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薔薇と剣と、あなたのこと――ある宮廷の恋  作者: Kentarou Tou


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第六話「手紙」


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手紙が来た。


差出人の名前はなかった。


しかし、筆跡で分かった。


---


『明日の朝、西の塔の下に来てください。

人目のない時間に、話したいことがあります。

——L』


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エルネスティーヌは、手紙を三回読んだ。


それから、小さく折りたたんで、ドレスの内側にしまった。


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翌朝、西の塔の下へ行った。


レオンがいた。


軍服ではなかった。


地味な色の外套を着ていた。


---


「来てくれましたね」と彼は言った。


「来ました」とエルネスティーヌは言った。「話とは」


レオンは少しの間、黙っていた。


「昨日の続きを言いたかった」とやがて言った。


「昨日の続き」


「守りたいものができた、と言いました」とレオンは言った。「あなたのことです。はっきり言います」


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朝の光が、塔の石壁を照らしていた。


「はっきり言うんですね」とエルネスティーヌは言った。


「不器用なので、回りくどいことができません」とレオンは言った。


「王太子殿下が、おっしゃっていました。不器用だと」


「殿下に言われましたか」レオンは少し困った顔をした。「余計なことを」


---


エルネスティーヌは、笑った。


「好きです」と言った。


レオンは、エルネスティーヌを見た。


「俺が先に言うつもりでした」と言った。


「遅かったですね」とエルネスティーヌは言った。


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朝の光が、二人を照らしていた。


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(第六話 了)


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