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一夜
「なんだ?あれは」
車がすぐそばを通り過ぎていく。
ドライバーには見えていないのか?それとも幻覚か?
あまり恐怖感を感じなかった私はつい面白半分にタカシに電話した。
「今どこ?」
「公園に居るに決まってる」
タカシは車をドレスアップするのが趣味で夜はどこかの公園の駐車場で自慢の車をサカナに仲間とわいわいやっている。
「今からうちに来ないか?」
「何でだ」
「いや面白いものが見えるから」
それを聞くと二つ返事で「行く」といった。
私は来る途中で高速に乗ってくるルートを勧めた。ちょうどタカシもそのルートで来るつもりで居た。私はしばらくぶりに来る友に対して本物のビールを冷蔵庫に並べた。
タカシが来るまで私は窓際においてある双眼鏡を手に取り、例の白い煙を観察した。
水蒸気や何かが燃えてできた煙とは異なり、密度が濃い。形も丸くなったり細長くなったり。
しばらくするとタカシの車が見えた。でっかいアメ車で度派手なネオンをつけて走っているからすぐに分かる。
白い煙の横を通り過ぎていく。
一瞬、白かった煙がネオン色へと変わる。
しばらくして、玄関のチャイムが鳴った。
扉を開くとタカシの姿があった。背は低めで痩せ型。何であんなにでかい車に乗っているのか不思議に思ったことがある。
タカシは私に断ることも無く冷蔵庫の中のビールを取り出していた。




