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転生したら平和に暮らそうと思っていたのに最強の能力を手に入れてしまった!  番外編   作者: 零


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22/22

ファンアートの御礼 コピの日常

これは騒音の無い世界様よりコピのファンアートを描いていただいたお礼です。

時間軸は気にしないでください。

それではお楽しみください。

私はコピ。

今は魔王城の地下にある元創造主が創ったダンジョンで暮らしている。

ダンジョンでボスをやっていた頃はゲームのことは嫌いだったけれど、今はそうでもない。

それも私の創造主であるルミネス様がとりなしてくれたおかげだ。

私の力は解析、再現、複製。

この三つの権能は色々なものを知り、解析することで手数が増えるし力を得ることが出来る。

再現したり複製したものは本物の劣化版になるとはいえ、私の戦い方はそれを前提としたものだ。

相手と同じ武器を使ったり同じスキルや魔法を使ってもかける。

ならば、相手よりも多く攻撃すればいい。

私の手数は無限に増やすことが出来る。

手数を増やせば増やすだけ私は強くなるのだ。

そしてこの魔王城に強い人間がたくさんいる。

ここにいれば私は強くなることが出来る。

神が強さを求めることは普通ではない。

しかし、創造主であるルミネス様は私に言った。

この者では強い者が正しいのだと。

そして私は強くなって魔王様の役に立てと。

創造主様は魔王様に心酔している。

創造主様だけではない、この城にいる全ての人間が魔王様に心酔している。

私にはまだ難しい。

神である創造主様が魔王様に従っている理由は分かった。

強く優しいから。

私にも本来神には不必要であるはずの心が芽生えているらしい。

でも、悪くない。

私は今日も魔王城で色々な物を学んでいく。






「コピー、ゲームー。いるー?」


ダンジョンにシェールが現れた。

シェールは物づくりが好きらしく、色々な物を創ってはダンジョンで実験していく。

今、私とシェールは協力関係にある。

私は一度解析したものを複製することが出来る。

この力はシェールにとってかなり有用なものらしい。

かくいうシェールも神器のように凄いものを平然と創り出す。

さすがは創造主様と並び立つ立場なだけはある。

シェールが創ったものを解析させてもらえれば複製して、私もそれを使うことが出来る。

互いにいい関係だ。

それ関係なく、シェールは優しい。

まだ人間との接し方がよくわからない私といい距離感で話してくれている。

恐らく私はシェールとの会話を楽しいと思っている。


「どうしたの? ゲームなら遊戯室だけど」


ゲームはよく魔王城内にある遊戯室に遊びに行っている。

まぁ遊戯の神なのだから当然と言えば、当然だ。


「コピ。これ飲んでみてくれない?」


シェールが小さく丸い粒を手渡してくる。


「これは?」


「神力を封じることが出来る薬を創ろうとしているんだけど、とっかかりがつかめなくて。とりあえずで作ってみたの。神力に干渉すること以外何も分からないの」


「つまりは実験体」


「そういうこと。コピなら何かあってもルミネスがどうにかしてくれるでしょ」


確かに何か困ることが起こればルミネス様にお願いして直してもらえばいい。

創造主であるルミネス様なら私の身体の状態を弄ること容易いだろう。


「分かった。その代わり神力を封じる薬が創れたら解析させて」


「勿論」


私とシェールは指切りをする。

これは以前シェールに教えて貰った。

約束事をする時にするものなのだと。

そうして私は薬を飲む。


ドクンドクンドクン


心臓の鼓動が早くなる。

神の身体に異常が起こるなんて、あり得ない。

