神龍セレン 2
「いや、ファースト世代からすればやっぱりザ〇のフォルムは完成されてるし世界観もリアルだし」
「えぇ?Wからのアフター〇ンダムの方がキャラは素敵だと思うんだけど」
「音楽はファーストの方が重量感あって好きだったな~」
「曲はWでしょTWO-M〇Xのテンポが好きだわ♪」
「リアルでガ〇プラ作ってたんよ、手に入らなくて人気だったアッガ〇なんか朝から並んだんだよ」
「あれは作った者にしか分からない達成感があって~。若干のうすめ液中毒に成りかけたのはやばかったけどねw」
「・・・ぐぬぬ」
「ぐぬぬ言うなぁ~(;^ω^)w」
・・・どうしてこうなったっ!!
俺はテーブルの前の座椅子に座り向かい合ったセレンさんと漫画やアニメ談義を繰り広げていた。。。
今、丁度、部屋の隅にある大画面の液晶テレビでは懐かしいW〇ンダムのビデオが流されているところだ。
なんかやたらフレンドリーになってるのだが。。。
セレンさんの記憶を見せられた後
何やら俺の記憶にあった漫画やアニメといった文化が理解できず混乱したらしい
それで俺の創造スキルでこの当時17歳の自分の部屋を再現させられた。
テレビ等は55歳時の最新の機材を揃えて記憶からDVDを創造して出現させた
タイトルだけ思い出せば自分でも忘れている作品は単行本やDVDなどで再現されるようだ、スキル流石だ。
この世界、アンゴルモアの文化についても神龍は千里眼で人々の暮らしはある程度は見えてはいるそうだ
そこにある文化とは人間や亜人に関わらず、建築に絵画や絵本、骨董、演劇や歌など
その時代毎に貴族階級や上位の魔人層を中心に発達するそうである。
だが俺の記憶にある漫画やアニメといった類のものを見るのは
初めてという事でカルチャーショックを受けたらしい。
俺は80年台前半を青春として生きた世代だ。
当時はフォークソングとそれに台頭してきたロックバンドが熾烈な競合をしていき
テレビでもミュートマなどの音楽番組でプロモーションビデオが流され一世を風靡した時代だ。
フォークソングやJポップといった独特な歌手やロックグループがテレビを沸かせていた頃である。
セレンさんはその音楽にも直球ストライクなノリで喰いついて来た。
セレンさんはテーブルの対面に用意した座椅子に座って
再現したFMラジオのCDから流れる音楽をヘッドホン付けて聞き入ってしまった。
話しかけたらジロリと睨まれた俺は暫く黙ってテレビを見ているしかなかった・・・(´・ω・`)
ちなみに今のセレンさんは人の姿で発光体ではなくなっている。
シルエットはそのままにサラサラの腰まであるシルバーの髪にグリーンの切れ長の瞳
北欧の女神の様な、いで立ちの美人さんになっていた
多分俺の記憶にある理想的な美意識から再現でもしたかのような、どストライクの女性の姿になっていた。
服は落ち着いた感じのカジュアルで決めている、、、卑怯である。。。
神龍セレンに地球の文化について話を尋ねられた時、畏まってセレン様と呼んでいたら
同じ神種族なら敬称を付けないのが礼儀と言われたが流石に呼び捨ては神龍様に失礼と
さん付けで呼ぶことを許してもらっている
ちなみに俺はケーシン・タカトーと異世界での名前に呼び名を変えてもらった
そしてオタク談義に華が咲きビデオ見ながら楽しい時間が過ぎていった。
神種族に食事は原則必要ないらしいがおやつ程度は嗜むらしく
飲み物にコーラや昔一時期出回った猫のイラストのカラービール、チョコレートスパークリング
ミリンダグレープにチョコベーにポッキー、ポテチやケーキ、麦チョコにマカロンなど
いろんなスイーツをテーブルの上に創造スキルで再現して並べた。
案外無くなるのは早かったwww
アニメ談義に夢中で対面で話してるとセレンさんの笑う仕草がとても様になってて何度も胸がキュンとなったw
この破壊力はヤバいと自分でも思ったのだが
それより先に彼女から「でも襲ってきちゃ駄目だよぉ~ ヾ(*´∀`*)ノ 」
とあからさまに心の中読まれて言われた時は顔から火花吹きそうになったのだwww
そして何時の間にか俺の心はセレンさんへの想いの比重が増えていった
テレビでビデオを見てる時も、もう見る事出来ないと思ってただけに感慨深く見てる様を
セレンさんも一緒に見ていたがチラチラと視線が俺に向けられてる気がしたのは気のせいである。
それから一週間ほどが過ぎた
まだまだ俺たちの話は続く・・・ネタには困らないのだw
しかし。。。
セレンさんの表情が露骨に曇っている。
「何かありましたか?まさかまた!」
俺はまた煙でも湧いてきたのかと思い真面目に質問した。
「そろそろケーシンの魂が戻らないと・・・本体に影響が出ます」
躊躇いがちにそうセレンさんが言った。
「えっ・・・あ!」
(すっかり話に夢中になってて忘れていたがここは夢の中だった)
「いいえ、ここは夢の中ではありません」
即座にセレンさんが返してきた
「本来、神となった種族は余程意識しない限り眠らないのです」
「ケーシンのように物理的肉体を伴って魔神となったケースは非常に稀なのですよ」
「今回ケーシンが此処へ迷い込んだのは偶然魂体であるケーシンが同じ世界の次元をすり抜けてここへ
迷い込んだのでしょう」
「やった~、夢ではなく現実だったかぁ~♪(^^。」
「戻り方ってどうすれば良いの?」
「簡単です、意識して眠れば魂は本体の元へ帰ることが出来ます」
良かった~戻れる、俺はホッとした
しかし何故かセレンさんの表情の曇りが消えない。
「もっと、ケーシンと一緒にアニメや漫画見ていたかったよぉ~」
と上目遣いにポツリと呟くセレンさん。。。
ってあんたその言い方アニメの影響うけすぎだろぉ~
萌え殺す気か!(爆
(ヤバいって~。。。ドキドキする~('ω')w
「もっとこの部屋でまったりしていたかったよぉ~」
もうやめてあげて~~俺の精神が持たない(;^ω^)ww
「戻ってもまたここに会いにこれますよね」
軽い気持ちで確認したが
「いえ、恐らくは二度と会う事は出来無いでしょう、少なくとも今の私とは。」
「!!」
(ちょっと待ってー!)
