2時間ワイドなら○○
国取り合戦の対岸取りを成功させ、3人は駐車場まで歩いていった。途中、岩場のところで若い男が叫んだ。
「誰か倒れている。」
3人は、慌ててかけよった。
岩陰に、年齢30歳位の若い男が血を流してうつ伏せで倒れている。
リーダー格の男は、若い男に
「110番、俺は119番する。先生は駐車場の売店行ってAED無いか聞いてくれ」
といった。
若い男は、命じられたまま110番通報する。マジな事件での110番は始めての経験で有り、かなり緊張している。
通話ボタンを押してしばらくすると、電話がつながり
「110番です。どうされましたか?」
落ち着いた声で、問いかけられた。
若い男は、現在沖縄の辺戸岬にいること、岩陰に男が倒れていることを伝えたところ、
「現在、鹿児島県の司令室で電話を受けています。通報があった事はこちらから沖縄の警察に連絡します。沖縄県の警察官から電話があるので、その場で待機して下さい。」
と、返答があった。
若い男は、
「さっき位置ゲーで、ずっと沖縄表示していたので、電波が遠くまでとぶとは思いませんでした。」
と思わず言ったら、110番氏は
「私もころぷらやっていますが、よくあります。音声とデータでは別の電波でしょうか・」
と返答した。
電話が終わったころ、竹ノ塚の先生は手ぶらでもどり
「AEDは無いようだ。」と言った。
とりあえず応急措置を取ろうと声をかけるが応答は無く、脈も確認できない状況であった。
リーダーは
「去年講習を受けた時、最低限心臓マッサージだけでもと教わった」といい、倒れていた男を駐車場まで運び、そこで心臓マッサージを行い、足からの出血がひどいので止血措置をした。
竹ノ塚の先生は、「2時間ワイドだったら、9時半くらいの状態だな」
と軽口を叩いたが、リーダーから
「不謹慎だぞ」
といさめられた。
しばらくするとリーダーが連絡した救急車が到着し、救急隊が男の状況を確認する。
リーダーは、救急隊から発見したときの状況と応急措置の内容を説明した。
比嘉と名乗った救急隊は、リーダーに対して、
「取り合えず、救急病院まで搬送します。あとから、警察の方が来ますのでもう一度状況の説明をお願いします。」
といい、倒れていた男を救急車に載せ、処置を行った後サイレンとともに走り去った。
その救急車と入れ替わりにパトカーが入ってきた。
年輩格の警察官が、「私は国頭警察署の与那嶺といいます。詳しい状況を教えてください。」と話しかけてきたのでリーダーは救急隊員に話した内容と同じようなことを話した。
その警察官は、「ご協力ありがとうございます。また何かお聞きすることがあるともいますのでよろしくお願いします。」と述べ、どこかに電話をしていた。
また別のパトカーや覆面パトカーが到着し、黄色いテープで男が倒れていた場所やリーダーが応急処置をした場所などで封鎖していた。
リーダーは「先生の表現真似するなら、ここが9時半くらいじゃないかな」
とつぶやいた。




