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変化
代金を支払うと、哲茂と、美里は墓参りに。週に2,3回は訪れる美里が、綺麗に墓を掃除してあった。暫く2人で手を合わせ、香山市を流れる大山川に掛かる橋付近に車で通る所であった。
「パパ、ちょっと車を止めて」
「うん・・?」
「あ、パパ、先に帰ってて。私、ここから歩いて帰るから」
「ああ・・」
哲茂は何でここで美里が降ろせと言ったのか理解出来なかったが、彼女は橋付近の土手沿いに山川らしい姿を見かけたからであった。
その人影が、やっぱり山川だと分かる距離まで歩を進めた美里だったが、その場ではっとして立ち止まった。
何故か、山川は土手に座ったままの姿勢で両肩を小刻みに震わせ、泣いているように見える。はっとした美里は、それ以上は進めず、声を掛けられない状態で立ち止まっていた。そして・・しばらくして、ふいに山川が美里の方に振り向いた。驚いた様子で、
「・・あ・・花ちゃん・・」
美里は挨拶の言葉を失い、かろうじて頭を下げる。




