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48話 奇妙なデート

 

「今回の襲撃では相手の場所は割れているから、確実に潰すためにに1人あたり2人を送り込むわ。1人余るけど、さっさと潰してそいつを一気に叩けば終わりよ」

「了解しました、ペアはどうするんですか?」


 フェイブルはメンバーを見渡して、考え込む。


「そうね、私が適当に決めるわ。2対1でしかも両方強いでしょう?じゃあ、私とサヤさん、グランさんとフィジー、ヨミさんとシェフィ、マヤさんとリードでお願いしていいかしら?折角だから混ぜましょう!」


 ありゃま、シェフィちゃんとは外れてしまったな。おい、ヨミ。そのウザイ顔をこちらに向けてくるな。顔だけで煽ってくんな。

 フェイブルはペアごとに地図を渡す。


「じゃあ、今から3時間後に襲撃を開始するから、偵察して待ってて。私から無線を入れるわ」


 そう言ってフェイブルはサヤを連れて部屋を出ていった。ちょっと心配だけど、サヤにはお手製防犯ブザーを渡している。

 押した瞬間に自分の無線に警告音がなるようにしてある。ちなみにグランもつけていて、押したら伊智代が飛んでくる。


「じゃあ、リードさん。行こうか?」

「はい、でも呼び方はリードでいいですよ。さん付けはちょっと違和感があるんです」


「じゃあリードちゃんでいいかな?」


 リードは頷く。そのままリードは眼鏡をかけて、髪を結ぶ。さらに、地味な服を着て変装をした。


「じゃあ行きましょう!」


 地味な美少女に変身したが、正直派手な衣装よりも素朴で可愛らしい気がする。

 全員用意が出来たらしく、次々に出ていく。自分も鞘がちゃんとベルトに固定されているか、確かめてリードと共に目的地に向かい始めた。



「サヤさん、鯉口を鳴らすのやめて。周りの人引いてるわ」


 そう言われてしぶしぶ刀を納める。私は今、フェイブルさんと共に宿の前で待ち伏せしている。

 ここは刀を差している人が多いので、暇なので煽っていたのだが、誰も乗ってくれはしなかった。


「すみません、暇だったので...」


 フェイブルさんはカラフルリートのリーダーでとてもかっこいい人だ。私の身長くらいありそうな大きな太刀を背負って、本人の身長も相当高い。


「そういやサヤさんって、なんでマヤさんについて行っているの?」


 フェイブルは不思議そうに聞いてきた。


「そんなの主人様が大好きだからに決まってますよ!主人様も私のことが大好きです!」


 フェイブルは笑って頭を撫でてきた。


「私もこんなに可愛い妹がいたら良かったのに。私は一人っ子だから甘えることも、甘えられることもなかったから」

「でも今はカラフルリートの皆のお姉ちゃんじゃないんですか?別に血の繋がりだけが絆じゃありませんよ?」


 私も主人様とは血は繋がっていないが、心から信頼しあっている。フェイブルは優しげに笑って、思いに耽ける。


「そうね、メンバーの皆は家族のようなものね。頑張ってお姉ちゃんとして引っ張っていくわ」


 フェイブルさんはちょっと冷たそうな人だと思ってけど、結構いい人かも。



 やばい、私フィジーちゃんと一緒に戦うの...凄い!こんな事になるとは思っていなかったけど、最高!


「ねぇねぇ、フィジーちゃん!色々話聞いてもいい?私大ファンなの!」


 フィジーはモジモジしながらこちらを見ている。


「あの...凄く嬉しいんだけど...あたし...人と話すの苦手で...」


 ライブ中のフィジーはとても活発で元気な女の子だ。

 しかし、実際は内気な魔女っ子だったなんて...これがマヤが言ってたギャップ萌えってやつ?凄い可愛い!


