第12話:作戦
小さな宿屋の一室に沈黙が漂う
30秒くらいの沈黙だった
「うそだろ・・・・国王って・・・、いや、でも腕輪は外れたし、でもショータが国王って・・・」
信じられないという顔で凝視された、そんなに凝視すると目玉が落っこちるぞ?
「これは内緒な、おれは国王に成るつもりはないし成りたくもないんだ。元の世界に戻るために旅をしてるんだ」
「最近召喚の儀式を行ったって・・・、そうか、ショータが国王なのか、それじゃあ異世界から?」
混乱してるようだけど、とりあえず驚きは収まったようだ
「ああ、地球って所から来た。あと国王って地位は持ってるけど、普通の人間と変わりないよ」
「そうか・・・、俺はショータが国王だろうが普通に接するぜ?と言うよりスケールがでかすぎてよくわからなくなってきてるんだ」
「スケールがでかいって・・・、まあ逃げてるんだけどな。っと、話がそれた。」
そんなに有名人になのか、やっぱり国王だもんなぁ
「ああ、50人全員助けるって言ってたな、どうやって逃げるんだ?」
「逃げるんじゃない、戦うんだ。」
もちろん暴力的な意味じゃない。知力を使ってだ
「戦うって・・・」
さすがに予想外だったかな
「まず、はさっき外した腕輪を、また腕につけてくれないか?」
そう言いながらハーヴェイの腕にさっきまで着いていた腕輪を差し出す。
「一度、外したのにどうして着けなくちゃならないんだよ?」
「50人全員を一度に助けるためさ、いきなり腕輪が外れたと成るとゴードンも警戒するだろ?警戒されたらこの計画は終わりなんだ」
「そうだよな、いきなり外れたと成ると警戒されるよな」
腕輪を自分の腕にはめるハーヴェイ、また着けるのは嫌だろうけど今は我慢してくれ
こうやって俺が腕輪を外して自分で腕輪を着けた場合は誰かにつけられた場合と大きく違ってくる
俺が腕輪を外した時点でハーヴェイの地位は奴隷から平民に上がったわけだ。
見た目は同じだけど大きな違いだ、実質的に今ハーヴェイは自由なのだから
その平民が自分の腕に腕輪をした場合、腕輪を着けた本人は無条件にいつでも外せて、着けた本人以外の平民には外せなくなる。
普通にゴードンが着けた腕輪だとみんな思っているから平民が外そうともしないだろう
しかし、ゴードン本人が外そうとした場合はこの作戦がばれてしまう、ゴードンは腕輪を着けた本人だと思ってるから無条件で腕輪を外せなくちゃいけない、
だが、いまハーヴェイの腕にある腕輪を着けたのは腕輪をつけてる本人なのだから、名乗って外すしかなくなる。そうなるとゴードンは自分以上の地位を持つ存在が居ることに気付いてしまう
警戒されると終わりだ、ゴードンは奴隷を逃がさないために屋敷に連れ戻すだろう。そうなると終わりだ
まあ、ゴードンが奴隷の腕輪を外そうとしないことを願うばかりだ
「こうやって残りの仲間も自由にしていく、そして50人全員を自由にしたときに腕輪を外せば勝ちだ」
このままじゃ逃げるだけになるけど、ゴードンを倒す作戦は別に考えてある
「お、俺たち自由に成れるのか・・・。なんだか実感わかないな」
ハーヴェイが苦笑いする
「だって、俺。ずっと奴隷をやってたのに。宿屋に来た普通の客が逃亡中の国王様で助けてやるって言われて・・・」
「とにかく助かることを考えるんだ!この作戦にはハーヴェイの協力が必要なんだよ。他の仲間50人を探し出さなくちゃならない」
「ああ、大丈夫だ任せてくれ!。大体の場所は分かる」
「それじゃあ作戦開始はは明日の朝から、ハーヴェイは・・・・宿屋の親父に言えば何とか成るだろう」
もちろんうまく交渉してハーヴェイを連れ出すつもりだ
「なんだか、いろいろとありがとな」
「作戦が成功してから言えよな」
言った直後、急激な眠気が襲ってきた。何故このタイミングで・・・
さすがに歩き疲れたかな、熊に襲われて町まで歩いてその後も市場を歩き回ったし
「悪い、明日は早いからもう寝るよ、と言うより疲れた・・ハーヴェイも早く寝ろよ。」
ハーヴェイが立ち上がってゆっくりとドアに向かっていく
「ああ、俺は仕事を終わらせてから寝るよ」
ベッドに寝転がって何か忘れている気がした、変な違和感だ。
思い出した!
ドアに向かってるハーヴェイに声をかける
「悪い、そのライトのマジックボールの光を消してくれ、明るすぎて寝れない」
「ああ、消すのを忘れてた。これは一度つけると数時間は消えないんだ、だから・・・」
そう言いながら部屋の隅にある机の引き出しから厚手の小さな袋を取り出して天井から垂れてるマジックボールにかぶせた
消せないのかよ!しかも手動かよ!!
と突っ込みたいけどショータはすでに睡魔に負けていた




