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Soul Keeper(s)  作者: HalTo


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70/77

70話 京の夢皇阪の夢

初めまして、HalToと申します。

70話です。

よろしくお願いします。

「『え…?』」

その瞬間、恐怖を感じた。

言いようのない恐怖を。

それは自らの死に対する恐怖ではなく、強いて例えるならば自らの愛してやまない大切なものを失う。

そんな恐怖を。

「『我の願いは…不死の肉体…それが欲しい…。』」

ミタマの手が離れる。

すると黒皇は(もや)で包まれる。

『や、やった…!」

その身はだんだんと人の姿へと変わる。

「お…おい、ミタマとしての我は…!?」

霊力を感じない自らの体に戸惑いながら問う。

『モの誤とニは()()ガ筆よウだ』

「はぁっ…?そんな…!!戻してくれ…!!戻せよ!!」

黒皇は目の前のミタマに殴りかかる。

拳が当たった。

「ぐはぁっ!!」

何故か自分がダメージを受ける。



「な…なにが…!!はっ!!」

ふと気がつくと処刑台に居た。

「な…なんだ!!これは!!」

黒皇は見渡す。

「殺せ!!」

「死ね!!」

「お前のせいで!!」

「クソが!!」

騒ぐ民衆の声。

「あぁ…こ…これは…!!」

思い出す。

いつか見たあの光景。

生前の記憶。

「いやだ…死にたくな」

言いかけたところでギロチンが落ちる。



「お…同じだ、タイミングまで…はっ!!」

気がつくと霊化の姿でどこかへ向かって飛んでいた。

「これは…まさか…!!」

下を見ると何人かのミタマ使い。

「そうか…!」

思い出す。

この空を。

昔の敗北の記憶。

その瞬間、強い衝撃を受ける。


『こレは湯メだ』


「…はぁっ!!」

『…。』

黒皇は振り向き、皇帝の方を見る。

『ああ、お前も気づいたか…この霊力…!!』

皇帝は深呼吸をする。

『恐らくこの霊力量…この違和感…厄介の種だ。潰せ。』

「な…なんだ…?」

黒皇は周囲を見回す。

『どうした…?』

「ここは…?わ、我は…?どうなって…え?」

目や耳を触る。

「ここには『エンペラー』がいたはずだぞ…?」

『チッ!気でも触れたか。』

皇帝は黒皇に向かって手を伸ばす。

すると黒皇の足元の影が蠢く。

『死ね。』

そこから伸びる無数の触手のような影は黒皇を貫く。

「がはぁっ…!!これは…『エンペラー』の…!!」

皇帝は黒皇へ向けて加速する。

「裏切っ…」

『命取り。』

勢いのまま右手で黒皇を貫くような動作で生命力を掬い取る。

その身に傷はない。

『おやすみだ。じゃあな。』

突然地面に大きな大きな穴が開く。

黒皇はそこに飲み込まれた。

『行くぞ…「奈落」。』



その頃

墓地にて

「橘さん!!あそこだ!!」

「はい!!『アヴェ・マリア』!!」

茉由の傍に女神が現れる。

『…!』

喪介だったミタマは茉由たちに気づき、近づく。

が、いつの間にか彼の手首の周りにはいくつもの金色の弧が浮いている。

それらが寄せ集まり、光を放ちながら新たなリングを形成した。

リングが出来上がる頃には喪介は元の姿に戻っていた。

倒れる喪介。

「うおっと!あぶない…。」

早乙女が受け止めた。

『アヴェ・マリア』は喪介に触れ、その身を癒す。

「…うぅ…ここは…?」

「大丈夫か!廻くん!!」

早乙女は呼びかける。

「…ああ。」

「喪介、ここは墓場だよ。何があったの?」

「なにが…!!…バケモン!!あいつは…!!」

喪介は立ち上がり、見回す。

壊れた墓、朽ちた木。

そのどれもが存在せず、あるのは綺麗な墓といきいきとした木だ。

「そうだ…朧気だけど憶えてる…俺は無意識に…」

暗闇の中で藻掻きながら見た、無声映画のようなあの記憶。

「あいつを()にした。」

71話に続きます。

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