が聞こえる

「あの角を曲がったぞ!」

「あぁ、ヤバいなこりゃ」

その時近くから声が聞こえた。

「こっちに来て」

声の下ほうを見るとマンホールの下に女の子がいた。

「えっと……」

「早く!」

状況がわからないが、とりあえずマンホールの下に逃げた。

数秒後に上から声が聞こえた。

「おい、いないじゃないか」

「おかしいな?さっきこっちに来たと思ったんだが」

「おい、お台場から応援要請だ。行くぞ!」

「「ラジャー」」

だんだんと足音が遠ざかっていった。

「行ったみたいね」

「さっきの奴らは一体何なんだ?そして君は……」

「私の名前は桜井緑。奴らについては後で説明するわ。とりあえず私たちの基地に行きましょ」

「………あぁ、分かった」

俺は少し不安だが、桜井についていくことにした。

「……そういえば君の名前を聞いてなかったわね」

桜井が唐突に聞いてきた。

「そういや教えてなかったな。俺の名前は神崎竜馬。以後よろしく」

「そう神崎くんね」

歩いていくとドアと1人の坊主頭の男が椅子に座っていた。

「ん?おぉ、遅かったな緑。……そいつは?」

「この人は神崎くん。奴らに追われていた」

桜井がそう言うとその男はがっはっはと笑った。

「そうかそうか。俺は丸井悟史だ。よろしくな神崎」

そう言ってバンバンと背中を叩いてきた。

「よし、俺が他のメンバーを紹介したるわ。おい緑、門番頼めるか?」

「いいわよ」

俺は丸井とドアの向こうに入っていった。ドアの向こうには秘密基地のような場所と3人の男がいた。

「向こうのホワイトボードの近くにいる奴は阿部雅春。奴はガチの同性愛者つまりガチホモってわけだ。絶対に一緒にトイレには行くなよ」

俺は筋肉ムキムキの阿部を見ながらあの人にはあまり近寄らないでおこうと胸に誓った。

「で、向こうのソファーにふんぞり返っているのが東条京介だ。現役のヤンキーらしい。」

金髪でタバコを吸ってるあたりがザ・ヤンキーって感じだ。

「そしてあそこのタンスでガタガタ震えているのがたけし」

めちゃくちゃタンスが震えているし、ガタガタガタガタって自分で言ってるのかよ。

「以上が俺たちの仲間だ。なんか質問あるか?」

「あの、まず俺は奴らのことについても、今何が起こっているのかも分かっていないんだが」

丸井は驚いた顔をした。

「は?お前あのニュース聴いてないの?」

「あのニュースって?」

「マジかよ。まぁいいわ。おい阿倍!」

ガチホモが近づいてきた。

「なんだ丸井?トイレか?それなら一緒に」

「ちげぇよ、こいつ今起こってることを何も知らないらしい」

「このイケメン君は?」

「あ、あの神崎竜馬です。」

阿倍はニヤッと笑うと

「そうか神崎くんか。とりあえず一発ヤらないか?」

「やらねぇよ!!」

俺は速攻拒否した。

「そうか残念。で、神崎くんは何にも知らないの?」

「………知らないですね」

「じゃあ、まずこのビデオを見てくれ」

そういうと阿倍はテレビのスイッチを押してビデオを見せてきた。

『たった今日本政府からヤンキー撲滅計画が発動されました。日本政府は秘密裏にヤンキー撲滅部隊を造っていた模様です』

ビデオを見た俺は唖然としていた。

「これは」

「ヤンキー達による日本の治安悪化は昔から続いていた。その頃から政府はヤンキー撲滅計画を進めていたらしい。そして『蜘蛛』と言う人型ロボットの部隊を造っていた。それがとうとう完成したということだな。」

阿倍がそう説明した。

「じゃあ、さっき俺を襲ってきたのも」

「あぁ、ロボットさ」

「マジかよ。あと俺、ヤンキーじゃないんですけど」

「“元”ヤンキーだろ?」

「うっ」

そう俺はかつてヤンキーだった。だが、今はすっかりヤンキーの面影もないほど普通の人生を歩んでいる。

それなのに何故?

