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ぼんじゃーのネタ帳  作者: ボンジャー


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我が名は日本国だあっ!

 大統領の衝撃的な発表の通り2018年末、日本国は世界から消えた。話を進める前に残された世界がどうなったかを少し語ろう。


 当然ながら世界経済は混乱したが、米国大統領により、この世界から消えた日本国は壮大な出来レースの迷惑料として、各国に残してきた日本資産の譲渡と技術パテントを「米国を通して」解放すると日米間で合意していると発表した事で一先ず落ち着く事になる(米国を通しての部分で『テメェ絶対条文書き換えたろ!』と各国が詰め寄ったりもしたが)


 上記の件もあり、日本国の失踪で一番に得をしたのは合衆国であった。彼らはフロンティアを手にした。日本国が消えたからと言って列島が消えた訳ではなかったからだ。


 もし日本国の消滅と同時に列島が何処か別の空間に消えたのだとしたら、地殻にポッカリ列島型の穴が空いて海が流れ込み、超大規模水蒸気爆発からの世界滅亡クラスの天変地異が発生しただろうがその様な事は無く。日米の事前の打ち合わせ通り、日本国消滅と同時に列島に接近した米第7艦隊が見た物は現代の列島と入れ替りに現れた人類到達前の列島の姿であった。


 日本国と例のバカは、米国さん迫真の全力攻撃から始まるであろう不毛な戦争を回避する策として、フロンティアをアメリカに提供する事で話を付けたのだ。国際法に置いて無主の島は先に領土宣言した国の物となるので、日本国消滅後爆速で到達したアメリカは列島の殆どに旗を立てる事に成功した。


 殆どである。沖縄本島含め琉球諸島に旗を立てた台湾、どさまぎに壱岐対馬をゲットした大韓民国もいたからだ。これは残された世界で中華人民共和国に嫌がらせしたいバカの陰謀であったのだろう。


 ともあれ米国は完全に無人で広大な領土と言う現代では絶対に手に入れる事の出来ない物を手に入れた。この後何十年かは佐渡ヶ島や岩見に発破掛けて金銀を採掘したり、現代日本の植生と生物層だと思って安易に入植し、ナウマンゾウや何故かいたサーベルタイガーに襲われたり、原人を発見し開発の関係で隠蔽したい政府と保護団体&学者連中がバッチバチにやり合ったり、如何にかして土地を手に入れたい中露と睨み合って過ごすであろうがそれはまた別にお話である。



 では本題である。


 日本国は何処に行ったかについて語ろう。


 1920年、発足したての国際連盟は最初から躓く事になる。ヴェルサイユ条約が発効して僅か6日後、パリで行われた第1回理事会に衝撃的なニュースが飛びこんだのだ。


 大日本帝国との通信途絶である。途絶としか言いようがない。台湾・朝鮮までは連絡が付く、だが列島からは一切の反応がないのだ。日本側代表団は必死で本国に連絡を取ろうとし、ヤキモキし、周りに当たり散らして迷惑を掛けたが本国からの連絡はなかった。


 その不安と「「もう日本抜きで話始めようか?」」の空気をぶち壊したのは、空から降り注ぎ、世界各国のラジオ局をぶち壊す勢いの猛烈な電波放射であった(直後、世界中の天文台から人工天体が地球を周回していると言う衝撃の事実が各国政府に報告された)


 「世界の皆さんコンニチワ。我が国の名は日本国です。我々は未来から来た大日本帝国の後継国家です。遺憾ながら大日本帝国は消滅し、我々が現在その位置にあります。これは悪戯ではありません。大日本帝国にて反乱が起こり政府が転覆した訳でもありません。信じられないでしょう。正気を疑う方もいるでしょう。ですがこれは真実です。我々に皆さんへの敵対の意志はありません。繰り返します。我が国は日本国。未来から来た国家です」


 「「いや信じられねぇよ!無理だよ!何が未来国家だよ!絶対クーデターだろ!」」


 世界の何処からでも捉えられる電波の声に誰しもがツッコミを入れ混乱した。だが混乱しても一応国際連盟の理事国の一つが正体不明で謎の超技術を振るう勢力に占領されたか何かしたのであろう事は確かになった。


 折角戦争終わったってのになんだよ!またかよ!勘弁してくれよ!と言う気分の各国。その混乱を更に助長させたのは、調査と交渉の為の使節団が急遽編成される事になった上海に現れた巨艦、朝鮮・台湾・南樺太に瞬く間に展開し、現地の日本軍を武装解除した武力集団の存在であった。


