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青春の管制塔へ

暑い夏。汗をかいても気にならなかった。

「――ボーイ・ミーツ・ガール」、夏と言えばこれでしょう。

男子高校生3人が「ボーイ・ミーツ・ガール」の出会いに向けて奔走する。

「食パンをくわえた少女、西日に照らされる制服少女、うなじの汗が花火に輝く浴衣少女――、それらが僕らにとっては青春だった」

「ボーイミーツガール」はシチュエーションから生まれる!?

青春の管理下、高校生の日常がここに――。


▽第一話▽

https://syosetu.com/usernoveldatamanage/top/ncode/1279551/noveldataid/10647085/

◆こちらからどうぞ!


「あの時、初めてシェルターで食べ物を食べたけど、美味しくて驚いたよ」

 原田が笑って言った。

「特にショートケーキは美味しかった。なんでお客さんがいなかったのだろうか」

「まさか、パンを六枚食べて更に食べると思わなかったよ」

「あれはやけ食いだね、仕方なかった」

「あれは奇跡だった。あそこでおにぎり持った母親にぶつかる可能性なんて、飛行機事故の何倍も僕はすごいと思うよ」

「それはどういう顔をすればいいの?」

「さあ、ただただあの時は面白かった」

「僕は面白くなかったけど、いま思い出すと本当に面白かった。飲み会の席でこの話をしてもさ、誰も信じてくれないよ」

 僕は当然だろうなあ、と思った。僕もその現場にいなければこんな話は信じない。

「矢沢さんは信じてたよ」

 僕は言った。

「あの人はただ面白がってただけだよ。今になってその罰があたって田舎に嫁ぎ先探しに行ってるけど」


 ――、あの年は奇跡が三回起こった。

 原田と庵野と僕の奇跡。正直そのなかでも原田の奇跡は誰の奇跡よりも奇跡的であった。


「庵野にも会いたいね」

 原田が言った。

「計画してよ」と僕が言うと原田は大きく頷いた。

「またみんなでシェルターで会おう、矢沢さんにも連絡を取ってみるか」

 原田はそう言って、店員の矢沢さんに話しかけに行った。


 庵野の奇跡は、僕と原田の考える理想のボーイミーツガールだった。



次回から庵野のボーイミーツガール編になります。

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