(50)私は、きっと大丈夫!!
こうしてー神は死んだ。
………嘘です。まだ生きてます。
「ほらほら、逃げないと、おかしいな。神じゃなかったのか?おまえ、早くしないと体の毛が無くなるねぇっ?」
『ウギャアアアアッや、止めて、ギャアッ……チ、チカラがきえる、なぜなんだぁ!?』
はい、ラークシュを管理している神(アルパカ神、)只今、ルーンさんの手により毛刈りの真っ最中。
そしてーー賢者様も浮島の管理者のタータ様に詰め寄り、
「さあ、タータ、何時までも幼女体型がいいなら、そう固定するけど、どうする?なあ、精霊の長よ?」
「わわ、分かったから、ケンケンいま、戻るから、ヤメテたもれぇ、怖っ、はあっダーリンの顔だとやり難いんじゃ、ほんとっ」
幼女から、何と美女になったタータ様にびっくりした!?
「タータ、あの管理者という名の邪神を入れる籠を用意してくれ」
「分かったのじゃ、けど、どうせなら、箱のほうがオススメじゃ、白なら改心、黒なら恐怖をどっちが良いかのう……」
「箱に入れたいが、今回は見えるように籠で終わったらタータ達の好きにしていいよ」
「それなら籠を用意するのじゃ、白樹の籠をもてい、精霊たち」
タータ様の前に、小さな長方形の籠が現れた。
「さて、ルーン君、そいつの毛を全部刈りおわったら、ここに入れるから、いいかな?」
「いいよ~っ賢者さん、もう、こいつの神力だいぶ奪ったしさあ、小さくなったし、ちょうど良いサイズだね。渡すよっほら」
「では、ラクーシュの新管理者くん?しばらく、この籠に入ってもらおうかな。前の管理者達は上手く逃げられたから、君を使って、呼べそうで良かったよ。楽しみだな」
『ひっなんで、なんで、ただ、先輩達が作った玩具で遊ぼうとしただけなのに~っうえ~ん。』
丸刈りにされたアルパカ神が泣き出した。私はそれを見ても可哀想とは思わなかった。
(この世界を玩具って言ったわ、やっぱりこいつ嫌いだわ、泣いてるのは自業自得、一度言ってみたかった。セリフを言ってみよ)
「アルパカ神、ざまぁ(笑)」
「リイアちゃん、ご機嫌だね。良かった~あっ聞き逃す所だった。お前が言ってた先輩がリイアちゃんを嫁にするって、言ってたけど、どういう事か説明してから、逝ってもらおうかなっ?」
『ギャアッ、わかった。わかった、説明するから、これ以上、チカラ奪わないでくれぇぇぇ』
もだえ苦しむアルパカ神によると、先輩は、地球のとある次元者から渡された魂を「伴侶」にする為に、ここラクーシュに持って来たのを、何も知らないアルパカ神が勝手に転生させたらしい。それが、先輩にバレてもう一度、自分達のいる場所に戻せと言われたと、そして私をゲームの設定より早く15才になる前に、解放して神の領域に戻す予定だったそうだ。
(な、何それ、気持ち悪い。地球の誰だよ!勝手に人の魂をそんな気持ち悪いのに渡さないでよ!!)
それを聞いた、賢者さんとルーンさん、そして一緒にいた皆が真顔になり
「……そいつを消そう」
ルーンさんの一言に皆、うんうんと頷いてた。
◆◆
「さて、浮島が見えていた原因も分かった事だし、帰りますか」
「あっ今なら、夕飯に間に合いそうじゃない?」
ルリちゃんがそう言った。
(だいぶ長い時間いた気がしたけど、まだ夕飯前なんだ、あ~それにしても、濃ゆい時間だった。)
「じゃそういう事だから、タータ僕らは下に戻るね」
「なっ何なんじゃと!?浮島をこんな混乱に巻き込んで、ケンケン達は帰るじゃと?キーッうちも久しぶりに地上のご飯食べたい!一緒に行くのじゃ!!あとジャコウ猫達も連れていくのじゃ~」
「はあっ仕方ないな、タータは、まあ、アムカの神殿なら安全だから、大丈夫だから良いか。」
「あ、ルーンさんも、一緒に行きましょうよ!!私のお隣りでご飯食べて欲しいです。」
そんな感じでワチャワチャしながら、私達は地上に戻って行ったのだったーー。
◆◆◆
「ねーさま、月が2つのぼってますね」
「そうね!レーア、私達みたいね!嬉しいわ」
最初に、2つの月を見て、前世を思い出してから、あの月を不気味に感じてたけど、今は寄り添う双子月、まるで私とレーアのようだと思うと顔が綻ぶのだった。
ー終ー
「まだ、私の死亡フラグは折れてないけど、大丈夫。だってチートな人達が沢山そばにいるから!!」