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変化
「やだ・・手腕なんて私にある訳無いじゃないの」
「一番競翔家にとって大事な事を知ってるかい?」
山川は質問した。
「・・この前川中会長さんのお宅にお邪魔して・・鳩を観察する事だと答えたわ」
「正解!」
山川が言うと、
「でも・・そんな事で?」
「充分さ。それが花ちゃん、一羽も初参加から落語させていない結果に繋がっている」
「散々な成績だわ」
「2羽は、確かに傍目から見て凡庸かも知れないが、今年種鳩にしたのは大正解。それに、紅竜号は、アイザクソンの血が強いのか、晩生見たいだから、今年の 700キロレースで休ませたのも大正解。君は知らずの内に手腕を発揮していると、俺は思うし、周りも見てると思う」
意外な言葉が山川の口から出て、美里は困惑していた。
「あ・・あれ・・ヤマさんと花川さんじゃ・・」
丁度その時、学校から自転車で戻る途中の田辺が2人に気付いていた・・。
「やっぱり・・駄目かい?」
山川が言う。




