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戦いが開始されて5時間が経過した──。残りのチームは僕たちのチームとイェスさんのチームとなった。イェスさんと戦うのか…?

戦いが進むにつれ分かった。……僕はイェスさんが好きだと。ツンツンした雰囲気、たまに見せる優しい笑顔、僕はそこに惚れてしまったのだ。しかし、イェスさんは敵チーム。僕たちが倒すべき相手。

…嫌だ。倒したくない。僕の想いを知ってほしい。出来ることならば──その想いに応えて欲しい。そう思ってしまうのは我儘だろうか。

「………レイ?」

味方にそう言われハッとする。またか。また、考え込んでしまった。でも…本当にイェスさんとは戦いたくない。

そう思いながら前を見つめた時視界にイェスが入る。

やはり美しい人だ。…この恋は叶わなくていい。ただ…せめて想いだけでも伝えたい。

気づけばレイはイェスの元へ足を運んでいた。そしてイェスの前に立ち、話しかける。

「イェスさん。戦いを始める前に少しよろしいですか

?」

「…?えぇ。」

イェスは戸惑いながらも頷く。どうしたのかしら、この人。やけにいつもより真剣。何かあったのだろう。

「実は…僕、イェスさんのことが…好きです!」

レイは顔を逸らす。気まずいし恥ずかしい。

「え…?私のことが?」

イェスがそう言った途端イェスの目に涙が溜まる。

「えっ?すいません、僕変なこと言いましたかね!?」

そう言って焦り出すレイ。本当、そういう所があるから──

「私も貴方の事が好きよ。」

え?私今言葉にしてしまった?そんな…引かれてしまっただろうか。しかしそんな心配も束の間。

「っ…!!ほんとですか?本当に俺の事…!?」

「はいはい。落ち着いて。」

そう言ってレイの背中を軽くさする。

…この人の傍にずっと居たい。『夫婦』という特別な称号を持ちたい。お揃いの指輪を付けて二人で1つなのだと実感したい。でも…

「私と貴方は敵なのよね…」

イェスは下を向く。泣き顔を見られたくないからだ。レイが優しくイェスを抱きしめる。

「ならば…敵だとしても僕が貴女の盾になります。守らせてください、イェスさん。」

嫌な予感がする。何故か知らないが胸騒ぎがする。


───────その予感が的中した。

「どうして…!どうしてよ、レイ!目を覚まして!お願い!」

私のことを考えてレイは自ら命を絶った。レイの味方も、皆。

レイは息を引き取る前、こう言っていた。


「イェスさん。僕は貴女の事が大好きです。愛しています。しかし…敵である以上、貴女の傍にはいられない。ですから守らせてください。貴女はこの戦いに勝つべき者。僕の事はどうかお気になさらず。」

「何故…」

涙が溢れる。せっかく両思いだとわかったのに…傍に居れると思っていたのに…

涙を堪えようと必死になっているとレイがそっとイェスの手を握る。

「その代わり…また何処かで出会えれば貴女の夫になりたい。幸せな家庭を築かせてください。ダメでしょうか?」

その言葉に我慢していた涙が全てあふれた。

「はい…お願いします…!」


「必ずですよ…」

そんな会話を思い出しイェスは温もりのないレイを見つめながら静かに涙を流した。

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