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薔薇と剣と、あなたのこと――ある宮廷の恋  作者: Kentarou Tou


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2/10

第二話「剣の話」


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翌日、庭園で会った。


偶然だった。


エルネスティーヌが薔薇の小道を歩いていると、レオンが向こうから来た。


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「また会いましたね」とエルネスティーヌは言った。


「また会いました」とレオンは言った。「散歩ですか」


「宮廷に慣れようとしています」とエルネスティーヌは言った。「地方から来たので、何もかもが違って」


「慣れますよ」とレオンは言った。「一ヶ月もすれば」


「あなたは、慣れましたか」


「慣れました」と彼は言った。「十年いれば、慣れます」


---


十年。


エルネスティーヌは、その言葉を聞いた。


十年、この宮廷にいる男だった。


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「ずっと近衛を」とエルネスティーヌは言った。


「そうです」とレオンは言った。「家が代々、そういう家なので」


「好きですか、剣を」


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レオンは少しの間、考えた。


「好きかどうかは、分かりません」とやがて言った。「しかし、剣を持っていると、守れる気がします」


「何を守るんですか」


「守るべきものを」と彼は言った。「その時々で、違います」


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エルネスティーヌは、その答えを聞いた。


守るべきものを、その時々で。


---


薔薇が、風に揺れた。


赤かった。


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「また、踊ってもらえますか」とエルネスティーヌは言った。「次の舞踏会で」


レオンは少しだけ、目の色が変わった。


「喜んで」と言った。


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(第二話 了)


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