「だったら帰りませんよ!どういう事!?」
セレンさんは静かに話し出した
「ケーシンがこの世界へ渡って来た場所は霊峰プルケリマ・・・
プルケリマはこのアンゴルモアの中心部の魔核から伸びる魔素を
最も強く放射するアンテナの様な地なのです」
「その深くにはここと他の次元を繋ぐ狭間の様な空間が存在しています」
「一定レベルの濃度を超えてしまうと魔素は時空間の歪みを産みだし様々な事象を発生させるのです。
それには神ですら意図的な介入は困難なのです。」
「故にその歪みの中でも特に問題ある魔素溜は地下深くのポイントに封印しておくといった対処をされるのですが・・・」
「・・・俺が落ちていった場所」
「そうです」
(マジで次元の狭間だったーーー(T-T)。。。)
言葉が出ない。
取り合えず疑問をぶつける。
「もう会えないって、どういう意味か分からない・・・」
「次元の狭間は幾万の時間軸とパラレル世界が交差してる場所です」
それを聞いたら俺でも大体想像は出来る
「同じ時間軸のこのポイントに戻るのは太平洋で一匹のメダカ探すような感じだと?」
「ケーシンのいた地球の表現だとそんな感じですね」
「ほぼ不可能です」
寂しそうにセレンさんがそう答える
「なら眠らなければずっとここに居られるはず、、、
迷惑でなければずっとここに居させてほしいです」
俺は懇願した。
こんな楽しい時を過ごす思いは本当に学生時代以来なのだ、
それも神龍様といえど女性とこんなに打ち解けて部屋の中で楽しく一緒に過ごすのは初めてなんだ
恐らく戻ったらもう二度とこんなチャンスはないだろう。
また一人に戻りたくない。
「本体が物理的肉体を持っている場合、魂は本体が危険な状態になれば強制的に引き戻されます」
わりと絶望的な事を聞かされた。。。
「でもまだ一週間ぐらいしか経ってない、俺の本体は魔神となってるから魔素量もかなり多かったし
かなり持つのでは、その間に何か対策でも考えれば。。。」
しかし・・・
「この世界は神龍である私の精神世界でもあるのです、外の大陸では既に2年が経過しています。
そしてケーシンのいる狭間空間も此処とは時間の流れは違うのです。」
俺は黙り込むしかなかった。
早い話セレンさんが感じた通り俺はいつ本体に引き戻されてもおかしくない状態という事か。。。
こんな感覚や感情を人として過ごした俺が持つ機会はなかった。
これが愛しさとせつなさと心〇さなのだろうかと。。どこかのフレーズが頭を過ぎる (ノД`)・゜・。
胸が痛い、心が締め付けられる、、、苦しい、まるで失恋したあの頃を思い出すがそれ以上に切ない。。。
俺が絶望した表情に沈んでいると
セレンさんは徐に正面の座椅子から立ってテーブルを周って俺の隣に座った。
俺の肩にもたれ掛かるように顔を預けて目を瞑って来た。。。
やめて~なにその発想、俺の理想的なフォークソングにでもなりそうな
イメージ通りの事をサラッとやってのけないで~(^^;;;
完全に自分の意識を読まれいているwww
「でも襲っちゃ駄目なんだよぉ~」ポツリ
(はぅあっ!!)
(もう勘弁してください;つД`)ww
その時、俺はいつの間にか騒音で荒むに任せ魔神になるほどの怒りや憎しみの塊となっていた
自分が元の自分本来の感情を取り戻しているのに気付きハッとする。。。
あぁ、これが本来の自分だった、、今ならすべてに優しくなれる、強くなれる気がする
不思議な感覚が自分の精神状態を変えて行く




