123話 遊園地ダンジョン6
『最も大切な漢字は何?』
問題はなんでもよかったが、全員が意図に気づかなければ終わる。
かなり時間がかかったものの、解答は出そろった。
〈嘘〉カドマツ・レイニー
〈嘘〉シャック・ティラノ
〈嘘〉パンジー・ウルフ
〈嘘〉ケロリンパ・エレナ
〈嘘〉ホンイツ・ガゴリグ
音の壁が解除された瞬間にツッコミきれない色々が起きた。
「え、あんた好きな人できたの!?」
「壁解除されてるね」
シャックに好きな人ができたらしい。
「正解できてよかったぁぁぁぁッ!!」
「ワン!?」
パンジーさんがウルフを胸に抱きしめている。
「百歳を超えてるんですか!?」
「レディだって言ったでしょ?」
エレナちゃんのペア。まぁそれはポチことイチドペンギンのところに長らく捕まっていたから不思議じゃない。
「てめぇ父親の愛ってそういうもんじゃねぇだろ!!」
父親? そりゃ捨てたんだもんな怒られて当然っちゃ当然。
でも、すべてに構っている暇が1秒もない。
遊園地にはトイレが見当たらなかったのでレイニーに頼んで城へ帰った。
【スキルカード:テレポーター カミノ王国 王室】
「国王様!?」
「め、れん……あ」
自分の部屋に帰って来たら部屋にメイドが5人もいた。
で、やってしまった。だが、まだごまかせる――
「【スキル:水 流体移動】」
俺の尿が華麗に宙をまって便所に向かっていった。
「レイニイィィィッ!!!」
「お顔が赤いですよ」
女性たちの前でダイナミック放尿したやべー人になってしまった。
「大丈夫ですよ、言いませんから」
「今のってお漏らし……」
「シッ!!」
いっそ罵ってくれ。かえって恥ずかしい。
「あのぅ、食事の途中で皆さまが急にいなくなられたのでグラド様が臨時警戒されています」
「無事だって伝えてくるよ」
城中に自分とレイニーが無事であることを伝える。
ウルフはまぁ、ティラノさんに任せよう。
あまりにも戻ってこないなら、いっそもう一度行くか?
「では遊園地に戻りましょうか」
「メレンゲさんもうちょっと出かけてきまあああすッ!!」
遊園地に戻り状況の確認。
ガゴリグさんとホンイツが揉めている。
さっきのクイズ関係だろうか。
「いいじゃない、別に」
「そんなワケにいくか!!」
「……どうされたのです?」
レイニーはガゴリグさんに怨みがあると言っていた。理由は俺にはまったく分からんがホンイツとガゴリグさんのどちらの味方をするにしても話がややこしくなりそう。
「僕はただ娘にご飯をあげてるだけだよ」
「人を食べさせたら駄目ってキレてるんですか?」
「いいや……」
「体重が110キロはどう考えても太らせ過ぎだッ!!」
「え?」
「いっぱい食べてて可愛いよぉ」
一度捨てた娘に自分を食べさせながら可愛いは狂気を感じるんだよな。
でも、それよりも110キロ?
異世界転生は太らないけど子供は成長する――なら太ってもおかしくはないな。
ワンズさんぱっと見はイケメン美青年だったのに大変なことになってそう。
「そこまでいったらとめなきゃダメだろうが!!」
「まぁ食べ過ぎてるだけなんて大したことないでしょ」
「何で?」
「だって太っただけなら余計な部分、切り落とせばいいじゃない」
簡単に切り落とせるなら日本に肥満と呼ばれる人はいなかっただろうな。
でも、ここは様々なスキルがある異世界。
変身などのスキルカードですごく簡単に痩せられる可能性はある。
中華風のニカナやイギリス風のドリなんかを思い出してみるが太った人はいた。
――痩せるのがそんなに楽なら肥満な人間はこの世界にいないのでは?
「痩せるスキルなんて命がけなもん娘に使おうとするんじゃねぇッ!!」
ほら、やっぱり何かあるんだ。俺の推理は正解らしい。俺すごい。
で、何故その痩せるスキルは命がけなんだろうか?




