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この世は観測されるまで存在しない  〜世界で唯一魔法が使える俺が、日本の闇を書き換えた結果〜  作者: soletes


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歪み

※この物語はフィクションです。

あなたが観測するまでは。


夜。



 編集部。




 画面の光だけが、静かに揺れている。




 班目唯は、無言で記事を見ていた。




 交通事故減少。



 社会安定。




 どれも正しい。




 だが。




「……整いすぎてる」




 小さくつぶやく。




 違和感。




 人間の世界にあるはずの“ブレ”がない。




「……」




 ノートを開く。




 そこに書かれている名前。




「宮島悟」




 指が止まる。




「……誰だっけ」




 口に出す。




 分からない。




 だが。




 何度も書かれている。




 ページをめくる。




 同じ名前。




 繰り返し。




「……」




 ペンを握る。




 そして書く。




「この名前を追え」




 一拍。




「忘れる可能性あり」




 その瞬間。




 わずかに、空気が歪む。






 別の場所。




 バー。




 神崎蓮が、スマホを見ていた。




「……綺麗すぎるな」




 ニュース。




 事故減少。




 データ。




 全部。




「ここまで揃うか?」




 グラスを置く。




 目が細くなる。




「……いるな」




 確信。




 誰かが。




 “触ってる”




「……いい」




 立ち上がる。




「探してやるよ」




 低くつぶやく。






 夜。




 高台。




 宮島悟は、街を見下ろしていた。




 光。



 人の流れ。




 すべてが繋がって見える。




「……」




 だが。




 その中に。




 “ズレ”




 違和感。




 班目。




 そして。




 神崎。




 それぞれ違う形で。




 こちらに近づいている。




「……」




 ポケットに手を入れる。




 翁。




 触れる。




 その瞬間。




 班目の“観測”が見える。




 ノート。



 記録。




 消しても。




 また繋がる。




「……例外か」




 一言。




 初めての認識。




 完全ではない存在。




「……」




 視線を変える。




 神崎。




 こちらは違う。




 直感で近づいている。




 危険。




「……」




 静かに考える。




 どこまで許すか。




 どこから消すか。




「……まだいい」




 一言。




 判断。




 即時排除はしない。




 理由は一つ。




 “観測の流れを見るため”






 夜。




 編集部。




 班目は、ノートを閉じる。




「……分からない」




 正直に言う。




「でも」




 一拍。




「ここにいる」




 胸に手を当てる。




「……消えてるのに」




 静かに。




「分かる」




 その言葉が、落ちる。


——この物語は、あなたに観測されたことで成立しました。

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