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やっと帰る18day

()は機械越しに聞こえてるという設定でお願いします

「ふぅ」


 土砂降りのなかで、ため息を吐く。雨水は避けられないが、前方から降り注ぎかけた赤い水からは避けたために、さらに泥だらけだ。


「あなた、大丈夫」


 そんな泥だらけの俺に紗枝は手を伸ばす。


「大丈夫、紗枝は」


 その手を土砂降りの雨で軽く洗った自分の手で取ると、それに体重をかけ立ち上がる。


「あなたが私の方に来るあれを撃ってくれたから」

「そっかならよかった」


 そう俺たちは、互いに向かってくるゾンビではなく、相手の方に向かうゾンビの後頭部を撃ち抜いたのだ。ゾンビは前を腕でガードしていたために正直に正面から撃っていたら、どれだけ撃つ必要があったかわからないからだ。そういった細かい点を確認したいが、そんなことは後回しだ。今はさえを殺そうとしたあの軍人っぽいのの処理だが、これだけの銃声を間近で聞いて動きがないのだ。それはまるで。


「あなたこいつら」


 ジャングルジムに登り、それを見る。それはお互いに頭を撃ち抜き死んでいた。どうせ殺すつもりだったがこれはまるでついていない。


「まあ、多少持ち物はあるだろう」


 それを漁るが、どれもが空だった。食料も持っていなければ、弾も持っていない。回収したのは銃本体4丁と空マガジン、それとボイスレコーダー。ボイスレコーダーを再生してみる。もしこいつらが獲物ではなければ、まだ狩りは続けなければならない。


「あなた聞いてる間、あれ回収してくる」


 紗枝はチェーンソーを回収に向かう、菜々美達の方を方を見るが慌てるようすはないのでまだ大丈夫だろう。


(このメッセージを聞くものへ)


 そこで判明するこいつらは獲物だ。


(ここは地獄だ、軽い気持ちで受けた仕事、後輩がミスしたが、俺は少しはいるのが楽しみだった。

 だがな、いやこれを聞いてるってことはもう遅いか、ここに入ったら生きることだけ考えろ。ここで生きられるのは、ある種どこかおかしい奴らか、安全なところを得たものだけだ。

 だからなこれを聞いた直後、早くにげろ、俺たちの荷物は勝手に持っていってくれ、まあ大したものは持ってないし。

 パンッ

 最後の銃弾だって使っちまった。はははっ傭兵として生きて敵を殺し、味方を失い、無抵抗なやつらもなぶって、そしてさっきおかしくなった後輩を殺した。でだ最後は俺の番なんだ。

 近くに人がいるような感じがする、もしかしたら土砂降りのなかで体温低下したことによって見せられた幻覚かもしれないが、はははっ、笑いが止まんないんだ。

 俺がなにしたって言うんだ、傭兵として戦場で死ぬ覚悟はある、けどここはなんだ戦場か、いやここはただの虐殺場だ。無限に現れる敵、敵、敵。俺も後輩みたく発狂すればよかった、おかしくなればよかった、理性的にいきようとしなければよかった、血肉をくらい、死体にまぎれても生き残る覚悟をすればよかった。

 今となってはすべてが遅いけど、ははっ、寒さじゃなくて手が震えてんだよ、なんだよこれ、なんなんだよこれ、死にたくねぇよ。

 ……………………………………死にたくねぇよ、死にたくないんだよっ。





 もうだめだ、これを聞いた人、もし俺と同じ服を着たやつを見たら胸のドッグタグを渡してくれ、ワルい、頼んだ)


 そこで再生は終わる。


「よしこれ最大ボリュームで、しかも防水だから囮がわりに使えるか」


 ポケットに放り込む。その頃になると紗枝が戻ってきたので、菜々美達に手を振り集める。


「あなた見て」


 紗枝が持ち出したのはチェーンソーとそして。


「トランシーバーか」


 トランシーバー、無線機、だがまあ使い方がわからない。ついでに声が聞こえるが。


「ここボリューム」

「あっうん」


 ボリュームを捻る。声が聞こえる。


(おい聞こえるかα)

「なにこれ」

「さぁ」

「パパなにそれ」


 菜々美達が合流する、なのでそのトランシーバーを菜々美に渡す。


「自由に使っていいぞ」

「うん、ありがとう、菜々美一杯勉強したんだ、パパにその成果見せるよ」


 そう言うと無線機の電源を落とす。


「うんこれで静かになった」

「そうだな」


 1つだけだし、これも売りさばく対象にするのでリュックにしまう。


「と言うか紗枝重くないの」

「んっ、軽いよ」

「そっか、紗枝は力強いなぁ」

「えへへっ」


 荷物は持ったし、ゾンビは来ないし、何があったかわからないが今日はそれなりだろう。後は。


「いつも通り帰ってシャワー浴びようか」

「ええ」

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