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【書籍化】クラちゃんとカルーさんの幸せな結婚  作者: 真弓りの


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11/18

とほほ……

うう……久しぶりにクラちゃんにマジ顔で怒られてしまった……。


ガックリと肩を落としたまま、すごすごとベッドへ戻る。


アタシが狩に行きたいってワガママ言ったばっかりに、父ちゃんも兄ちゃんも、レオン達までも怒られてしまった。皆、本当にごめん……!


最初は近場で済ませるつもりだったんだ。

だってなんてったって臨月だし。

出産予定日、明後日だし。


たださ、いざとなれば飛び石もあるからなんとかなるかと思ったんだよ。このところ狩に行ってなかったから、せっかく父ちゃんと兄ちゃんがいるなら安心だし、クラちゃんに久しぶりに美味しいお肉をあげたかったんだもん。



ただ、初めて見るクラちゃんの鬼のような形相に、本当にヤバいことをしたのだけは分かった。



クラちゃんに心配をかけた事も、自分のワガママで皆に迷惑をかけた事も、申し訳なさ過ぎる。すっかり悲しくなって布団に埋もれて丸くなっていたら、子供達の泣きそうな声が聞こえてきた。



「ママ、死ぬの⁉ 死んじゃうの⁉」



えっ⁉ うそ、なんで⁉ アタシ死ぬの⁉


びっくりし過ぎて布団からピョコンと耳を出す。

怖いけど聞きたい。聞きたいけど怖い。



「ああやってベッドでいい子に寝てれば大丈夫だよ」



クラちゃんが、優しい顔になってユイとレオンの頭を撫でていた。あ、なんだ、そういう意味ね。と安心してちょっと布団から顔を出してみたら……心底ホッとしたような子供達の顔に、さらに罪悪感が襲いくる。


ごめん、本当にごめん!



「この前来てくれたお医者さんのマーニィ先生、覚えてる?」


「覚えてる!」


「あたまピカピカのシワシワのおじいちゃん!」



ユ、ユイってば、そんな本当の事を……。

クラちゃん、笑っちゃってるし。



「そう、そのマーニィ先生に聞いたんだけど、赤ちゃんを産むって凄く大変な事なんだって。元気だと思ってたら、ちょっとしたことで命が危ない事もあるから気をつけてって。ママにも赤ちゃん達にも元気でいて欲しいだろう?」


「うん!」


「じゃあ、パパと約束した事覚えてる?」


「うん!ママに重い物は持たせちゃダメなの!」


「ママが転ぶと危ないから、おもちゃは散らかさない」


「ママに飛びついたり、乗っかったりしちゃダメ~!」


「ママにムリさせない」



ええ⁉ マジで⁉

クラちゃん、そんな約束させてたの⁉


父ちゃんや兄ちゃんも「なんと」「スゲェな、マジか」って、目をまんまるにして驚いている。アタシに目配せしてきたけど、アタシだって初耳だよ! どうりでこの頃急に二人とも聞き分けいいと思った!



「うん、偉い! よく覚えてたね」



クラちゃんに褒められて、二人のしっぽはもうギュンギュンと左右に揺れた。嬉しさが爆発しちゃったらしい二人がクラちゃんに飛びついて、支えきれなかったクラちゃんもろとも三人揃って転がっちゃったのはご愛嬌だ。


二人とも、パパはママみたいに馬鹿力じゃないから、手加減してやって。



「いてて……ほんと二人ともママそっくりだな……えーと、それでね、パパの言い方が難しかったんだけど、今日みたいに岩山にクエストに行ったりするのは『無理させちゃう』し『危ない』から、絶対にダメ。……わかった?」


「はーい!」


「ママは動くの大好きだから、タイクツーってなったら、お庭を一緒にお散歩してあげて」


「分かったぁ!」


「いい子! じゃ、遊んでおいで。今日のおやつはマフィンだよ」



見事な手腕で子供達に言いきかせたクラちゃんに、わが父と兄は口をパクパクさせていた。


……ていうか、躾ばっちりのクラちゃんに比べてアタシ、むしろ心配かけてるとか、かっこ悪過ぎる……。

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