第二話「剣の話」
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翌日、庭園で会った。
偶然だった。
エルネスティーヌが薔薇の小道を歩いていると、レオンが向こうから来た。
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「また会いましたね」とエルネスティーヌは言った。
「また会いました」とレオンは言った。「散歩ですか」
「宮廷に慣れようとしています」とエルネスティーヌは言った。「地方から来たので、何もかもが違って」
「慣れますよ」とレオンは言った。「一ヶ月もすれば」
「あなたは、慣れましたか」
「慣れました」と彼は言った。「十年いれば、慣れます」
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十年。
エルネスティーヌは、その言葉を聞いた。
十年、この宮廷にいる男だった。
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「ずっと近衛を」とエルネスティーヌは言った。
「そうです」とレオンは言った。「家が代々、そういう家なので」
「好きですか、剣を」
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レオンは少しの間、考えた。
「好きかどうかは、分かりません」とやがて言った。「しかし、剣を持っていると、守れる気がします」
「何を守るんですか」
「守るべきものを」と彼は言った。「その時々で、違います」
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エルネスティーヌは、その答えを聞いた。
守るべきものを、その時々で。
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薔薇が、風に揺れた。
赤かった。
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「また、踊ってもらえますか」とエルネスティーヌは言った。「次の舞踏会で」
レオンは少しだけ、目の色が変わった。
「喜んで」と言った。
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(第二話 了)
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