表情を読み取ったのか阿倍が

「かつてヤンキーだった者が、新たなヤンキーを生むことが過去にあったから対象になっているんだ」

と説明した。

「今はまず奴ら『蜘蛛』からどう対応するかを考えましょ」

いつの間に入ってきたのか桜井が言った。

「あれ?門番は?」

「丸井くんに代わってもらったわ。それより」

「そうだな。対策を考えよう。何か意見のあるものはいるか?」

現ヤンキーの東条が言った。

「やっぱ戦うしかないっしょ。俺が全滅させてやるよ」

「奴ら蜘蛛の部隊はどんどんふえている。僕ら全員まして君1人では絶対無理だ」

俺も意見を出した。

「じゃあ、奴らにはったりをかましてやってなんとか辞めさせることは」

「まず無理だね。奴らはヤンキーの僕らのことは話すら聞いてくれないだろう。話す前に捕まって終わりだ」

緑が言った。

「まずはこちら側の人数を集めるべき。この東京を出て愛知で迎え撃つ戦略を揃えるのが得策」

「さっきも言ったけど奴らは増える。いくら人数を集めても」

「蜘蛛の部隊は8人の人間の男女がそれぞれ仕切っていると聞くわ。そう、製造から全て。つまりこの8人を倒せば私たちの勝ち」

「…………なるほど、蜘蛛を率いているトップを潰せばそいつが担当する部隊は全て機能停止するというわけか」

「そういうこと。まず目標としてはこの東京から出て」

そのとき誰かのお腹がなった。

「…まず休憩にするか」

「そうね」

東条が言った。

「おいおいおいおい、休憩するったってもう食料が底ついてんぞ」

「マジかよ……」

俺が絶望した声で言った。ちなみに、さっきの腹の音は俺だ。

「じゃあ、ちょっくらコンビニでも」

「何を言ってる神崎くん!今僕らは追われているんだよ。地上にでるなんて」

「でも、食料がないとどうしようもないだろ」

「……それなら僕も行くよ」

マジかよ。ガチホモと2人っきりはヤバいだろ。

「私も行くわ」

阿部に恐怖を感じているときに桜井が言った。

「東条くんはどうする?」

「俺はパース。別に腹減ってないし」

「そう」

「俺はおにぎり3つ買ってきてくれ」

ドアの向こうの丸井くんが言った。

「分かったわ」

「じゃあ、行くメンバーは神崎くんと桜井くんと僕だね」

こうして俺はガチホモの阿部と女子高生の桜井とコンビニへ行くことになった。




俺たちは下水道を歩いていた。

「何故こんなとこ歩いているんだ?」

「この下水道は東京各地のマンホールに繋がってるんだ。だから、安全にコンビニに近い場所に出れるって訳さ」

「へー、…………で、コンビニに近いマンホールの場所は分かるの?」

「…………まぁだいたいの場所は見当がつくから大丈夫だと思う」

俺はこれはダメなやつだと思った。

そういえばこの桜井とガチホモ野郎は何故ヤンキーになったのだろう?

その事について聞いてみた。

「私は友達に誘われて流れでなったわ」

「そんな簡単になれるもんなのか……」

「ミクとサロメとは奴らに追われている時にバラバラになったわ。無事だといいんだけど」

桜井は友達の安否を心配しているようだ。

…………一応この人にも聞いておくか

「あの」

「何だい?トイレかい?なら一緒に」

「だからちげぇよ!あの阿部さんはどうしてヤンキーになったんです?」

「あぁ、昔の話さ。ヤンキーが自分のアレ一本で敵の男達をバッタバッタと掘っていくっていう漫画を見てね」

「あぁ、それで今の阿部さんが出来たんだ」

というか、なんだその漫画。絶対規制される奴だろ。政府はヤンキーよりそういう漫画を撲滅したほうがいいのではないか?

