111話 話し合い
新しいカミノ城の3階、会議室。
「やっぱり原因は魚やったで」
「……そうか」
「確かに魚を輸入するようにはなりました。でも、毒魚などは取引していませんよ」
「新規で作った養殖所の魚が原因だ」
「鳥の養殖みたいに魚も養殖ができるのですか!?」
「……せやで」
この国は異世界転生者をないがしろにした旧・カミノのせいで魚のいる川がない。
新たに住み着いた人類は栄養が足りていない者も多く魚を食べさせるのはどうだろうかとウルフの提案があり俺はこれを承諾。
生きた魚を運び巨大な池に魚を入れて養殖を開始した。
魚たちにおかしな様子もなかったので食料として流通開始。
~昨日の朝~
「早い時間すぎて店があいてないな……ん? 美味そうな匂いだな」
『この国で養殖した魚で作ったジーンズの伝統料理です、ウルフさんよかったら味見していきませんか?』
「へー!! 美味いもんだな」
~回想終了~
「ゴホッ……俺のせいで、こんなことに」
部屋で寝ていたはずのウルフは会議室に入ってきた。
「なに起きてきとんねん!? 異世界転生者もこういう毒には勝てんゆーのよく知っとるやろ!?」
「そうですよ!! ウルフさんまで失ったら私はッ!!」
「……本当にすまねぇ」
「国王命令、レイニー、ウルフをベッドにつれていけ、力ずくで」
「はいっ!!」
サカネさんと二人きりになったところで本題に入った。
もしも日本で毒魚を食べ物として配ったら罪は重い。
責任をとって仕事を首にされるのが当然だろう。
「ウルフを牢に入れるちゅー話か?」
「国王の職権を乱用してウルフはこのままレイニーの傍にいてもらう」
「そんで、ウチに話てなんや?」
「最近レイニーがおかしいんだよ……なんていうか、認知症っぽくて」
文字通りの影分身であるレイニーが認知症になる?とは思う。
死刑の判断を焦り過ぎたり、話が聞けてなかったり。
眠りつづけたと思ったら夜中に用もないのにウロウロ歩いていた。
「……アカンな」
「やっぱり?」
「消滅末期症状ゆーて、消えかけの分身によくある症状なんや」
「消えかけ!?」
「とはいえレイニー本体の強さから考えて、今のレイニーが消えるまでは何年かはあるはずやで」
未来の世界でレイニーが疾走して、誰も探していない。
前にであった子供は結局のところ何者だったのだろうか。
レイニーのためにある国、その王様としてすべきこと――
「光から遠ざけるしかないか」
「……レイニーは納得するん?」
「俺のレイニーはハクアと決着をつけることに決めたらしい、それまでに消えたら叶わなくなっちまうし」
ウルフと俺については、ぶっちゃけこんなこと程度で考えをかえたりしない。
やらなきゃ分からないことだった、魚の養殖はやめるがそれだけだ。
……酷い王だと思う奴は王に向いてねぇぞ。法律だって科学の一種、実験と失敗の連続でだんだん分かっていく。
「ウルフ寝かせましたよ」
「……カミノの最大戦力であるレイニーをこれ以上消耗したくない」
「光にあたるな、と?」
「なるべくローブかぶって過ごせば、少しはマシかな」




