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私の中学校生活

お久しぶりです。

続きが書きたくて勢いで書きました!


誤字脱字等ございましたらお気軽にどうぞ。

「いってきまーす!」


「気を付けていくのよ」


 私はお母さんの声を背に、まだ真新しい制服のスカートを(なび)かせて玄関を出た。


 新しい学び舎(中学校)に向かうのが、この後を考えると少し億劫(おっくう)で足取りが重くなる。

 しかし、そんな私に毎朝活力をくれる天使がいた。


「れいなおねえちゃーん!」


「日向ちゃん!」


 家を出てすぐそこには、幼稚園の制服に身を包んだマイエンジェルが笑顔で手を振っており、私も手を振りながら駆け寄った。


「ギューーーッ!」


「キャー♪」


 走った勢いを直前で殺し、流れるように小さな天使を抱き上げる。

 日向ちゃん、今日もいい香り!


 石鹸の香りや服越しに伝わる体温が、私に今日1日の活力が湧いてくる。

 あー、このまま抱きしめて居たい。なんで私は学校へ行かなければいけないのだろう。

 むしろ、このまま日向ちゃんを学校に連れて行けばいいのでは?などとアホな事が頭によぎり始めたところで、想いを振り切り彼女を下した。


 こんなにも可愛らしい子と両想いになれたというのに、世の中は残酷だ。


 同性だとか、年齢差とか、色々と悩むことはあるけれど、私は幸せの絶頂にいる。

 だからもっと一緒に居たいという想いが募るばかりで、悶々とした日々が続く。他にも原因はあるけれど……。


「れいなおねえちゃん、がっこうの男の子には気を付けないとだめですからね!」


 そして、この様に注意されることが増えてしまった。


「れいなおねえちゃんは、きれいで、かわいらしい、すてきな女性なんですから」


「~~~~ッ!!」



 もうこの子ったら!

 一体どこで覚えたのか。幼い子特有の素直さなのか、ナチュラルに褒め殺ししてくるから堪らない。


「ありがとう日向ちゃん。また帰ってきたら遊ぼうね」


「はい!れいなおねえちゃん、おべんきょうがんばってください」


 輝く笑みで手を振ってお見送りしてくれる日向ちゃん。

 意気揚々と手を振り返しながら学校へ足を向けるが、角を曲がり日向ちゃんが見えなくなると途端に気力が萎んでいく。


 いやいやいや。日向ちゃんに応援されたのだから、気合を入れていかないと!






 私と同じく、くたびれていない制服を着た人や桜の足跡を眺めながら歩みを進めていく。

 中学校が見えてくると、学生達の話し声や元気な挨拶が聞こえてくる。

 さらに進めば周囲には見慣れない2、3年の先輩達の姿が1年生(同級生)と混じってきた。

 タイが学年ごとに分かれており、1年は薄緑、2年は赤、3年は群青(ぐんじょ)


 1人で人間観察をしながら歩き続けると校門が見えてきた。ついでに校門を挟んで向かい側から歩いてくる余計なモノまで見えてきた。

 友達と話しているようで、向こうが気が付いていない様子。今のうちに身を隠す場所がないかと見渡すが、残念なことに電柱すらない。

 よし、こうなれば走り抜ける(プランA)しかない。


 よーーーい、ドンッ!


 心の中で合図を出すと、全力で駆け出す。

 ゴールは教室。


 校門前に来ると、流石に気が付いたようだ。


「あっ高木さん!」


 と声を上げたのは、フラれメンズの1人である鈴木勝谷だ。

 私は気が付かないフリをして校門を駆け抜けた。挨拶された訳ではないからセーフだよね!


 やり過ごした。そう思ったら、今度は別のフラれメンズの後姿が!

 あの短髪は杉崎誠。

 お前らは私を待ち構えるトラップか何かか!?


「ん?高木さん!」


 横を過ぎ去る私に気が付くが、私の足は止まらない!

 そのあとも、なぜか残り2人の早川准、上野修也に出くわしたが華麗にスルーしてきた。


 小学校卒業間際と卒業式当日に告白をしてきた4人。そしてフッた私。

 しかし、4人共同じ中学に入学。さらに入学式から下校する最中、諦めない宣言をしてきたのだ。

 もちろんフッたけど。お前らいい加減諦めろよと、私は言いたい。


 しつこく付きまとわれたりはしないが、できるだけ私と接点を持とうとしてくるのでそれを(かわ)す。ダンジョンに張り巡らされているトラップを回避するかの如く!


 この学校は部活動は強制ではないので帰宅部にする予定。どこかの部活であの4人と被ったら面倒なことになりそうだし、なによりも日向ちゃんと過ごすという最も大切な時間がまっているのだ。早く帰りたい。


「ふぅ……」


 教室に着いた私は自分の席で息をつく。


「玲奈おはよう。今朝は猛ダッシュでやって来たね。何かあったの?」


 話しかけてきたのは小学校以来の友達である藤堂(とうどう)愛奈(あいな)

 明るく誰とでも仲が良くなれ、世話焼き屋でクラスの女子まとめ役をやっていたりする。ほっとけば、ポツンと1人でいることが多い私を気にかけてくれる優しい子だ。


「愛奈おはよう。実は、朝から()()4人と遭遇しちゃってね」


「あぁ~~~ね。どんまい」


 女子にモテモテな4人組に対してこんなことを言うと反感を買いそうだが、私の性格を理解してくれているので、気がねなく言える。


「私には言ってもいいけど、他の女子には言わないでおきなよ。小学校からの子達なら、玲奈だからって納得するけど他の子はそうもいかないだろうし」


「なんで納得できるのか、私にはイマイチ理解不能だよ……。愛奈の方が可愛いのに」


 私的には愛奈の方が可愛くて世話焼きだし、モテると思うのだけどね。男共の眼は節穴に違いない。


「なっ……!れ、玲奈、私を堕としに来てどうするのよ……(ボソ」


「え、何か言った?」


「なんでもない!」


「そっそう?」


 なんで愛奈は顔を赤くしているのだろう。こういうことが他のクラスメイトでもあるのだけれど、一体なぜなのか。

 まだ1週間程しか経っていないが、私の日常はこのように少しめんどくさくも穏やかに流れていく。





 と思っていた!

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