神力は神の根幹にか関わる。

それに干渉すればこんなことも起こるのだろうか。

焦ることはない。

痛みは一切なかった。


「あれ? コピ髪の毛短くなってない?」


「そう?」


私は元々短い方だと思うけど。


「元々短いだけど。なんだか男の子みたいって、ちょっと待って」


シェールの顔つきが突然変わる。

そして何故か私の首に手を当てた。

敵意はないし、絞められてはいないので苦しくはない。


「のどぼとけがある」


「のどぼとけ?」


「そう。でもこれって本来コピには絶対にないものなの」


「なんで?」


「のどぼとけって男の人にしかないのよ」


「え?」


私は女だ。

それは間違いない。


「コピ、ちょっと触診させてもらうわよ」


私はシェールに連れていかれ、身体中を色々と調べられた。





シン視点


「は?」


俺は思わず耳を疑った。


「そうなるわよね」


俺は今シェールに呼ばれ魔王城の地下にある神々の遊戯にいる。

そこで俺はシェールから衝撃の発言を気かされた。


「シェール、もう一回言ってくれ」


「コピが私の薬を飲んだら、性転換しちゃった」


非常に残念ながらどうやら俺の聞き間違いではないらしい。

シェールから話を聞けば、ある程度のことは把握出きた。

それでコピ本人は?

今はルミネスのところに。


「とりあえず、コピの様子がみたい」


俺とシェールはルミネスの部屋に移動する。

部屋の扉は開けっ放しだった。


「ルミネス、ルミネスー」


反応がない。


「入ってみましょう」


「そうだな」


ルミネスの部屋に入る。

そこには、ベッドの上でコピを押し倒しているルミネスの姿があった。

俺とシェールは無言で部屋を出て、ドアを閉める。


「シェール、今のは見なかったことにしよう」


「えぇ、私達は何も見てないわ」


そうして俺達は各々の部屋に戻ったのだった。





コピ視点


私はシェールに身体中を触診された後、創造主様の元に連れてこられた。

私の身体はルミネス様が創ったものだ。

そのため私の身体について最も詳しい存在は間違いなく創造主様。

そういうわけで今ルミネス様にも私の身体を見て貰っているのだ。

ルミネス様が観察しやすいように、ベッドに寝転がっている。

ルミネス様はベッドの傍に立って、私のことを色々と調べている。


「見ただけだと分かんない。しょうがない」


ルミネス様はベッドに上がり、私に馬乗りになる。


「えっと、創造主様、一体なにを?」


「調査」


創造主様はそう言いながら、私の胸に手を当てる。

恐らく私の魂について調べているのだろう。

誰かが部屋を訪ねてきていたが、誰かまでは確認できなかった。


「分かった」


「どうでした?」


「シェールの薬がコピの身体を形作っている神力に干渉して身体情報が性別部分だけ変わっただけみたい。干渉は永続的なものじゃない。すぐ切れるから気にしなくていい」


「ありがとうございます」


創造主様が気にしなくていいとおっしゃられた。

ならば、私が気にすることではないだろう。


「あのー、創造主様?」


「なに?」


「どいていただけないでしょうか?」


ルミネス様は今、私の上に座っていらっしゃる。

これでは私が動くことが出来ない。

するとルミネス様が『無限収納』から魔道具らしきものを取り出す。

確か以前、景色を保存する魔道具だと教えて貰った。


パシャパシャパシャ


「何故私の姿を保存しているので?」


「男のコピ、悪くない。でも可愛いのも大事。迷う」


ルミネス様の発言の意味が分からない。

するとまたルミネス様は『無限収納』から何かを取り出す。

今度は服のように見える。


「コピ、これ着て」


ルミネス様から服を受け取る。

この服、レイメスと同じ服。

別に嫌ではないけれど、何故今?


