第八話「舞踏会の再び」
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また、舞踏会があった。
季節が変わっていた。
あの春の夜から、半年が経っていた。
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エルネスティーヌは、今度は柱の陰にいなかった。
広間の中央に、いた。
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宮廷に慣れていた。
誰が誰で、どこに気をつければよいか、分かってきていた。
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レオンが来た。
軍服だった。
金の飾緒が、光を受けていた。
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「踊りますか」とレオンは言った。
「踊ります」とエルネスティーヌは言った。
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広間に出た。
音楽が始まった。
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「変わりましたね」とレオンは言った。踊りながら言った。
「何が」
「半年前は、柱の陰にいました」
「あなたが声をかけてきたんでしょう」とエルネスティーヌは言った。
「そうでしたね」とレオンは言った。「声をかけて、良かった」
「そうですね」とエルネスティーヌは言った。
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鏡の壁に、二人が映っていた。
蝋燭の光の中に、二人が映っていた。
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「父の件が、片付きそうです」とレオンは言った。
「片付くんですか」
「王太子殿下が、動いてくれました」とレオンは言った。「殿下には、頭が上がりません」
「殿下は、あなたの味方なんですね」
「昔からそうです」とレオンは言った。「不思議な方です。俺のような不器用な男を、ずっと傍に置いてくれる」
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音楽が続いた。
二人は踊り続けた。
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「一つだけ聞いてもいいですか」とエルネスティーヌは言った。
「どうぞ」
「宮廷の陰謀が片付いたら、何をしたいですか」
レオンは少しの間、考えた。
「あなたと、静かな場所へ行きたいです」とやがて言った。
「静かな場所」
「薔薇のある庭があれば、なお良い」
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エルネスティーヌは笑った。
「薔薇は好きですか」
「あなたが好きそうだったので」とレオンは言った。
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(第八話 了)
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