STEP1 Frozen Flare 52
愛美は、リュックからスケジュール帳を拾い上げた。
仕事用と、学校用で初めの内はスケジュール帳を分けていたが、それをするとだんだん訳が分からなくなってくる。
仕事で学校を移る時は、まず初めに学校行事の予定に目を通すようになった。
いきなり実力テストという場合もあるのだ。
仕事を終えて見ると、今度は桜台付属でもテストが目前ということもある。
十一月は試験期間とも重なっていないので、学校行事は目ぼしいものはなかった。
里見に聞いたFrozen Flare の活動予定はメモしてある。もう終わった11月の2:00(スタジオ)にバツ印をつける。
昨日は愛美も、ライと同じで学校を早退してきた。
シヴァは大学三年の為授業はあまりなくその日は休み、ウミハルとヨータもその日の授業は終わっていたようだ。
愛美は、午前中だけ授業に出て、昼食中に帰ってきた。
五時間目は、愛美の嫌いな教師の授業だったので、引けられて有り難い反面、またもや期末でピンチになる可能性大であった。
今日は、レコーディングスタジオに、一時の予定だ。
土曜日なので、高校生のライも早退せずとも済むだろう。
十日までは予定がないので、三日間はオフをとれる。
長門はボディガートだから、その三日間もつきっきりでいなければならない。
長門に任せて愛美は、合間合間は学生の本分を忘れず学校にいっておこう。
行ける時に行っておかないと、出席日数が本当に危なくなる。十日も五時からなので、半日は授業に出ておくべきだろう。
11/12 ラジオ出演・リハーサル
11/13 イベントライブ(5:00開演)集合
十五日が、新曲の発売日に当たっている。長門のガードの正念場も、正味は二、三日だろう。
愛美は、そう広くはないワンルームの部屋を見回して溜め息を吐く。
細々としたものが雑然と散らばっているので、余計狭く感じるのだろう。
掃除をしようにも雑巾は、掃除機はどこにあるものか分からない。そもそもあるのだろうかとも思う。
今日の空は季節に似合った薄曇りだったが、せめて自分が使った寝具ぐらいはベランダに干して、風に晒しておこうか。
愛美が起き上がった時に崩れた雑誌以外にも、丸めた紙屑や何かが、ベッドの上には乗ったままになっている。
物は動かすな?
(そんなの知るか)
愛美はやる気もなく、ただ漫然と身体を動かし、埃の溜まった棚やタンスの上を、固く絞ったタオルの裾で拭いていた。
物をどけて拭いては、また物を散らばらせておくという、掃除になっているのかなっていないのか分からないことをしていた。




