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マイペースな冒険者は今日も受付嬢に怒られる  作者: のんびり生きていきたいおっさん


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ギルドへの報告と新人門番の数分間の恋物語

ラジに乗って街へ戻ってきたランドはリディアと人の姿になったラジと入り口をくぐった。(トルテは里に残った)


入り口の所でも人の姿になったラジにリディアが驚いたりそれ以外にも多少のバタつきはあったが特に問題もなく三人はギルドへと戻ってきた。


「おかえりなさいランドさん、今回の依頼は達成できましたか?(まぁ大丈夫だろうけど)リディアさんもお疲れ様でした。ラジちゃんもお帰り」


シシリアがそう言葉にしながらランドを出迎える。


「ただいまシシリア、まぁなんとかなったって感じだよ」


「う、うむ色々あったが私は無事だ」


「ただいまシシリアさん」


出迎えたシシリアに三人はそれぞれに返事をした。


「そうですか、ではランドさん今回は森の魔物の間引きですからなにか討伐された魔物の素材か部位を証拠として提示してくれますか?」


「わかった、とりあえずは数体のゴブリンの討伐証拠として耳とフォレストウルフの牙だ」


そう言ってランドは机の上に言葉にした魔物の一部を並べる。リディアも持っていた物をその横に並べた。


「フムフム、流石ランドさんですねこれだけの数を間引きするとは。リディアさんも流石Aランクですね」


並べられた物を見てシシリアがそう感心するとランドは「ああ、それとあとひとつあるんだ」と口にする。


「え、他にもなにか討伐されたのですか?」


ランドの言葉にシシリアがそう返すとランドは「まぁたまたま遭遇したんだが、コイツについてはギルマスにも報告しようと思うんだ」と告げる。


「ギルマスにもですか?」


「一応な、だからフォルクスさんを呼んできてくれるか?」


「わかりました、ちょっと待っててくださいね」


そう言ってシシリアは席を立つとフォルクスを呼びに二階へ向かった。


やがてシシリアがフォルクスと戻ってくるとフォルクスは開口一番に「今度はなにやらかしたんだ?」と声にした。


「やらかしたって…人聞きの悪いこと言わないでくださいよ」


ランドが抗議するがフォルクスは「お前に呼ばれるときはろくなことがないだろが?」とさも当たり前のように返した。


ランドは(そんな「なにいってんだコイツ」みたいな顔しなくても…)と思ったが話が進まないので言葉を飲み込んだ。


「で、話ってなんだ?」


フォルクスがそう聞くのでランドは「ええ、とある魔物を討伐したんですが処理に困りまして。それでギルマスの判断を仰ごうかと思ったんですよ」と答えた。


「とある魔物だぁ?」


「はい」


「まぁ見ないことにはなんも言えん、とりあえず出してみな」


フォルクスの言葉にランドは「では少し鍛練場に行きましょう、このテーブルには乗らないので」と返した。


「なんだ、デカイ魔物なのか?」


「ええまぁ、とりあえず見てもらえればと…」


「まぁいいそれじゃあ鍛練場にいくぞ」


そう言ってフォルクスが歩き出したのでその後ろをランドとシシリアとリディアとラジはついていった。


「それじゃあ出してみな」


鍛練場についたところでフォルクスがランドにそう促す。


「はい、コイツなんですけどどうしましょうか?」


そう言ってランドは自分のマジックバックから左右に真っ二つにされた「老狼王(フェンリル)」の亡骸を取り出した。


その亡骸を見てシシリアは巨大な狼の亡骸に少し驚き、ラジは「へー、こんなサイズだったんですね」と暢気に言葉にし知っていたリディアは「改めて見ると大きいよな…」と感想をのべる。