「わかりました」


私は指示通りその服に着替えるのだった。





ルミネス視点


シェールとコピが突然私の部屋を訪ねてきた。

その理由はコピの姿を見ればすぐに分かった。

シェール曰く、実験で薬を飲ませたら男にしちゃったらしい。

まぁシェールが実験に人を巻き込むのは今に始まったことじゃない。

シェールのことだから無理矢理じゃないんだろうし、まぁ大丈夫だろう。

シェールは魔王様に報告に行くと言い、私にコピを預けて出ていった。

私はコピをベッドに寝かせてスキルや権能を使い、コピの身体を調べていく。

ただそれだけだと原因が分からなかったので、しょうがなくコピの魂を調べる。

さすがに魂を調べるには、近くを触れないと分からない。

結果的にコピの性転換は一時的なものであることが分かった。

なら深刻視する必要はない。

私は『無限収納』からカメラを取り出して、男性コピの姿を写真に収める。

コピはいわば私の娘。

娘の成長は親として見過ごせない。

私は魔王様によって創られた。

そして魔王様に娘のように愛された。

きっと私は魔王軍の誰よりも親子の愛というものを知っている。

だから私は愛すのだ。

娘であるコピを。

そうすればきっとコピも愛を覚える。

そして、魔王様を愛してくれれば最高。

愛というのは時に忠誠を凌駕する。

忠誠には限界がある。

どれだけ忠誠を持っていても、一度転生し記憶を失えばそれは失われる。

しかし愛は違う。

深い愛は魂に刻まれる。

そしてそれは転生し、記憶を失ってもなお残る。

だからこそ、本来神が覚えないものであったとしても私はコピに愛を覚えて欲しい。

あっ、そうだ。

いい機会だし、前から準備してた奴。

今日やろう。

私はすぐに『無限収納』から執事服を取り出した。

コピに着せようと思って、シェールに作ってもらっていたのだ。

見た目はレイメスの着ているものと似た仕上げになっている。

コピの身長に合わせてあるからだいぶ小さいけど。

私がお願いしたら、コピは快く渡した執事服を着てくれる。


「創造主様、どう?」


執事服を見せてくれる。

よく聞けば普段よりもほんの少し声が低い。


パシャパシャパシャパシャ


とりあえず、コピの執事服を写真に収める。

そこから私はコピの執事服を堪能したのだった。





コピ視点


創造主様にお願いされて、色々なポーズをする。

必要な道具はレイメスのものを解析していたのでそれを複製すればこと足りた。


「満足」


約三時間ほど経った頃、ようやく創造主様はご満足された。

その瞬間、私の身体に違和感が走る。

男の身体に変わった時と同じ感覚だ。

ようやく戻る。

私は思わず目を瞑る。

そして目を開けた瞬間、私の視界は低くなっていた。


「コピ、今度は小さくなった」


「はい?」


思わず創造主様の言葉を聞き返してしまった。

私はすぐに傍にあった鏡で自分の姿を確認する。

そこには、小さな身体が映っていた。


「っていうわけで、着せ替えぞっこー」


私は無慈悲にも、創造主様の手によって再び着せ替え人形となるのだった。

人形のようなゴスロリから小さな着物。

様々な姿を着せられて写真を撮られる。

結局解放されたのは小さくなってから6時間後だった。

創造主様に開放された私は、精神的な疲れを覚えながらダンジョンに戻った。

そして自分の自室に入る。


「はぁ、疲れた」


思わず言葉が漏れる。


ポンッ


ベッドに寝転がった瞬間、私の身体から煙が出てくる。

私はすぐさま『ウィンド』で煙をはらして鏡で自分の姿を確認する。


「戻ってる」


私は再びベッドに寝転がった。

創造主様に着せられた小さな服がきつく、すぐに『ドレスチェンジ』で着替える。


「はぁ、やっぱりいつもの服が落ち着く」


私は魔王様に用意してもらったふかふかのベッドに寝転がる。

今日は疲れた。

でも、こんな日も悪くない。

少なくとも、ダンジョンでボスをしていたころよりもずっといい。

楽しいし、皆優しい。

心っていうのも悪くない、そう思いながら私は眠りにつくのだった。

改めまして。

騒音の無い世界様。

コピの素晴らしいファンアートを描いてくださり、本当にありがとうございます。

これからも本作を楽しんでいただければ幸いです。

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