プロローグ
初投稿です。
つたない部分は多々あると思いますが、定期的に、できる限り登校していきたいと思います。
よろしくおねがいします!!
遥か太古の話、世界のすべてが唐突に、なんの予兆もなく狂った。
闇がうごめき、血反吐が地を這い、負の感情がそこかしこで叫びをあげ
『それ』はすべてを喰らい、すべてを飲み込んだ。
人々は何が起こったのか、理解することも解明することもできず。
ただただ本能的に絶望だと感じ、抗うことしかできなかった。
聖魔の戦、エルダーテ。
地球が誕生してから、人々と共存してきた人類より先の存在、精霊。
その精霊たちが、戦の始まりとばかりに、突如黒い『それ』をまき散らしながら暴走を始めた。
自然の中で生きてきた生物も『それ』に憑依され、魔物、と呼ばれるようになり、今でもそう呼ばれている。
『それ』を宿した精霊を魔精霊、『それ』を同じように宿した生物を魔物と呼ぶようになってから『それ』は『負魔』と呼ばれた。
魔を宿すそれらは、人々を襲い、殺し、殺戮と破滅の限りを尽くした。
人々は抗いながら、嘆き、狂い、歪み、壊れていった。
『魔』は『負』を呼び、『負』は『魔』を生み出し続ける。
神は笑う。終わりにして始まり。破滅にして誕生。
この世界は失敗作だったのだ、と。
始まりにして終わっていた。だから終わらせて始まりを作る。
神も歪み、狂っていた。
この世界のすべてが歪みきり、この世界の生きるすべてが狂っていき、この世界を作った神が壊れていた。
しかし、終わりを迎え、退廃していく世界に絶望せず、あきらめず、終わらせまいとする者たちがいた。
魔戒士――――――『負魔』に憑依されないごくわずかな精霊と契りを結び、その恩恵を身に宿し、魔を戒める者。
数百年と魔戒士たちは世界と戦い続け、世界をつなぎとめた。
彼らの力は未知数。
真実は定かではない。だが今こうして、機能し続ける世界が、真実であり、すべてなのだ。
世界は再び続いた。秩序を取り戻し、歪みは矯正された。
しかし、なぜ聖魔の戦が起こったのか、未だに何一つ解明することはできない。
【追憶の記憶】より
「・・・そ、・・・恩恵を・・・・し・・・我が・・・・・と・・れ!!」
目を開けると、そこに広がる光景は、地獄のようなありさまで、正直、何もかも理解不能だった。
ここはどこか、昼か夜かさえわからず、自分がなんでここにいるのかさえ。
ふと、自分の手に視線を落とす。そこには何かが握られていた。
手を開くと握られていた何かは、当然のごとく、音もなく手を離れ、床に落ちる前に虚空に溶けるように消える。
開かれた手は血に濡れ、赤黒く染まっていた。
視線を手から離し、あたりを見渡すと、誰もが地に伏していて、立っているのは自分だけ。
みんな・・・死んでいる・・・。
それでも、何かを思うということはなく、心は静かだった。
しかし、その中に大切な存在が含まれていることを認識した途端、心は騒ぎ立てる。
大切な存在だった少女が、目の前で床に倒れていた。
誰よりも守りたいと思った笑顔が。誰よりも守りたかった少女が。
それも今はいない。
「――――――っ!!」
どうしてどうしてどうしてどうしてどうして――――――
この世で一番大切な人が、この世で何よりも守りたかった命が、目の前で散っていた。
「う、ああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
言葉にならない叫びが喉を裂いて、あたりを照らす炎より熱い涙が頬を流れ続けた。
もう帰ってこない。もう会えない。もうあの鼓動を、温もりを、笑顔を感じることも、見ることもできず、守ることさえできなくなった。
ないて、ナイテ、泣いて―――――――。
せめて、大切な人のそばに寄ろうと、体を動かす。
体が重い。考えることも億劫で、心も体も、鉛を背負ったかのように。
それでも重い体に鞭をいれ、地を這い、大切な人のところへ。
視界が歪み、ぼやけてくる。
嗚呼、と漏れる声は悲しみからでも、後悔からきたものでもない。
これは夢なのだと。この夢は覚めるものなのだと。
「ごめん・・・夜宵・・・」
守れなくて―――――――――――――――。
俺は少女のそばに寄り添い、倒れた。
そこで意識は途切れた。




