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異世界ほのぼのバイク旅  作者: パンツ吐いた
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第11話 ニーア家の会議

9月になりました。

これから寒くなる一方ですが頑張ります。

ぐるぐる巻きにされたグレンはすっかり意気消沈している、自分の行いをすべてモニターを通して見られていたなんて・・・普通気が付くだろww


「くっそぉぉ・・・」


「黙れ犯罪者!」


衛兵団によりグレンは連れていかれた、この後に協議会に掛けられグレンの刑が決まるとのことだった。


「ママ!私はケンゴと一緒に旅に行くからね!」


「エミリアったら、私は反対しないけどパパはどうかしらね?それよりもあなたしゃべり方。」


「もういいの!衛兵団もやめたしケンゴの前で今更取り繕ってもしょうがないもん!パパ!私はパパがダメって言ってもケンゴと行くからね!」


「駄目だ!エミリア、お前の旦那さんはパパがしっかりした素晴らしい人間を用意してやる。な?だからな?」


「・・・パパ嫌い。」


「え?え?!」


「パパなんて嫌い!反対してもケンゴと行くからいい!」


そんな会話が親と娘の間で繰り返されていると、俺に目線を送ってくる人が…ママさん…ですよね。

俺は仕方なく二人の間に入ることにした。


「パパのことなんて知らない!もうかかわらないで!」


「なにを言っているんだエミリアたん!」


「・・・あの~」


「なに!?」


「なんだ!」


「ちょっと落ち着いて話をしたらどうでしょうか?町のみんなが見ていますし。」


「「え?」」


町のみんなが俺たちを囲むように人の円ができていた。俺は二人をなだめ、急遽ではあるがニーア邸宅に招かれることとなった。もちろんミアも一緒にだ、そしてミーア邸に着くと応接室に俺とミアは通される。


「ケンゴさん・・・どうするんですか?」


「いや、どうするもこうするも・・・どうしようか?」


「私はエミリアも一緒に行けたらいいと思ますよ?だってさっきプロポーズしたんですから。」


「あ・・・うん。だよね。したんだよねプロポーズ。」


俺は頭を抱えながらどうするべきか考えるが、やることは決まっている。成り行きとはいえ俺ももう覚悟は決まっている。そして応接間の扉が開かれ三人が入ってくる。


「お待たせして申し訳ございませんでした、改めてご紹介させていただきます。こちらニーア邸当主のニーア・ホルスです。私は妻のリア・ホルス、そして娘のエミリア・ホルスです。」


「この度はこのような事態になってしまい、申し訳ございません。」


俺は三人に深々とお辞儀をする。


「まぁ、そう硬くならずに座って話そうか。公式の場でもないから敬語もいらん、腹を割って話そうケンゴ君。」


「ありがとうございます。」


こうして俺、ミア、ニーア家の会議が始まる。


「さて、娘からもろもろの事情は聴いた、そしてケンゴ君との仲やすでにプロポーズを受けていることも聞いている。間違いはないかね?」


俺はエミリアを見る、普段と違い公爵令嬢として恥じないドレスを身にまとう綺麗なエミリアは不安そうな顔で俺を見て頷く。


「間違いありません。」


「そうか、正直な話をすると私は反対したい。君という人間を知らなすぎるし、娘は公爵令嬢であるからにはそれ相応の相手と結婚してもらいたいと思っているのでな。」


「おっしゃっていることはわかります。私のような地位も何もない人間のことなど信用はできないと思いますから。」


「あら?私はあなたのことを買いかぶっていたのかしら?ケンゴさん?」


「それはどういう意味でしょうか、リア様。」


「初めてあなたとお会いしたあの日、貴方と出会った娘はとても興奮隠せなかったようで私のところに来て色々と話してくれたのですよ?」


「あの日ですか…エミリア様は私の乗る乗り物を初めて見たので其れに興奮していたのではないのでは?」


「いいえ、貴方自身に出会えたことに興奮していたのですよ、もちろんあなたの乗り物にも興味はあったみたいですが。」


「ちょママ!」


「私の王子様を見つけた!って大はしゃぎだったんですから。」


「・・・・」


「私はケンゴ君の本当の気持ちも聞いていない、そしてミア君もこの先どうするつもりなのか・・・教えてくれるか?ケンゴ君」


「はい、その前に皆さんにお話をしないといけないことが沢山あります。それを聞いていただいてもよろしいでしょうか?」


その場にいた四人は返事をするわけでもなく俺の方をじっと見返していた。こんな話して信じてもらえるんだろうか?いや、俺はもう覚悟したはずだ。


「この話をするのはこの世界で初めてです、信じてもらえるかわかりませんが信じてもらえると思って話をしたいと思います。俺はこの世界の出身ではありません、別の世界で生まれてあることがあって一度死んでこの世界に来ました。」


「どういうこと?ケンゴさん?」


ミアが俺の手をぎゅっと握る。


俺はミアの手を優しく握り返して話を続ける。


「俺の生まれた世界は科学というものが進んでいて地上から数十回もある建物やこの世界にはない乗り物、バイクや電車、車などと行った電気だったり化石燃料のガソリンなどで動く乗り物が沢山走ったりしている世界でした。逆に魔法は無く剣は大昔に廃止され一般人の私たちが持つことは無くなった世界です。そして鉄の塊が大空を飛行する飛行機というものが飛んでいるような世界でした。場所を日本といいます。その日本の東京という土地で暮らしていました。」


