108話 言葉とロボット
俺は、日本にいた時の最悪な夢を見た。
『あんな人形なんか気持ち悪いから捨てたわよ』
カミノに帰ってから翌日の昼。
子供の頃、友だちと永遠の別れをした嫌な夢から目が覚めた。
四天王に関しては見どころというものもなくレイニーが瞬殺だった。
しかしナナゴはスキルを近くで使っても動かず、まずはカミノに帰った。
温かい城でまずは眠って、昼に起きて美女メイドの1人であるグリセと目が合った。
「レイニーは?」
「王子ならまだ寝ています」
「そうか……」
「お二人とも熱があるようですのでカドマツ様は私がお世話します」
「ナナゴは?」
「安心してください、ちゃんと――ウルフ様が病院に連れていかれました」
ロボットを病院に連れていくあたりウルフもロボットについて分かってなさそう。
まだカミノに異世界転生者がいるようだったので急にいなくなったことを詫びに行こうとしたらとめられた。
風邪の人間には見えないほど小さな魔物が体内に入り込んで――。
「苗床にされているのですよね?」
その言いかたはどうなんだろう。間違ってはない、と思う。でもちょっと響きがエロい。
苗床という言葉は農業の用語で作物の苗床として使うので健全な筈。
でも、発散しにそういう店には早めに行こう。
「まぁ、うん」
「食事の用意がございますのでお召しあがりください」
ワゴンで運ばれててきたおかゆは普通に美味しかった。
「人間って不思議ですね」
「え?」
「友だちって概念があるのは知っていたのですが、子供だけにいると思っていました」
「人間が入ってきて魔物たち思っていたのと違うって驚いてたもんな……」
料理はつねに新しい物を欲しがるし、朝は食べない人もいるし、肉が嫌いなんて子供を目の当たりにした魔物は文字通り目が飛び出た。驚いて子供は泣いた。
俺は国のために身体をささげたりする王ではないので寝る。
「オハヨーゴザイマス!!」
「うお!?」
寝ていたら急激に起こされた。
ナナゴが稼働しているし、敵対はしていない。
なによりレイニーが嬉しそうだ。
「治療してもらえました」
「え、医者に?」
「はい」
「どういう治療したとか聞いてる?」
「『いやこれバッテリー切れしとるだけちゃうんけ? 魔法石入れたら直るで』とのことで」
「マタコノ星ニキマシタ、今度ハココデ暮ラシテイイノデスカ?」
俺が国王になったので法律が変化している。
と、言っても魔物を見ても攻撃しない、などどちらかといえば人間に向けた法律。
機械は予想もしない動きを引き起こすが人間だって同じだ。
ナナゴのまわりではスキルを使えないのなら使わない場所に配属すりゃいい。
新しく作られた糸の工場なんかは機械だらけなので逆にスキルは禁止されている。
「そんじゃーとりあえず」
【スキル:書き換え】で中身をちょっと書き換えた。
ナナゴの周りで万が一誰かがスキルを使ったら電源を落として停止するだけ。
「何をしたのですか?」
「えーとナナゴの周りで誰かがスキル使ったらナナゴが気絶するようにした」
「もうナナゴさんと喧嘩しなくていいのですか?」
「喧嘩……そうだな、しなくていいんだ」
レイニーの顔がぱああっと明るくなった。
友だちをとりかえせてよかったな。
でもナナゴの口にサンドイッチをつっこむな壊れるやめろ。
「いっぱい食べて元気になってください」
「ロボットは人間のごはん食べられないから!!」




