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この世は観測されるまで存在しない  〜世界で唯一魔法が使える俺が、日本の闇を書き換えた結果〜  作者: soletes


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再観測

※この物語はフィクションです。

あなたが観測するまでは。


朝。



 静かな部屋。




 机の上に、一冊のノート。




 班目唯は、それを見ていた。




「……」




 ページをめくる。




 同じ言葉。




「この名前を追え」




 何度も。




 繰り返し。




「……誰」




 小さくつぶやく。




 名前がない。




 書かれていない。




 “抜けている”




「……」




 ペンを取る。




 空白の部分を見る。




 そして。




 書く。




「ここに名前があった」




 一拍。




「消されている」




 その瞬間。




 頭の奥に、わずかな違和感。




 ノイズ。




「……」




 目を閉じる。




 思い出そうとする。




 だが。




 出てこない。




 それでも。




「……いる」




 一言。




 確信。




 理由はない。




 だが。




 分かる。






 数時間後。




 編集部。




 班目は、パソコンに向かっていた。




 検索。




 履歴。




 削除されている。




「……」




 ログを辿る。




 微妙なズレ。




 消えたアクセス。




 不自然な空白。




「……ここだ」




 小さく言う。




 “何かがあった場所”




 そこに。




 名前はない。




 だが。




 痕跡はある。




「……」




 ノートに書く。




「存在は消される」




 一拍。




「だが、痕跡は残る」




 その瞬間。




 何かが繋がる。






 夜。




 街。




 班目は、一人歩いていた。




 目的はない。




 だが。




 足は止まらない。




「……また来た」




 小さく言う。




 見覚えのない場所。




 だが。




 “来たことがある感覚”




「……」




 周囲を見る。




 普通の街。




 だが。




 どこか。




 “ズレている”




 その時。




 一瞬。




 視界の端。




 人影。




 振り向く。




 誰もいない。




「……」




 だが。




 確信する。




 “いた”




 ほんの一瞬。




 観測した。




「……」




 呼吸が、少しだけ速くなる。




 恐怖ではない。




 理解に近い。




「……分かった」




 小さく言う。




「消されるんじゃない」




 一拍。




「観測できなくされてる」




 その言葉。




 核心。






 高台。




 宮島悟は、街を見下ろしていた。




「……」




 班目の動き。




 すべて見えている。




 消したはずの情報。




 それを。




 再び繋げている。




「……」




 初めて。




 “違和感”を覚える。




 完全に制御できない存在。




「……再観測か」




 一言。




 新しい概念。




 想定外。




 だが。




 排除すべきか。




 許容すべきか。




「……」




 結論は出ない。




 ただ。




 一つだけ、確かなこと。




「……面白い」




 わずかに。




 口元が動く。






 夜。




 班目は、ノートを閉じる。




「……分からない」




 小さく言う。




「でも」




 一拍。




「また見つける」




 その言葉。




 迷いはない。




 証拠もない。




 記憶もない。




 だが。




 それでも。




 追う。


——この物語は、あなたに観測されたことで成立しました。

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