と、突然阿部さんが言った。

「まぁ、だいたいこの辺だろう。よし!外に出るよ」

どうやらコンビニ近くのマンホールに着いたらしい。

「ここからは出来るだけ奴らに見つからないように慎重かつ素早く動くように」

「分かったわ」

「分かったよ」

「よし、じゃあ行くよ!」

俺たちはそのままマンホールを抜け外へ出たのだった。



「あの」

「何だい?神崎くん、今緊急事態だから後にしてくれないか?」

「確かにコンビニは近かったですよ!けど、あれは何ですか!」

俺たちの後ろからは10人ほどの蜘蛛の部隊が追っかけてきていた。

俺たちはマンホールを抜け外へ出た二秒後に奴らに見つかった。そして、この状態で買い物など出来るはずもなく現在奴らを撒くために逃げていた。

「なんてこっただね」

「結構余裕ありそうっすね。というか桜井がいないんだけど」

「桜井くんとははぐれてしまったかな。無事だといいけど」

後ろからは怒号が聞こえてくる。

「神崎くん!あの角を曲がるよ」

「はい!」

俺たちは行き止まりに着いた。

「またかよ!?最初の時と全く同じ展開じゃないか!」

「何を言ってるんだ神崎くん。それより追いつめられたね」

奴らの中から隊長っぽいのが俺たちに話しかけてきた。

「お前ら二人ともヤンキーだな?一緒に来てもらおうか」

すると、阿部さんが小声で俺に言ってきた。

「ここは僕に任せて」

「え?」

阿部さんはスタスタと隊長っぽい奴のところへ歩いていった。

「ん?投降するか。よし、そっちの奴もすぐにアッー♂!!」

阿部さんの身体が一瞬ブレたかと思うと次の瞬間隊長っぽい奴が掘られていた。

「君たちよくホイホイ僕たちを追いかけてきたね。追いつめたと思った?残念だけど追いつめられたのは君たちのほうだ」

撲ヤンたちが後ずさった。

「さぁ、君たち。僕と一緒にヤらないか?」

数分後……

あたり一面にはケツを押さえている奴らが転がっていた。

「阿部さん強いんですね」

「相手が男なら僕は負けないよ。さぁ、コンビニに行くよ」

「そうね。行きましょ」

「うわぁ!桜井どっから現れたんだ!」

「お?桜井くん無事だったか。良かった良かった」

こうして俺たちはコンビニで買い物を済ませ、アジトに帰ることにした。




俺たちを待っていたのは惨劇だった。

「なんだよ!これは」

俺たちのアジトはめちゃくちゃに荒らされていた。ホワイトボードは割られ、ソファーはズタズタに切り裂かれていた。

「どうやら蜘蛛の部隊がここに攻め込んだようね」

「攻め込んだってここはマンホールの下にあるんだよ。まず見つけることは不可能なはずだよ」

そのときタンスがガタガタと震えた。

「!?まさか」

俺はタンスを開けた。

もちろん中にいたのはたけしだった。

「たけし!無事だったか。いったい何があった?」

「と、突然だよ!ここに奴らが攻めてきたんだ!ま、丸井くんと東条くんは奴らを数体やったんだけど、捕まってしまったんだ!」

「で、たけしはずっとタンスに隠れていたのか?」

「う、うん」

俺はたけしの言葉に呆れていた。こんな奴がヤンキーなのか。

「で、でも倒した奴らからこんなチラシをとっておいたよ!」

たけしが1枚のチラシを見せてくる。

「なになに?『奴ら蜘蛛を滅亡させるため立ち上がれヤンキー諸君』なんだこれ?」

「ど、どうも僕が調べた結果元ヤンキーの亜子宇部博士が全国のヤンキー達に奴らに対抗する武器を与えているらしいんだ!」

「なるほど、そこに行けばもしかしたら奴らに対抗出来る力が手に入るってことだね。でも、それはどこにあるんだい?」

「な、なんでもここから数百メートルの所にあるらしいよ!」

「じゃあ、今からそこに行こう!善は急げっていうしね」

また俺たちは亜子宇部博士がいるという倉庫を目指すため地上に出ることになった。



「で、また追われているわけですけどね」

俺たちはまた奴らに追われていた。

「今回の奴らは足が速いね。ここは倒しておいたほうがよさそうだ」

阿部さんが立ち止まった。

「じゃあいくよ。秘技『ホモサピエンス』」

一瞬で奴らの背後へ回り込む阿部さん。しかし

「っ!?まさかこいつらは……」

阿部さんの様子がおかしい。

「阿部さん何やってるんですか!早くしてください!」

俺は阿部さんに叫んだ。

「………君たちは先を急いでくれ。僕はここまでのようだ」

阿部さんは声を落として言った。

「いったいどうしたんですか?」

「いいから早く行け!!」

俺はその声を聞いて目的地へ駆け出した。たけしと桜井も後を追ってきた。俺の予想通りならあの奴らは………

「………行ったか。まんまと騙されたよ。まさか君たちが男装した女性だったなんてね。これじゃあ、僕の技は使えないよ」