「私まさかフィジーちゃんとこんな近くで話せるなんて思ってなかったから、すごく嬉しい!」


 フィジーは顔を真っ赤にして下を向く。やばい、可愛すぎて死にそう。


「私こそ...お姫様と話せるなんて...夢みたい...」


 フィジーは顔を上げてこちらをじっと見る。その目は内気な少女ではなく、何かを決心したような顔だった。


「私...こんな真っ直ぐに...話し掛けられた事なかったの...だから...この機会にハキハキ喋れるようになりたいの!」


 なるほど、話す時に詰まってしまうのをコンプレックスに思ってて、それを直したいだなんて、健気すぎ、うわあ、可愛すぎて生きるのが辛い。


「うん、なら私が練習に付き合ってあげるわ!」


 フィジーは嬉しそうに私を見つめてきた。ぴゃあ...



 はは、マヤくんの推しとペアになっちゃったな。でもこれで、シェフィがマヤくんに惚れる確率が減らせた。我ながらゲスいね。


「どうも!僕はヨミだよ、今回は宜しくね!」

「よろしくー!私はシェフィ...って知ってるかな」


 シェフィは笑って答えた。なんでシェフィのことを推しているのかと思っていたけど、この子にはうちにはない清らかさがあるなー。

 憧れってモノは自分の手には入らなそうな物に向けられるものだからねー。この子のような清純な子は中々マヤくんの所には来ないだろうね。

 しばらくシェフィとともに暫く今まで何があったりだとかを話す。


「ヨミちゃんはどうしてマヤくんが好きなの?」


 シェフィは結構積極的な子だ。普通あって数時間くらいの人にそんなこと聞けるのは、中々だ。


「んー、何でだろうね〜。マヤくんより魅力的な男が見つからないからかな。シンプルな好みだね!

 シェフィちゃんはマヤくんの事どう思う?」


 シェフィはあまり悩まずに言った。


「興味無いかな。私はかっこいいイケメンが好きだから!」


 んと、マヤが取られないという安堵と、マヤがかっこよくもイケメンでもないと言われた悲しさが、喧嘩しあってる。

 いや、この子が思うイケメンと僕が思うイケメンとは違うから、気にしない気にしない!これは本人には教えられないなー。


「あっごめんね、別にマヤくんをブサイクって言ってる訳じゃないけど、タイプじゃないのよねー」


 シェフィは慌てて言った。多分僕の顔が真顔になってたからだろうね。まあ、タイプじゃないのは仕方ない。


「まあ、マヤくんには僕だけがいればいいから、大丈夫だよ!僕がマヤくんのお嫁さんさ!」


 シェフィはニコニコしながら答える。


「お婿さん?」

「シェフィちゃん、ぶっ飛ばすよ?」


 シェフィを小突いて笑い合う。



 リードと共に目的地に向かって歩いている。リードはアイドルしてる時は、超人気でセンター張ってる位の主人公属性マシマシなんだけれども、今はそんな雰囲気が一切ない。

 自分は漫画とかのキャラで、好きなキャラと聞かれたら主人公ではなく、集合絵の端の方にいるキャラを選ぶタイプだから、敬遠していた。

 しかし、今は結構惹かれてしまう。シェフィは好きだけれども、隣にいて欲しいって感じではない。

 落ち着かないからな。


「遠いなー」

「そうですね、1番離れた所に泊まってるみたいですからね。ゆっくり歩いていきましょう!」


 リードはこちらに笑いかける。これが天使の微笑か。これはサヤの美味しい物食べた後の満面な笑みにも、負けずとも劣らずだな。

 まあ、手の届かないところにいる子だから、拝むだけになるけどね。


「そういやリードちゃんって戦えるの?殺人鬼にも襲われてたのに、大丈夫?」


 リードは背中の弓を見せてくる。


「あの時は武器がなかっただけです。今回はきちんと敵を倒します!」


 アイドルの戦う姿なんて、滅多に見れないだろう。楽しみにしておこう。リードは歩きながら少しこっちに寄って来て、くっついて来た。


「でも...私戦うの苦手なんで、一緒に戦ってください!」


 なるほど、可愛いな。中身も完璧なアイドルって素晴らしいな。絶対にこの子に怪我はさせられない。身を呈してでも守らなきゃならないな。


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