第13話 ニャウス再び
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リアさんとガレージを後にしてホルス邸に戻る、ニーアは仕事で忙しいようで執務室にこもっているとのことだった。ミアとエミリアは旅の用意をするために市街に買い物に出ているとのことだった。俺はリアさんにさそわれて中庭のガゼボ(洋風の東屋)で紅茶を飲むことにした。
「それにしてもバイクってすごいわね。まだ興奮が冷めないわ。」
「褒めていただいてありがとうございます。」
「あんなに楽しかったのは生まれて初めてね。ほんとに楽しかったわ。」
リアさんは少女のような笑顔で興奮覚めあらぬという感じでバイクの感想をずっと話している。ほんとに気に入ってくれたようだ。
俺も旅の準備はしておかないとなぁと思いながら思い出したことがある。
「そういえばリアさん、コーヒーも気に入ってましたよね。」
「さっき飲んだコーヒーね。あれは本当においしかったわ。ケンゴ君の世界のものは私たちには珍しいものですものね。」
「そうですね、逆に俺はこの世界の料理とか生活の上で使うものとか全部物珍しいですから。それでですね。」
俺は話しながらストレージからコーヒー豆とサイフォン式のコーヒー器具を取り出した。目の前に現れた物体を見てリアさんはまた不思議そうな目で眺める。
「これ置いていきますので。豆は乾燥したところに保管してください、飲みたいときに持ってきていただいてこのコーヒーミルで豆を挽いて使ってください。豆の処理の仕方は後でメイドさんに教えておきますね。」
「この不思議なものでコーヒーを入れるのね。」
「今から一度試しにコーヒーを作りますからメイドさんも見ていてくださいね。」
そう言って俺はサイフォンの用意をした。アルコールランプに火をともし下に入っている水を沸騰させる、ボコボコと言い出し水が沸騰して上に充填されるとコーヒー豆と混ざりあい、すでにコーヒーの香りがあたりに漂っている。リアさんもメイドさんもコーヒーの香りを楽しんでいる。アルコールランプの火を消すと真空になった水が入っていた紫檀部分にコーヒーが流れ込む、サイフォン式は香りも見た目も楽しめるので俺は好んでよく使っている。
「は~、不思議ですね奥様。」
「えぇ、この世界ではこんなの見たことないわ。」
「そうだね、この世界にはない代物だからね。」
「そうなんだよ、俺は好きで使ってるからさ…ん?」
「あら?この子どこから来たのかしら、ケンゴ君のお知り合い?」
目の前に現れたのはニャウスだった。
「猫!なんでここに!?」
「ひどいなぁ、ウチ少し君のこと心配だったから見に来たんだけど。」
「かわいいこね、ケンゴ君紹介していただけるかしら?」
「そうだぞ、ウチは可愛いんだちゃんと紹介してほしいんだけど。」
「えっと、あのですねリアさん。この少女みたいなのが猫で神様のニャウス様ですよ?」
リアさんとメイドさんはびっくりしてその場に片膝をつく。え?え?となる俺をちらりと見てリアさんはニャウスに挨拶をしている。え?ニャウスってそんなに偉いの?
「そうだよ、なんたってウチはこの世界の創造神だからね。」
人の心読むなよ、猫のくせに。
「だから、猫は仮の姿、この間説明したじゃん!」
「人の心を読むなって、で?何しに来たんだニャウス。」
「いやさ、こっちの世界にいきなり飛ばしたじゃん?だからちゃんと送れたか心配だったんだよね。」
「そっか、心配してくれたのか。おかげさまで嫁が二人もできました。」
「あ、それは知ってるよ、覗いていたからね。」
ケラケラと目の前でニャウスが笑っているがリアさんもメイドさんも顔が少し青ざめてる。どうしたんだ?