「阿部雅治、確保します」



俺たちはとうとう亜子宇部博士がいるという倉庫に着いた。中には同じくチラシを見たであろうヤンキー達がたくさんいた。

「ようやく着いたか……」

「そ、そうだね!あ、あれ?桜井さんは?」

俺は安心したからかトイレへ行きたくなった。

「おい、たけし。俺はトイレへ行ってくる。桜井が来たら伝えておいてくれ」

「う、うん!分かったよ!」



「ふぅ、すっきりした。そういやあいつらと会ってから一度もトイレへ行ってなかったな。主に1人のせいで」

俺は筋肉ムキムキのガチホモを思い出していた。

すると近くから聞いたことのある声が聞こえた。

「ん?桜井の声じゃないか。誰かと話しているのか?」

俺はそっと耳を傾けた。

「えぇ、東京中のほとんどのヤンキー達を集めたわ。道中で奴を倒せたのも大きい。私の合図で倉庫に突入。ヤンキー達を捕縛しなさい」

そんなとんでもないことが聞こえてきた。

「おい」

声をかけると桜井は驚いた顔でこちらを見た。

「っ!まさか聞いてたの?」

「あぁ、まさかお前があっち側の人間だったなんてな」

「……………バレてしまってはしょうがないわね。私は『蜘蛛第2支部支部長』坂部りんよ!桜井緑は偽名。せっかくここまで上手くいっていたのに」

坂部ははぁとため息をついた。

「そんなことはどうでもいい。お前をぶん殴る!」

「あらあら、怖いこと言うじゃない。でも、残念。君では私には勝てない」

そう言うとどこからかロープを取り出した。

「奴を縛り上げなさい!『サムキッドスネーク』」

ロープが俺に巻き付いてきた。

「そのロープは絶対に千切れないし、解けもしないわ。それよりも聞こえるかしら。ヤンキー達の悲鳴が」

倉庫のほうから悲鳴が聞こえてくる。

「うわぁぁぁぁ!なんで蜘蛛が」

「に、逃げろぉぉぉ!」

「全隊1人残らず捕まえろ!」

坂部は高らかに笑った。

「アハハハハハハハハ、これで忌々しいヤンキー共を全滅できるわ。さて、後はあなたを連れていくだけね。神崎くん」

「………お前はやってはいけないこと3つを犯した」

「はぁ?何を言っているの?」

「1つ。まず俺を騙した」

「…………」

「2つ。自分はヤンキーと嘘をついた」

坂部が後ずさった。

「そ、それがどうしたってのよ!」

「そして3つ!お前は俺を裏切った」

俺はロープを引きちぎった。

「っ!なんで!なんでロープが千切れるのよ!」

「俺は今じゃ喧嘩なんてしないが、昔は拳一本でこの東京の頂点に立っていたヤンキーだ。聞いたことないか?『疾風迅雷の神崎』って」

坂部は驚いたような顔をした。

「疾風迅雷の神崎は東京を制覇した後に行方不明になったはずよ!そもそもあなたが疾風迅雷の神崎だとしても、今のあなたじゃ私には勝てない!」

そう言って何十本ものロープを取り出した。

「私は蜘蛛第2支部支部長坂部りん!今までこのロープでたくさんのヤンキーを捕まえてきた!あなたなんかには負けない!!」

俺に向かってロープを投げてきた。

「私の最強技受けてみなさい!『絶結界滅裂』」

俺の周りに膜のようなものが張られた。かなり強力な結界だと見て分かる。

「この結界は最強。いくらあなたでも破ることは」

俺は右ストレートで結界をぶち破った。

「…………は?」

俺は呆然としている坂部に近づいていった。そして

「歯ぁ食いしばれよ!糞野郎がぁ!」

坂部の顔面を殴った。坂部は数メートル吹っ飛び気絶した。

「お前はかなり強かった。だが、お前はやってはいけないことを3つもした。お前の敗因は俺を怒らせたことだ」

俺はその場をあとにした。




蜘蛛本部最上階

「第2支部支部長の坂部が倒されたらしい」

「聞くと倒したのは伝説のヤンキーと言われた疾風迅雷の神崎だと言うではないか」

「なに!?あの神崎がまだいたのか?」

「落ち着け皆の衆」

奥の椅子に座っている老人が言った。

「しかし、蜘蛛牙城様。奴は伝説と言われたヤンキーですよ」

「所詮は過去の遺物よ。我ら蜘蛛相手に勝てるはずもなかろう」

「確かに第2支部長坂部は我ら蜘蛛8人衆の中でも最弱。次は私が神崎を討ち取ってきましょう」

「うむ、任せたぞ。鳥野陰丸よ」

鳥野は神崎を討ち取るべく蜘蛛本部最上階を後にした。




「はぁ、何とか電車に乗ることが出来た」

俺は東京を去り、愛知へ向かっていた。

「残り7人か。潰すにも戦力差がありすぎる」

戦力を整えたあとは必ず戻り、奴らを滅亡させてやると心に決め、俺は電車に揺られながら眠りにつくのだった。



To be continue……


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