61話 池暁の禍
初めまして、HalToと申します。
61話です。
よろしくお願いします。
「「無音」だ…。奴は強力な…。」
「ボクの話?」
「!?」
喪介は立ち上がる。
「…ハァ…何しに戻ってきた。」
九条も喪介の肩を借りながら立ち上がる。
「残りの剣を回収しようと思ってね、「皇帝」と来てたんだけど…別行動中ってとこかな。」
「「皇帝」…?よくわからんがお前を倒せばいいことだけは分かった。」
喪介はミタマ『モナ・リヒト』を出す。
「廻…こいつはかなり厄介だ。俺も手伝う。」
九条もミタマを出そうとする。
「!?…出ない…。」
「何!?」
「そりゃそうだよ、ボクがミタマに鍵をかけた。霊力が出せなかったり調子が悪いのはそれが原因ってとこ。」
無音はミタマを出す。
「そして…『ディエス・イレ』、裁きの時だ。黄泉の楔。」
『ディエス・イレ』の口から飛び出す鎖、先には楔が付いている。
ものすごい速度で九条に迫る。
「加速!!」
喪介は光の速度で楔を掴もうとする。
が、すり抜ける。
(何で!?これは霊力の塊じゃないのか!?まずい!!)
「静止…。」
九条に刺さる。
「ウッ…。」
「そうだよ。」
そして鎖は口の中へと巻きとられていく。
ズルズルと引きずり出されるように『proto-Z』が出てきた。
「!?…まさか。」
グッ、と引っ張られると『proto-Z』は『ディエス・イレ』の口に呑み込まれた。
ドサ、と力なく倒れる九条。
「九条!?これって…。」
「死んだね。」
『ディエス・イレ』は青い炎に包まれている。
「クッ…許さねぇ…。お前は絶対に!!!」
喪介の霊力が膨らむ。
「これは…!」
無音はミタマの胸骨の内側に入る。
「…加速!!」
喪介は消える。
無音は喪介が視界から消えたことを認識する前にぶっ飛んだ。
「!?」
『ディエス・イレ』の骨にヒビが入る。
ヒビからは青い炎が漏れ出す。
(『ディエス・イレ』の骨格を容易に…!)
『ディエス・イレ』は身を包んでいた炎をはらう。
すると肩の骨格が水牛の頭骨のようなものに変化していた。
喪介が現れる。
「「無音」…お前は倒せることが分かった。ここから1秒もかからずにな!!!」
喪介は無音を指さす。
「…加速」
「沈黙の冥界」
喪介は消え、サークルが展開される。
「ハァッ!!重力の…ぐあっ!?」
喪介は無音の目の前で止まり、黒くなった腕が地面にめり込んだ。
「1秒…経ったね。」
『ディエス・イレ』の拳がさらに喪介を沈める。
「グハァアァッ!!」
更に強く殴りつける。
「思い知れ!!ボクの痛みを!!ボクは!!全人類を滅ぼす!!!」
血飛沫を浴びながら殴り続ける。
「お、おい。あれって。」
地面を殴る音を聞きつけて早乙女や他の七剣使いが来ていた。
「ええ、廻が言ってた「無音」かと。」
翔太が言う。
「ていうかあれって…廻先輩じゃ…。」
藤田は『ディエス・イレ』の拳の先を指さす。
「え!?」「何!?」
3人はそれぞれの七剣を構える。
「いくぞ。」
早乙女の号令と共に翔太は鉄扇を閉じ、藤田は杖を地面に突いた。
「金剛石針!!」
ハンマーを振るい、空気中の炭素から針を作り、飛ばす。
翔太は消えた。
「千手影法師」
大量の巨大な影の腕が無音に迫る。
が、翔太はサークルの手前で出現し、黒腕は藍色の壁に触れた箇所が消えた。
そして針はサークルに入った途端に落ちた。
「この中に飛べない…どういうことだ…。」
「腕が…!?」
「まさかこれは…。」
無音が3人に気づく。
「…七剣使い…かな?」
『ディエス・イレ』の手に握られたそれはボロ雑巾のようになった喪介だった。
62話に続きます。




