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色々な使い道

 今日は村で1泊することになったが宿はなく、そういった村では村長の家に泊めてもらうのだが今回は先客がいたため住人がなくなって空き家となっていた取り壊し寸前の廃屋を借りることになった。

 護衛もいれて8人とそれなりの人数なので、ぎゅうぎゅうだが外よりはましといったところだ。

 晩秋のこの季節野宿はけっこうきつい。

 日本にいた頃物語で枯れ枝を拾って焚き火なんてのを見たことがあるが、寒い季節に一晩焚き火を維持するだけの木って相当なもんだぞ。

 枯れ枝を一抱えなんてすぐなくなってしまう。

 それに皆が移動中に野宿する場所は大体決まっており、その近辺の枝なんて残ってねーよ。

 というわけで、馬車には薪も積んである。

 寒い冬に薪を積んでまで行商するのは大変なため伯父さんは冬は町で暮らしている。


 まだ夕方なため明るく、家の回りを散策してたが裏の畑は枯れ草が残ってるだけの荒れ果てたものになっていた。

 枯れ草を踏むとザクザク音がする。


 !?


 バリッ、ザクッ



「おぉ!」


 やっぱりだ。



「リーグにぃ、これって知ってる?」



 ぼくのこの4年の人生ではみかけたことはなかった。



「なにって、枯れた何かの実?」



 その残骸を拾って、他の畑へ駆けていく。

 そこはまだ緑の蔓草を見ることができる。

 畑仕事を終えてひと休みしていたのだろうおじさんに声をかけた。



「おじさん、これってなに?」

「ん?あぁ、あの空き家に泊まる商人さんとこの子かい。これはへちまだべ」


 やっぱりか。


「これって食べるの?」

「んだ、いるなら少し持ってくかい」

「おじさんちってそこ? ちょっと待ってて」


 大急ぎで伯父さんとこに戻り連れてきた。

 ぼくらの商売にしてもいいのだが、なんたってまだ4歳と6歳だ。

 お遊びの商人の真似事よりマジにやりたく、まだぼくらには荷が重い。

 もう季節的に終わりだが他の村人にも頼んで残ってるヘチマを全部売ってもらった。

 枯れかけたり痛んでるものも全部といったら皆大喜びだ。

 ぼくらの手持ちで買えるだけの安い金額しか提示されなかったが、伯父さんに投資ということでお金は頼んだ。

 お遊びのおままごと商人ではなく、ちゃんとした商売にしてもらいたい。



 翌朝、木桶いっぱいの水だけを受け取って村を出る。

 ヘチマは帰りに受け取り予定だ。

 収穫後に風通しのいいところに保管してもらう手はずになっている。


(半分はそのまま干からびさせ、半分は煮てから乾燥させてどっちがいいかの違いも試してみよう)




 たまに退屈病に襲われることもあったが、2週間の往路はほぼ予定通り進みヴァルツォーク領の領都に到着した。

 ヘチマを買った村は領都から二日の場所だった。






 王都ほどではなく、門での入場待ちは大したことなかった。

 冒険者らしきものたちは列の脇を通り、冒険者証かなスマホサイズの四角いものを見せそのまま門を抜けていく。


「王都じゃラパウルのコネですんなり入ったから説明しなかったが、大きな街なんかじゃ冒険者は商人ほどチェックは受けず入ることができるんだ。毎日朝出ていって夕方には帰ってくるなんてやつらを一々調べるほど無駄な時間をかけるわけにもいかねーしな」


 護衛のおじさんが教えてくれた。勉強になるっす。


「商人が時間をかけてチェックされるのにも意味があるんですよ。街に持ち込む商品の大まかな金額で5つに分けて、その分類に応じて入街税を支払うんですよ」

「行商途中で街で売る予定のないものを持ち込むにもお金がかかるの?」

「いいとこに気づいたね。安くて誤差程度のものはそのままだけど、宝石とか価値の高いものだと販売しないことを申告して箱に封して書類に内容を記載、出る際にチェックといった手間をかけるんですよ」

「大まかとはいえ、価値を確認する兵士は大変だね。価値を安く見積もる代わりに賄賂寄越せとかあるんじゃない?」

「ないとはいえないけど、悪事を働くには分かりやすい場所だからちゃんと治めてる領主なんかはきちんとさせてるよ。話はちょっと変わるけど、今回に限りだけど領主様の依頼で荷物を運んでるのもあって、入街の人頭税、物品税は免除されるんだよ」


 爺ちゃん太っ腹だね。



「税金はね、農民は農地に対していくら、牧畜に関しては大まかな畜産動物数に対して、村の薬師鍛冶師なんかは商品価格から原価のみを引いたもののおおよそ4割を村長が代理で納税。街などでは所有する土地に対しての税金で住民のほぼすべてから基本の税をとってるんだよ。家を持ってる人はその土地に対して払い、宿に泊まる人は宿賃の一部を宿屋が代わって税として……」


「はい、次の馬車どうぞ」


 ぼくらの番が来たが、すいっと爺ちゃんがつけくれた護衛の騎士さんが馬に乗ったまま前に出て声を返す。


「王都詰騎士のレンヒスだ。当主様の指示で商人と荷の護衛をしてきた。ほとんどの荷は納めることになっており入門税は無用とのことであり書類はこちらだ」


「はっ、ご苦労様です! 確認いたしました。そのままお通りください」



 翻訳のせいか微妙に気になってしまう。

 目下のものから目上のものへご苦労様は失礼に当たるって教わった世代なんだよな。

 昭和の後半より前くらいまでは目上のものにむかってご苦労様ですも使って問題なかったそうなんだけどな。

 それはさておき、日が落ちるまでまだ2~3時間あるとはいえ、宿もとらずに一緒に来た騎士さんの先導で馬車を走らせると大きな屋敷の前で止まった。

 あれ?あっちに見える城じゃないのかなと思って聞いてみたら、この街に城はあるのだが屋敷の方が暮らしやすいと領主の家族はこちらに住んでるんだそうな。

 城は執務や役所のような使い方をしているらしい。

 今回はこの屋敷に客人として泊まらせてもらうし、こっちでいいみたい。


一応、月~金投稿 土日休みでやってます

書き溜めはしばらくありますが、追いついたら……どうなるんだろ

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