第57話 ついに出発、さようなら王都、なんで僕らの馬車に……
なぜか王宮騎士団に見送られながら、
王都を後にした僕ら、あとギルマスも手を振ってら、
教会の人も何人か居るな、あと命を助けた冒険者も何人か。
(にしても、同行者があの女ストーカー集団とは)
馬車は3台、先頭がその『ガーデンオブリリーズ』の連中、
中央が冒険者ギルド職員2名、最後方が僕ら『ホーリーアンライヴァルド』という基本だが、
臨機応変にそれぞれがやり易い警備・護衛方法を取って良い、ということで自由に移動できる、個々がね。
「で、なんで僕らの馬車にガーデンオブリリーズの4人が勢ぞろいしているんですか」
「シグリヌ様の警備ですわ」「シグリヌ様に警備して頂くためですわ」「シグリヌ様のためですわ」
「シグリヌ様の慰み者になるために」「あーもう口調も元に、前の追っかけの時のに戻っているしー!」
冒険者ギルドでの真面目モードはどこ行った。
「ふむ、では先頭の馬車は空か」
「シグリヌ様、馬車の引手が居ます、騎士団の方だそうです」
「それに囮にもなりますわ、襲った所で中は空という作戦ですシグリヌ様」
「ということで私たちは、シグリヌ様に集中致します」「さあさあシグリヌ様、私たちと思う存分」「てか狭いよ!」
僕が突っ込んだ通り、
6人乗り馬車に9人である、
ていうかギルド職員の警備はいいのか?
(まあ後ろの馬車に居るだけで護衛といえば護衛だが)
かといってウチから先頭・中間の馬車に人を出すのもなあ、
シグリヌさんを出せばこの4人も間違いなくついて行くだろう、
先頭に1人で行かせたら……それこそガーデンオブリリーズの計画通りニヤリってなりそう。
「ちなみにこちらピアニの範囲防御魔法で敵が近づいたらすぐにわかります、ねえ」
「はいリーダー、ビンビンに感度を上げておりますゆえ、シグリヌ様は私をお好きなように」
「ええっと、S級ってことは光魔法の鎖なんて簡単に外しちゃった?」「いえセルフィさん、あれ程の光魔法はさすがに」
おそらくこの中で一番魔力の高いピニアさんがそう言っているんだ、
やはりウチのルビアさんの光魔法、その魔力は人間のS級冒険者でさえ……
もちろんその魔力の源は僕なんですけどね、と心の中でエッヘンと胸を張る。
「ねえセルフィ、一応、みんなを紹介したら?」
「ファロラ、このシグリヌさんしか眼中に無い連中に?」
「仕方ありませんねセルフィさん、ガーデンオブリリーズのリーダーとして7揉みくらいは許しましょう」「そういう問題?!」
しかもなぜ7揉みなんだ、
残念ながらもう人間に興味は……
服の上からなのか手を中に突っ込んで良いのかはちょっと気になるけど。
「どうせお返しに私のを21揉みくらいするつもりだろう」
「あらシグリヌ様、逆に私のたわわを4485揉みくらいして頂いても」
「それ『魔の谷』に到着しちゃうよ!」「えっとホーリーアンライヴァルドのリーダーさんはツッコミ役なのですね」
……なんだかこのガーデンオブリリーズのリーダー、
マロウさんに上手い具合に、ペースに乗せられている気がする、
さすがS級冒険者とでも言うか、このままだとシグリヌさんを口で奪われそうで怖い。
(いや『喋り』でね、変な意味に取らないでね!)
僕はいったい誰に言い訳しているのでしょうか。
「ええっとまずウチの看板勇者、ファロラさんです」
「スキルいっぱい持っています、魔の谷でも頑張ります!」
「珍しい女性勇者様ですね」「はじめて見ました」「光属性勇者は珍しい」「シグリヌ様の懐刀なのですね」
一応は興味を示してくれている。
「次に光魔法の魔法使い、ルビアさん」
「失礼なことをすれば、今度は全身を光の鎖で縛りますわ」
「あの魔法を無詠唱で、素晴らしいです」「さすがシグリヌ様の魔法防御壁」「もはや貴女がシグリヌ様の魔法なのですね」「私もシグリヌ様のお傍に」
いやこれウチの仲間を介してシグリヌさんに絡んでるだけだ。
「あと治癒のスペシャリスト、すでに瀕死の冒険者を完璧に治しまくったリムラさんです」
「体調が悪くなりましたら~、わたくしに~」「なるほどシグリヌ様の健康の秘訣なのですね」
「あぁ、シグリヌ様が掛けられている治癒魔法と同じものを私にも」「私も!」「私も私も出来れば同時に」
いやほんっとシグリヌさんが好きすぎだな、
なんでここまで夢中なんだよ別に魅了魔法とか掛けてないだろう、
これシグリヌさん紹介したら止まらなくなるな、先に僕の紹介を済ませてしまおう。
「ここで僕の紹介、リーダーのセルフィ、みんなのまとめ役でっす!!」
「……そうですか」「……はい」「……ふう」「……そして次は、いえ、最後がっ!」
「いや塩対応にも程があるでしょう、一応ハーレムの主ですよ?!」「「「「……」」」」「沈黙しないでー!」
もうシグリヌさんを紹介してやらないぞっと。




