16/42
第一章
※この物語はフィクションです。
あなたが観測するまでは。
証拠は、揃っていた。
⸻
指紋も、痕跡も、時間も。
⸻
すべてが“正しく”存在していた。
⸻
だからこそ。
⸻
誰も、疑わなかった。
⸻
それが“真実”だと。
⸻
⸻
見えているものは、信じられる。
⸻
だが。
⸻
見えていないものは、存在しないことになる。
⸻
⸻
もし。
⸻
その“見えていない部分”が、最初から作られていたとしたら。
⸻
⸻
真実とは、何になるのか。
⸻
⸻
宮島悟は、ただそれに触れただけだった。
⸻
⸻
見えなかったものを。
⸻
“見える状態にした”だけ。
⸻
⸻
それだけのはずだった。
⸻
⸻
だが。
⸻
⸻
世界は、ほんの少しだけズレ始めていた。
⸻
⸻
気づいている者は、まだいない。
⸻
⸻
ただ一人を除いて。
⸻
⸻
そしてその一人も。
⸻
⸻
まだ、それを理解していない。
⸻
⸻
観測されたものは、存在する。
⸻
⸻
では。
⸻
観測されてしまった世界は——
⸻
⸻
元に戻るのか。
——この物語は、あなたに観測されたことで成立しました。




