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マイペースな冒険者は今日も受付嬢に怒られる  作者: のんびり生きていきたいおっさん


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ランド、クリティカルヒットをくらう

今日の文章考えてたら日付が変わっていた(^_^;)

ギルドマスターのフォルクスの部屋に戻ったフォルクス、ランド、リディアの三人はソファーに腰を掛けると話を始める。


「それで、あの「老狼王」は森のどの辺りにいた?」


フォルクスの質問にリディアが答える。


「森の真ん中辺りにある大きな木から少し進んだ辺りだ」


「ああ、あの辺か。あの辺りは「キラーグリズリー」の縄張りだったはずだが…移動したのかな?」


普段から「精霊の森」に向かう冒険者達からの情報をまとめているフォルクスは全てとまではいかないが「精霊の森」のパワーバランスや危険な魔物の縄張りは把握していた。


そう呟くフォルクスにリディアが「そういえば「老狼王」に遭遇する少し前に「キラーグリズリー」の頭部を奪いあっていた「フォレストウルフ」をみたぞ」と返した。


「ほんとか?」


「ああ、それは間違いないぞ」


リディアの言葉にランドも続けるように口にする。


「俺もリディアを探してるときに所々食い荒らされた「キラーグリズリー」の死体を見ました」


「そうか、となると森の中央辺りはしばらくは魔物が縄張り争いを始めるかもしれないな。今は冬だから数は少ないかもしれんが念には念としてしばらくはCランク以下の冒険者は中まで行かないように通達を出しておくか」


二人の話を聞いたフォルクスはそう言葉にするとなにやら書類を書くと「少し待ってろ」と二人に告げて部屋から出ていった。


フォルクスが部屋から出て二人になるとリディアが口を開く。


「ランド、改めて今回は本当にありがとう。ランドが来てくれなかったら私は食い殺されていただろう」


そう礼を述べるリディアにランドは「気にするな、森でも言ったが無事でよかったよ」と返す。


「今回は自分の世界の狭さを知ったよ。たとえAランクだといっても剣の腕だけでは解決できないこともあると身に染みた…」


そう言って少し落ち込んだリディアにランドは「まぁ今回みたいなことは滅多にないとは思うが、とりあえずリディアはこれからは依頼を受けるときは一人なら無理ないものを、誰かとするならしっかりと話し合ってお互いに信用してからするようにしような」と励ました。


「そうだな、もっと冒険者として精進しなければ。そして更に成長した私をいつかどこかにいるランドさんに認めてもらってパーティーを組むんだ!そしてやがて二人は「人生」という最難度依頼を「結婚」という結末で達成完了を迎えるんだ!」


「ま、まぁその辺はどうなるか知らんが頑張ってくれ(結婚云々はともかくたまに依頼を受けるくらいなら別にいいがな…)」


ランドは今回の件でリディアにたいして最初の「疲れる」よりも「危なっかしい」の気持ちが強くなっていた。


結婚だのなんだのはさておき、知り合った上で悪い奴ではないと知った以上…どこかでうっかり死なれても寝覚めが悪いのでそう思うランドだった。


「うむ、そこでランド…ものは相談なんだが」


ランドの言葉にそう返したリディアはランドの方に顔を向けて声をかける。


「なんだ?」


「この街にいる間だけでいいから私とパーティーを組んでくれないか?」


「は?」


リディアの頼みと懇願にランドは呆気にとられた。


― ― ―


ちょうどその頃ギルドの一階では…


「あれ、ギルドマスターどうしたんですか?」


降りてきたフォルクスにシシリアが声をかける。


「ああ、ちょっと通達をな。すまないがこれを掲示板に貼っておいてくれるか?あと使って悪いが二階にお茶を頼めるか?」


フォルクスはそう言ってシシリアに書類を渡す。


「わかりました、お茶もすぐにお持ちしますね」


「悪いな」


フォルクスはそう言って二階に戻って行く


シシリアは横にいたラジに「ゴメンラジちゃん少し外すね」と伝える。


「いえ、お仕事頑張ってくださいね」


「ありがとね、すぐに戻るから」


そう言ってシシリアは席を立った。


その頃フォルクスは部屋に戻る前に(ちょっとトイレに行くか)