「それを君は信じろというのか?」


「信じてほしいとかではなくて今私が話しているのは、事実なんです。」


「それで、別の世界のあなたがなぜここにいるのかしら?」


「そうですね、今からその経緯をお話ししますねリア様。あの日俺は仕事で東京から200Km近く離れた都市に仕事で向かい帰る途中で事故にあいました。事故っていうのは、あの乗り物バイクで転倒してしまったりすることを言いうんですが。その原因がこの世界で神様をしているニャウス様が道で倒れて居たのを回避するために急ハンドルを切ったのが原因だと思います。」


全員がニャウスの名前に驚きを隠さないでいる。それでも黙って俺の話を聞いてくれていた。

ミアの手にはさらに力が入る、俺はそれを優しく受け止めるしかできない。


「そして気が付くと俺は真っ白な空間に居ました、そして目の前には幼い少女姿のニャウス様がいました。

ニャウス様曰く俺はあそこで死ぬはずではなかったと、そのお詫びとしてこの世界で思いっきり旅をしないか?と言ってくれたんです。そしてあの日俺は関所の近くで目を覚ましたんです。これが俺の素性といってもいいかと思います。」


「ケンゴはニャウス様の使途様なの?」


エミリアの質問に俺はどう答えていいのかわからなかった。


「確かにニャウス様にはあっているが特に使命とかは言われてないかな?だから使徒とか言うものではないと思うんだ。」


「しかしニャウス様のなまえがでてくるとは・・・これはどうしたものか。ところでケンゴ君あのバイクという乗り物はアーティファクトといっていたが。」


「すみません、アーティファクトというのは関所にいた騎士団の方がバイクをみて勘違いしてくれたのでそのままつかわせていただきました。」


「そうだったのね、あなた?そろそろ本題を聞いてもいいんじゃないですか?」


リア様がニーアに話を促す。


「そうだな、してケンゴ君。君のことは今の話を聞いて一度飲み込むとして君は娘のエミリアをどう思っているのかな?」


俺はニーアの目を正面からみて答える。


「この世界でミアとエミリアは俺にとってとても大事で大切な人です。あの日、マルス湖で三人で見上げた星空は俺の中で特別なものとなりました。この三人でずっといっしょに旅をしたい、三人ならどこにでも行けると思いました。だから!こんな身分の何にもない男で不安だったり世間の目が有ったりしてエミリアやお二人にはご迷惑をかけるかもしれませんがどうかエミリアとの結婚を許してください!」


俺はニーアとリア様に深々とお辞儀をする。こんなんで許してもらえるかどうかわからないけれど本気で頭を下げた。


「・・・ふぅーーー。ケンゴ君、娘をよろしく頼むよ。」


俺は顔をバッと上げる。ニーアはニコッと笑って俺に手を差し伸べていた。


「正直、まだあの話は信じられないのだが、本当は誰にも話すつもりはなかったのだろう?バイクのことやエミリアから聞いたはなしがなければ馬鹿にしてるとしか思えないからな。それにあのグレンの嫌がらせも全て君が解決しているそうだしな。」


俺は一筋の涙が頬を伝う感覚が鮮明に感じ取れた。


『あ、俺不安だったんだ・・・。』


声にこそ出さなかったがそう思った。誰も知らない世界で二人に出会って助けて助けられて・・・数日間でこんなにも心の奥に二人が刻まれていたんだ。


「ケンゴ!ずっと一緒だよ!」


「ケンゴさん!私もずっと一緒にいますから!」


ミアとエミリアが俺に抱き着いてきた。そして俺は・・・泣いた。


「すびばせん…ニーア様に認められたと思ったら涙が・・・」


「今日から君も家族なんだから気にしなくていい。」


「そうですよケンゴさん、エミリアをよろしくお願いしますね。」


気づけばミアとエミリアも泣いていた。俺は二人をもう一度抱きしめた。

ニーアとリア様は気を利かせてくれたらしく黙って応接室を出て行った。どれくらい時間がたったのか窓の向こうはすっかり暗くなっていた。ミアもニーアも俺も泣いたり笑ったり、その時は忙しかったが夕飯の準備ができたという事で食堂に三人で向かった。


「今日は特別な日になったから食事も豪華なものにしたよケンゴ。」


ニーアがケンゴと呼び捨てにしてくれる。自分を家族として迎え入れてくれた証拠だ。ここは・・・


「ありがとうございます!おとうしゃ・・・」


お父さんと言おうとして俺は噛んだ。リア様がぷっと吹き出しみんながそれにつられて笑い出す。俺だけ赤面している状態だったが、ニーアだけは爆笑していた。少しイラっとしたのはゆうまでもない。


「さて、気を取り直してケンゴとミアとエミリアの最高の日だ!大いに飲んで大いに祝おうじゃないか!皆の者!カンパーーーーーーイ!!」


こうして俺たちは夜遅くまで飲み明かした。途中で兵士やメイドさんなども無礼講だという事で宴に参加して初めて会う専属騎士の団長にエミリアを狙っていたことを明かされたりして、とても楽しい一日が終わりを告げた。


お読みいただきありがとうございます。

気に入っていただけましたら、下にあります評価☆☆☆☆☆を付けていただけると嬉しいです。

ブックマークもよろしくお願いいたします!


本日もう1話UPする予定ですよろしくお願いいたします。

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