「どうしたんだ?じゃないよケンゴ、この世界の人間だったらこれが普通の反応なんだよ。」
「だから人の心を読むなって。」
俺はおもむろにニャウスを抱き上げ頭をグリグリと撫でまわす、ニャウスはくすぐったいとか言いながらケラケラ笑いながら俺の拘束を無理やり抜け出そうとしてもがいたりしている。
「ケ、ケンゴ!今日はちゃんとした話が合ってきたんだけど!ケラケラ!くすぐったいって!もうわかったから!ウチの負けでいいから!」
「ふふ!俺様の拘束から逃げ出せると思うなよ!って、リアさんもメイドさんもそろそろ椅子に座りましょう。洋服が汚れちゃいますよ。」
リアさんもメイドさんもニャウスの反応を見ていた。ニャウスがみんなで座ろうかというとやっと二人は椅子に座りなおす。
「で?なんでニャウスはここに座ってるの?」
「いいじゃん、ウチここがいいし。ケンゴの膝の上がいいし。」
そういうと俺はニャウスの両脇をコチョコチョと軽くくすぐる。ニャウスは紘さん降参といいながらも俺の上から降りることがなかったので俺もあきらめた。
「リアさん、このちびっこが前に言っていたニャウスですよ。」
「チビッコとか失礼な、これでも神様なんだぞ。」
「ニャウス様、初めまして発言をしてもよろしいでしょうか?」
「うん、いいよ。」
「ありがとうございます、この国の公爵夫人のリア・ホルスと申します。」
「うん、知ってる。」
「存じていただきましてありがとうございます。」
「それだけ?」
ニャウスがリアさんを見るとリアさんはまた青ざめていた。
「おいニャウス、リアさんは俺の義母になる人なんだから威圧するな。」
スパーンと頭をはたくとニャウスはゲフッといいながら涙目で俺を見上げる。その姿を見ていたリアさんはおろおろとしながらニャウスの心配をしていた。
「もー、痛いじゃん!っていうかリアちゃんもそんなに硬くなったりおびえたりしなくていいし!」
「しかし・・・それはあまりにも恐れ多いいといいますか。」
「ダーメ!普通に接してくれないと怒っちゃうぞ!にゃーちゃんって呼んでね。」
「にゃー、にゃーちゃんですか?よろしいのですか?」
「いいんですよ、こんなチビッコ。」
「それよりもケンゴ!あれから君の部屋にあった荷物とか必要そうな生活必需品を全部ストレージにまとめて入れといて上げたんだよ!お礼位いいなよ。」
「あ、そうだ。ありがとうな、おかげでおいしいコーヒーをリアさんにご馳走できたんだよ。」
「本当にコーヒーはおいしかったですニャウス様・・・」
ニャウス様といった瞬間ニャウスがリアさんを見てむすーッとする。
「・・・おいしかったですにゃーちゃん。」
「でしょ?リアちゃんもコーヒーのおいしさがわかった?この世界にもコーヒーがあればよかったのに。」
たしかに!といいながらサイフォンで入れたコーヒーを飲みながらリアさんは確かにとうなずいていた。
「なぁなぁ?マジで何しに来たの?ニャウス?」
「ひどいなぁ・・・心配だったって言ってるじゃん。」
「そっか、ありがとな。あ!そうだ、ガレージあんなバカでかいのくれてよかったのか?」
「ガレージ?あれはケンゴの創造したものだからウチ知らないよ?そもそもケンゴにいったじゃん?サービスはいろいろしておくって。」
「確かに言われたが。」
「はーコーヒーおいしかった!じゃあうちはこれで帰るね。たまーに様子見に来るから。リアちゃんにもあいにくるよ。特別にウチの加護つけておくからね。じゃないと来れないから。」
「いいんですか?!ありがとうございます!いつでもお越しください。」
「だから、かたいって。リアちゃんは次来るときはもう少し普通に接してね。」
「が、頑張ります。」
こうしてニャウスは帰っていった。というかその場から姿を消したんだけど。
あれ?リアさんがプルプル震えてるぞ?
「ちょっとケンゴ君!なんでにゃーちゃんがこんなところに現れるんですか!?」
「え?いや知らないっすよ?あいつが勝手に来たんですから。」
「というかなんで神様のにゃーちゃんとあんなに仲良くしてるんですか?!」
「えっとーなんかあいつ昔飼ってた猫に似てまして、それであんなふうになってますね。」
「そんなんでいいの!?仮にも神様よ?この世界の創造神様!」
「まぁいいんじゃないっすか?それにリアさんだってその神様に加護もらったんですから、あいつひょっこりと現れますよさっきそんなこと言ってましたし。」
そんなやり取りをしているところに買い物から帰ってきたミアとエミリアが合流する。そして以後とを一段落終えたニーアも姿を現した。
「えぇ?!ニャウス様が降臨したってホントママ!?」
「ではケンゴの言っていたことは本当だと証明できるのだな!?」
「その通りです、そして私はにゃーちゃんの加護をいただきました・・・」
「加護だと・・・」
「ママ、なんでにゃーちゃんとか呼んでるの?怒られちゃうんじゃ・・・」
「むしろそう呼んでほしいと言われたのよエミリア。私だってまだ混乱してるんだから。」
「ケンゴさんちょっといいですか・・・」
ミアに手招きされて二人で物陰で話をする、まぁ向こうの三人はニャウスのことでいっぱいいっぱいのようだしな。
「そうしたんだミア?深刻そうな越して。」
「えっとですね、実は買い物している途中でエミリアと別々の行動をしていた時なんですけど。小さい女の子が私のことをママとよんで手を握ってきたんです。」
「子供の間違いなんてよくあるじゃないか。その子のお母さんはよっぽどミアに似てたんだな。」
「いえ、それが・・・私も最初迷子なんだと思ってたんですけど、名前を聞いたらニャウス様でして。びっくりして跪づこうとしたのですが、みらいのママがそんなことしないでと・・・その後すぐにパパに会いに行くといって消えてしまいました。」
「はぁ!?あいつそんなでたらめいったのか・・・気にしないでいいよミア。あいつ今度来たらお仕置きしないとな。」
「乱暴はだめですからね。それと、買い物は全部済みましたので明日の出発は問題ありませんよ。少し遠いい町で申し訳ないですが、私の故郷までよろしくお願いします。」
こうしてニャウス騒動は幕を閉じた、最終的にリアさんのステータスにニャウスの加護が表示されることとなるが、あまりのことの大きさに公表は控えることとなり、ニーアの悩みの種を作るだけであった。
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