 そこに居たのはベルヌの世界の住人だった。ケツから火を噴く巨人機、現在各国が配備するのとは訳が違うタンク、二足歩行する機械に乗り込む兵士、飛び回る小型飛行機械、小型自動翻訳機から飛び出る妙に抑揚のない音声で会話を試みる外交官を名乗る人間。


 全てが空想の中の存在。


 全てが今現在では存在を許されぬ事象を操る人間たち。


 頭がクラクラする。


 だが一つ確実に分かる事がある。


 世界はつい数年前に行われた大戦と同等の、否、それを遥かに超えた二度と引き返せない変化の時を迎えると言う事。


 それは極東から始まり、何れ世界全てを飲み込むだろうと言う事だ。


 未来国家日本国。こいつ等は我々の世界をどうする心算なのだろうか?




 1920年 日本国首相官邸


 「夜逃げ成功やね」

 

 「そうだな」「そうですね」


 一仕事終えたぜ!と言った感じのバカがそこにはいた。だがそれを見る首相と幹事長の視線は冷たく、その声にも疲労と「「この野郎!」」と言う圧があった。


 「なんやねん二人とも!ワイは言う通り責任取って日本全部を夜逃げさせたやないか!取りこぼしないで!海外資産は兎も角、残るつもりの日本人以外は連れてきたんや!ワイは仕事しました!お陰でエネルギー切れです!暫く世界をどうこうする様な超チートは使えん!もしかしたら一生かもしれん!あんさんらのお望み通りや!」


 「おう、それは重畳だな。でっ?どれくらいなら出来るんだ?」


 「ま…まあ、日本国に資源だすとか?それでももう金塊の山だしたりは出来んな。採掘はやって貰わんと…あと、チート知識と身体能力は健在や!ワイ君はまだ天才で超人です!」


 「そうですか。それも良かった」


 「なんか怖いんやけど?もしやワイ用済み?始末ですか?弄ばれたんですか?」


 「ちげぇよ。テメェ俺ら見て何も感じないのか?テメェの後始末で連日働き通しなんだが?」


 「国民への説明、外交の再構築、今回の夜逃げ騒ぎで中途になっている政策課題の再開、国内の混乱に乗じて盛り返した野党対策、やることは色々あるんです」


 「ほ~ん。それはご苦労様やね。じゃ!ワイは引きこもるんで後宜しく!この世界なら日本に勝てる奴居らんから征服するなりなんなりしてや!ワイ君懲りました!ワイ君は普通の男の子に戻ります!」


 バカは嫌な予感がしてその場を逃れようとした。二人の政治家の圧はひじょ~に強くなってきている。その言葉にも滲み出るオーラにも「逃がさん!貴様だけは!」と言う気配が濃厚に出ている。


 「まあ、待てや」「待ちなさい」


 逃げようとしたバカはガシっと肩を掴まれる。振りほどく事は簡単だがそれを許さぬ何かがある。


 「ナニ!これ以上ワイに何をさせる積りなの!怖い!怖いで二人とも!」


 「首相、確か新潟一区に空きが出たよな?」「はい。彼女が地盤を失いましたからね」


 「それとワイになんの関係があるの!離して!」


 「なら簡単だ。テメェ次の選挙でろ。落下傘候補に指名してやる」


 「なんでワイが選挙なんか出る必要あるんや!」


 「君を野放しにするのは危険だからです。幸い君は能力は優秀なんですから、この際党を挙げて君を未来の総理候補として育てる事に決めました」

 

 「ワイの意志!第一ぽっと出のワイが勝てるか!あるやろ色々!!」


 「テメェが佐渡の金山復活させるなり、新潟港の近くに漁場の二つ三つ作れば勝てる。利権を作れるってのは最強の力だからな。それと意志とか言ったな?責任の重さを理解できねぇ奴にそんなもんねぇ。これからテメェの肩には日本国一億六千万の命が乗る。テメェの無責任時代は終わりだ!」


 「嫌や!!!誰か!!!!責任なんか取りたくない!!!」


 「大の男が泣くんじゃねぇ!さあ来い!!」


 「選挙が始まるまで議員秘書として働いてもらいます!それと並行して貴方の技術を学者先生方に研究して貰う為に論文も山ほど書いてもらいますよ!学会発表もです!超人なんでしょ!死にはしません!」


 泣きながら引きずられバカは消えた。人は何時までも無責任では居られないのだ。


 もはやバカは主人公ではない。


 一億六千万の転移者が存在する日本国。100年の時を遡った日本国民それが次の時代の主人公なのだ。


 チートが終り歴史が始まろうとしている。


 


 

 

 

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