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第11話:解放

「助けるって・・・」


「ああ、助けてやる!っとその前に、とりあえず宿に帰ろう。宿に帰ってから作戦会議だ」

ハーヴェイは頭にクエスチョンマーク3本を飛び出させたわけだが説明は後だ



「おい、待てくれよ・・・」





宿に戻ると宿屋の親父はいなかった


「あれ?宿屋の親父は?」

辺りを見回してもいない


「ああ、たぶん買出しだ。いつも俺が行ってるんだけどな」

買出しまでやってるのか・・・。本当に奴隷って大変だな。


「じゃあ取り合えず借りた部屋に行ってみるか、もちろんハーヴェイも一緒に来いよ」


「あ、ああ。案内するよ」


案内された部屋はベッドとタンス以外何も無い部屋だった。窓も無いし部屋の鍵も無い、しかも電球の代わりに紐が天井からぶら下がってる。

紐の先には見たことのある玉がついていた


「やっぱりこれもマジックボールなのか?」


「ああ、それはライトの魔法を込めてあるんだ」


『Light』

マジックボールに手をかざして唱えるとボワッと白く光る


「な?魔法の使えない俺でも点けられる」


「これはライトって魔法なのか・・・。じゃあ消すときは・・・って本題だ!作戦会議するぞ!作 戦 会 議!」


「さっきから作戦会議って何だよ、何の作戦だって?」


「だからお前を奴隷から開放するだな・・・」

それ以外の作戦会議をしてどうする?


「何回も言っただろ、俺は”仲間を見捨てない”って」


「ああ、聞いた。だから50人まとめて救うって言ってるんだ」

言った瞬間ハーヴェイが固まる。あれ?そんなに変なこと言っちまったかな


「そんな・・・。無理だよ。まず方法が無いし・・・50人だぜ。例えば50人の大脱走をしようにも無理だ。

50人のうち10人くらいはゴードンの屋敷に居るからな。緊急の貸し出し依頼のために入れ替わりで最低でも10人はゴードンの屋敷だ」


「俺を信じるって言ったよな?、それに救う方法はとりあえず持ってる・・・けど、ややこしくなってきたな。10人は常時、屋敷に居るのか・・・」


「そりゃあ信じるけど・・・。救う方法ってなんだ?この腕輪はちょっとやそっとじゃ壊れないぜ、

上位の魔法使いのキャンセレーションでやっと壊せるレベルだ。助けるって言ってくれたのは嬉しいけどよ、方法が無いじゃないか」


「ちょっと考えさせてくれ・・・」


10秒経過


「なあ、奴隷ってその腕輪が奴隷の証なんだよな、その腕輪が取れたら奴隷じゃ無くなるんだよな?」


「ああ、この腕輪さえ取れれば平民だよ、もう一度、奴隷にするにはまた奴隷にする正式な理由が必要だ」


「ん〜」


よく考えろ!俺!、これは簡単なパズルだ


50人という大人数を助けなくちゃいけなくて、しかも10人は屋敷に居て、しかもゴードンに気付かれないようにしなければならない

しかも魔法は使えないときたもんだ


いや、待てよ。





「あ!、解けた!」

そう言いながら勢いよく立ち上がる


「ど、どうしたんだよ!いきなり大声出して」


「50人全員を助ける方法だよ。」


「本当に!嘘だろ・・・。」


「ゴードンの奴隷システムは完璧だった。魔法を使えないようにして奴隷を町の外に出られなくする、逃げようとしても最低10人を見捨てなくてはならないし

逃げ延びたとしても腕輪を外してもらえる2級貴族以上の貴族を見つけなければならない。そしてその貴族が奴隷の言うことを聞いてくれるかというと・・絶望的な確立だし失うものが大きい

だが、ゴードンは予想してなかったんだ。奴隷を助けようとする”外部からの助け”を・・・

内側はとても硬いシステムだけど外側からは崩れやすいんだ」


「ま、まさか!ショータは貴族なのか!!」


「まあ、似たようなものだよ。ちょっと腕を出してくれ」


ハーヴェイの差し出された腕には腕輪がはまっている。奴隷の証だ

その腕輪にそっと触れてはずそうとする




外れなかった・・・



「あれ?、外れないぞ?。なあハーヴェイ、腕輪を着けた者以上の奴が腕輪をはずすときはどうやるんだ?」


「えーと、たしか腕輪に触れながら自分の地位を名乗るんだったかな」


まじか・・・。ってハーヴェイになら正体を明かしてもいいかな

というよりこれしか方法は無いんだ。


「じゃあ、驚くなよ?それと俺が地位を言ってもそのことは誰にも言わないこと!わかったな?」


「ああ、ショータがどれだけ有名な貴族でも驚かないよ、そして誰にも言わない、約束だ」


やっぱりいい奴だなハーヴェイは



自分には足枷にしかならないものだった、いつの間にか勝手に成ってたものだし邪魔な物だと思っていたもの

それが役に立つとは思わなかった・・・



息を吸って吐き出す


そしてゆっくりとハーヴェイの腕輪に右手をかぶせてこう言った


「俺は・・・127代セト王国 国王アサヤマショータ」


ハーヴェイの腕輪はピシィっという快い音とともに外れた

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