そう思い立ちトイレに向かっていた。


― ― ―


その頃ギルドマスターの部屋ではリディアがランドへパーティーを組んでほしい理由を語っていた。


「今回の件で私は冒険者としてまだまだ至らない所があるのを実感した。だからランドに私のそういったところを指摘して鍛えてほしい!」


そう言葉にするリディアにランドは「鍛えるもなにも俺はCランクだぞ?リディアはAランクじゃないか」と返す。


「それでもだ、ランドはCランクでも私より強い!色々教えてほしいんだ!」


グイグイ来るリディアにランドは「いや、俺は基本のんびりとソロでやるのが気楽で好きだから…」とかわそうとするが…


「や、やはり今回の件で愛想がつきたか?ランドの役に立とうとして結局迷惑をかけてしまったし…もう私とは依頼は受けてくれないのか?」グスッ


そう言って目を潤ませて今にも泣きそうな顔で見てくるリディアにランドは「い、いや別にリディアに愛想がつきたとかでなく…」と怯んだ。


「な、ならばどうしたらパーティーを組んでくれる?はっ、そうか!そうだなさっきから私の頼み事ばかりでランドの頼みを聞いてないもんな!よし任せろ!」


なにやら一人で納得したかと思うとリディアはいきなり鎧を脱ぎだし更に下に着ていたシャツまで脱ごうとする。


「ちょお!なにをやってるんだ!?」


リディアの奇行にランドが慌てる。


「先程から私はランドに無償で色々と頼みすぎた。といってもランドは金など興味なさそうだしそうなると私にできるのはこの体くらいしか///。初めてはいつかランドさんに貰ってもらおうととっていたが、こうなればランドに冒険者としてでなく女としても色々と教えて貰っていつかランドさんに会ったときにどちらでも喜んでもらうために学んでおくのもまた…」


「どうしてそうなる?ひとまず落ち着け!」


そう言ってランドはリディアの手を掴んで止める。


「は、離せ!」


「離さない!」


そんなやり取りをしてるところにフォルクスが戻ってきて「お前らはなにやってんだ?」と声を出す。


フォルクスの言葉に二人がピタッと動きを止める。


「いや、リディアがいきなりとんでもないことを言い出したので…」


「ランドに私の本気を知ってもらおうと…」


「なんだそりゃ?」


二人の言葉の意味がわからないフォルクスがそう首を傾げているとそこにタイミング良く(悪く)シシリアがやって来た。


「ギルドマスター、ランドさん、リディアさんお茶がはいりま……」


部屋に入ったシシリアは三人の様子に固まった。


なぜか首をかしげているフォルクスはともかくシシリアは残りの二人に注目した。


そこには涙目で鎧を脱いで上着を少しはだけさせたリディアとそんなリディアの腕を掴んでいるランドの姿があった。


「な、なにをしてるんですかランドさん!?」


シシリアの声の様子にランドは(あ、これなにか勘違いされてる気がする)と察すると「あ、あのシシリアこれはな…」と説明しようとするが…


「おお、シシリアからも頼んでくれないか?私はランドに冒険者として色々教えて貰いたいんだ。だから少し恥ずかしいがこの身体をもってして冒険者としても女としても色々教えてもらう事に…「言い方ぁー!」…ん?」


ランドの説明の前に早口で口走ったリディアの言葉を聞いたシシリアは…


(え、リディアさんがランドさんに冒険者や女として色々教えてほしいと頼んだらランドさんが「その身体で」と言ったの?それでリディアさんが泣きそうになりながら鎧を脱いだところで止まったからランドさんが腕を掴んだの?それってランドさんがリディアさんに勉強代として身体を要求したの?)


と誤解をしてしまう。


「あ、あのシシリアひとまず俺の話を…「…さんの…」…え?」


「ランドさんのバカァーーー!!」


「ちょ、シシリア待って!それ淹れたてのお茶が入ったコップ…ってあっちいーーー!」


憐れ、ランドは勘違いしたシシリアに淹れたての熱々のお茶が入ったコップが乗ったままのお盆をぶん投げられるのだった。


嫌な予感がして少し離れていたフォルクスはその様子を見ながら(あ、お茶が書類に…まぁいいか)とか考えていた。

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