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君を想う  作者: ツヴァイ
22/22

番外編 気になるアイツ

沢山の方々に読んでいただけて嬉しくて書いてみました。本編に関係無いですが宜しければ、どうぞ。

 俺っちは、緑豊かで太陽が降り注ぐ、大きな家に住んでいた。

 おっかあとおっとうと兄弟達に囲まれて、毎日を楽しく過ごしていた。


 ある日、俺っちが食事に行こうと外出した。行き付けの場所なんて無いが、旨いものが食べられる場所なんて探せば、いくらでもある。今日もあちこち彷徨いて、旨いものに有り付けた。


 日が傾いてきたので、家に帰ろうと帰路に就く。いつもだったら、家に近付けば、兄弟達の騒がしい声が聞こえる筈なのに聞こえない。俺っちの胸に不安が過る。


 急いで家に飛び込むと蛻の殻だった。家の中を隈無く探し、家の周りも探した。でも、誰も見つからなかった。


 近所に聞こうにもここから一番近い家と相当離れている。家族が何処に行ってしまったのか、分からず絶望していた。


 どれ位そうしていただろうか、いつの間にか朝になっていた。食事をする気もおきないが、家族を探す為には力を付けないといけない。そう思い、家を出た俺っちは、




―――――捕まった。




 何が何やらわからない間に家から離される。俺っちを捕まえた奴に一矢報いる為に抵抗した。でも抵抗空しく、檻に入れられた。

 狭い檻に押し込められ、何処かに連れていかれる。


 ガヤガヤと喧騒五月蝿い場所に晒される。いろんな奴等に値踏みされるように眺められる。その視線が不快でなら無かった。


 暫く、そんな不快な視線に晒されていると身なりの比較的良い奴が俺っちの入っている檻の中を眺め、ほくそ笑むと俺っちを買った。


 身なりの良い奴に渡す為に俺っちは、抵抗できないように縛られた。


 そのまま、身なりの良い奴は俺っちを何処かに連れて行く。大きな建物でとても頑丈そうだ。その建物の中に入って行く。


 俺っちが連れてこられたのは、広くて清潔そうな色んな匂いがする場所だった。

 俺っちの縛られていた縄は解かれ、身なりの良い奴は何か作業をし始めた。


 連れてこられた場所がなんなのか観察する為にキョロキョロと見回すと食事がおかれていた。旨そうだが、身なりの良いアイツの物かも知れないと一旦無視する。

 するとまた身なりの良い奴が入ってきて、最初の奴と話始めた。


 そう言えば、朝から何も食べてなかった事に気付いた。旨そうな食事をチラリと見て、話している奴等を見る。

 空腹には勝てなくなり、食事にゆっくり近づきながら様子を伺う。


 そのままがっつく。旨かった。食べた事が無い味だったが、旨かった。

 さて、腹も膨れたし、逃げるか。言い合っている奴等に視線を向けると気付いていない。そろそろと出口へと近付く、視線を感じて振り向けば、最初の奴と目が合った。


 暫く見詰め合っていたが、奴が何か言葉を発しているが分からない。それでも、奴は満足そうに笑い、目を逸らした。

 見逃してくれるのだろう、なかなか良い奴じゃないか。素早く脱出した。


 脱出したのは良いが、此処が何処なのかが分からない。帰れる当ても無い。広い建物内をとぼとぼとさ迷った。


 どれだけ歩いたのか分からないが、俺っちの家に匹敵する家を見つけた。緑に囲まれ、太陽が差し込む良い家だ。

 おっかあとおっとう達と住んでいる時は、日陰のひんやりしている所が良いと言っていたっけな。そういう場所は、なかなか空き物件が出ないんだって言ってたな。

 でも、俺っちは太陽が燦々と降り注ぐ、あの家が好きだった。ここもそんな家に似ている。早速入り、寝床に潜り込んでみる。

 気に入った。俺っちは今日から此処に住む事にした。






「最近、池の中にスッポンが住み着いているらしいわ」


「そうなの?怖いわ。噛みつかれたら、どうしましょう」


「でも、スッポンてお肌に良いのよね?」


「王妃様に食べていただきましょうか?」


「最近小皺に悩んでいるって言っていたものね」


「じゃあ、誰か兵士の方々に捕まえてもらいましょう」







主人公はスッポンです。


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