表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
20/20

涙の理由⑥

 その日の夜、俺の興奮の理由、抑制が効かなくなっていた理由が分かった。

俺は生理を迎えたのだ。初めてなので、初潮と呼ぶべきかもしれない。トイレでそれを認識した。俺は、かなり動揺した。大人の女性なら、毎月ある生理現象なのだから、気にしないだろうが、俺は男だ。男の俺が生理になってしまった。どうすればいい。冷静にならなければいけないのだが、コントロール出来ない。仕方ない、相談するしかない。普通の女の子と同じように、相談するのだ。ママに。

 俺は、ティッシュで股を押さえ、小走りで、かすみの近くまで行った。

『ねえ、ママ、ママ。ちょっと来て。お願い、ちょっと来て。』

かすみは彩先生とリビングでテレビを見ていた。

『どうしたの?ちひろちゃん。』

『いいから、来て。』

『しょうがないわね〜。』

俺は、洗面所にかすみを連れて来た。

『ママ、どうしよう。なっちゃった。』

『なっちゃったって?何が?』

俺はもじもじして、顔を赤くした。でも、話すしかない。

『なっちゃったの。生理に。どうすればいいの?』

話し終わると、大粒の涙を流してしまった。涙は止まらない。

『ちひろちゃん、泣く必要なんてないのよ。女の子は、みんな通る道なの。私も、小学生の時に、今のちひろちゃんみたいに、泣いたわ。』

『ほんと?』

『ほんとよ。初めての生理のことを初潮って言うのよ。これはね、嫌なことではないの。おめでたいことなのよ。ちひろちゃんが大人の女の子になった証なの。ちひろちゃんの場合は、もっと特別かもしれないけど、そういうのを全部ひっくるめて、せっかくなんだから、女の子の人生を楽しみましょう。』

『ママあ。』

俺は、かすみの胸に飛び込んだ。

その後、かすみは生理のときの対処の仕方や、生理痛のことなど、色々な知識を教えてくれた。そして、彩先生にも報告し、二人で俺を優しく慰めてくれた。

『女の子なんだから、泣いてもいいのよ。私たちの前では遠慮しなくていいのよ。泣きなさい、ダメとは言わないわ。』

俺の涙腺が弱くなり、感情のコントロールが出来なくなったのは、女性としての体の変化が理由であったのだ。

 涙の理由は生理であった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