そしてフォルクスはそれを見て手で目を押さえて天を仰ぐと「はぁ、やっぱりやらかしてんじゃねーか」と呟くのだった。


「えっと、ギルマス…コイツなんですけど…」


ランドがフォルクスに話しかけるとフォルクスは「わかってるよ、コイツは「老狼王(フェンリル)」だろ?俺も現役の頃に何度か遭遇したことがある」と返した。


「流石に知ってましたか」


「まぁな、しかしコイツはデカイな。普通ならせいぜい2~3メートル位なんだがコイツは5メートルは有るぜ」


「そうなんですか?」


「まぁ特殊の更に特殊だったのかもしれねぇな」


「なるほど」


「まぁこれはギルドの方で預かろう、アルガスが「引っ付けて標本にしたい」とかテンション上がって抜かすかもしれないし」


「(陛下なら言いそう…)そうですかじゃあお任せします」


「わかった、一応精霊の森のどの辺で見たかとかも含めて部屋で少し話を聞くからついてこい。リディアもな」


「わかりました、ラジはシシリアと少し待っててくれ。リディアはついてきてくれるか?」


「わかりました、待ってますね」


「わかったついていく」


「じゃあいくぞ」


二人の返事を聞いたあとランドはフォルクスとリディアとギルマスの部屋へと向かうのだった。


― ― ―


時は少し遡ってここは門番兵士の詰所


門番兵士として今日ここに配属されたばかりの新人「ルーク」は門の上の見張り台から辺りを見回しながら「平和だなぁ…」と呟いていた。


彼は実家のある田舎の方で兵士の訓練を受けてつい先日兵士として王都にやって来たばかりだった。


「まぁ平和なのはいいことだな、魔物とかが来ないということは危険がないって事だしな…ってん?なんだあれ?」


そんな感じで一人で呟いているルークの視界になにやらこちらに向かって飛んでくる影が入ってきた。


「鳥か?それにしては大きいような…?」


そう思ったルークは腰に付けた「望遠鏡」を手にして覗くと自分が見たものに驚いた。


なんとこちらに向かって銀色の巨大なドラゴンが飛んできていたのだ。


「ドラゴン!?た、大変だ隊長に知らせないと!」


ルークは慌てて詰所にいる隊長のエステルの所に走り出した。


その頃エステルは…


「フンフン~♪」


機嫌良く鼻唄を歌いながら部下と掃除をしていた。


「隊長ご機嫌だな…」


「昨日ランドと「建国祭」の時にファルちゃんとガレリアさんが激励に来てくれるって約束したからな」


「なるほどな…」


部下達がそんな会話をしてるところに新人のルークが「た、隊長!」と慌てた様子で入ってきた。


「どうしたんだ?」


「どうした新人?」


「ん、何かあったのか?」


先輩とエステルの言葉にルークは「た、大変です!こちらに向かって銀色の巨大なドラゴンが向かってきています!」と訴えた。


「「あー、まぁほっとけ」」


ルークの言葉を聞いたエステル達は暢気にそう返した。


「そ、そんなのんびりしてる場合じゃ…「お前は今日からだったな、それじゃあ知らないのも無理はない」…へ?」


慌てた様子のルークにエステルはそう声をかけると「まぁついてこい、お前も今後会うことになるだろうし」と告げると歩き出した。


「は、はぁわかりました?」


ルークは首をかしげながらエステルの後についていきやがてエステルとルークは門の前までやって来るとそこに銀色の巨大なドラゴンが降り立った。


ルークは「デ、デカイ…」と怯んでいたがエステルはなんでもないように「お帰りラジちゃん、ランドも依頼の帰りか?」とドラゴンに声をかける。


するとドラゴンの背中から一人の冒険者と思われる男と剣士のような女が降りてきた。


「やぁエステル、今日も門番ご苦労さま」


「エステルさんこんにちはお仕事ご苦労さまです」


男がエステルにそう返すとドラゴンも続いてそうエステルに声をかけてきた。


(喋った?)


ルークはドラゴンが喋った事に驚いていたが隊長のエステルはなんでもないように言葉を返す。


「ごくろうさん、そっちの女は昨日みたな?リディアだったか?」


「あ、ああ昨日の門番さんかごくろうさん」


剣士の女もそうエステルに返事を返していた。


「ん、そっちの彼は新人か?」


男の方がルークに気が付くと視線を向ける。


「そうだよ、今日から配属になったルークだ。ラジちゃんの事を知らなくて慌てて報告に来たから教えておこうと思ってね」


「なるほどな、はじめまして冒険者のランドだ」


「冒険者のリディアだ」


「ランド師匠の弟子でドラゴンのラジターヴァです、ラジと呼んでください」


三人がそう言ってルークに挨拶した。


「ど、どうも…」


ルークは少し顔をひきつらせながらそう返した。


「じゃあラジちゃん姿を変えてね、そのままだと門が壊れるから」


「姿を変える?」


エステルの言葉に首をかしげるルークをよそにラジは「はーい」と答えると体から光を放ちやがていつもの少女の姿になった。


ボーイッシュながらも可愛らしい少女の姿になったラジをみたルークは…


(か、可愛い!///)


とラジの姿にときめいた。


「それじゃあまたなエステル」


「お仕事頑張ってくださいね」


「それじゃあ」


そう言って街へと入っていった三人を「お疲れー」とエステルは見送るのだった。


「さて、まぁそういうわけであのドラゴンは無害だから今後は気にしなくていいからな」


そう言うエステルにルークは「あ…あの隊長、ラジちゃんって恋人とかいるんですか?」と尋ねる。


「は?」


「で、ですからラジちゃんはお付き合いしてる人とかは居るのかなーって」


「なんだルーク、ラジちゃんに惚れたか?」


「い、いえそのなんと言うか…///」


そう言ってテンパるルークにエステルは「まぁ今のところラジちゃんが付き合ってる男はいないぞ」と答える。


「そ、そうですか…「だけどラジちゃんが意識している男性はいる。相手の方は気がついてないがな」…え?」


「ラジちゃんももう少し自分の気持ちを理解して接したらいいと思うがなぁ…」


「ち、ちなみにその男とは?」


「あぁ、さっきのランドだよ。ラジちゃんの師匠のね」


「あの人は一体?」


「ランドは冒険者だよ。ランクはCだ」


「Cランク?何でそんな男をラジちゃんは?」


「ランドの強さに惚れたのさ」


「そ、それなら俺がランドさんより強くなったらラジちゃんに好かれる可能性もありますか?」


ルークの言葉にエステルは可哀想な人を見る目で答える。


「やめとけ、不可能だ」


「で、でもランドさんはCランクなのでしょ?それなら俺だって頑張れば…「いいか、冷静になって考えてみろ」…え?」


「さっきラジちゃんが言ってたろ?「ランド師匠の弟子です」ってつまりランドはラジちゃんよりも強いんだよ。お前、ドラゴンのラジちゃんに勝てるか?」


「そ、それは…」


「ラジちゃんにも勝てないならランドに勝つなんて夢のまた夢だ。しかもランドはラジちゃんに素手で勝ってるからな。諦めろ」


「そ、そんな~」


こうして新人門番ルークの恋は僅か数分で終わった。


そこにエステルが更に「あ、そうそうラジちゃんの他にも赤いドラゴン(ガルヴ)と水色のドラゴン(アクア)が来たらその二体も無害だから攻撃しないようにな。死ぬぞ?」と教えておくのだった。

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